第一話「退屈」
退屈だ。
何もすることがない。そんな木曜日の午後、何気なくコンビニへ向かっていた。何か買いたいものがあるわけではない。かといって、何かを買って言い表せない心の空腹を満たしたい。そんな時、寄り添ってくれるのがこの場所のような気がする。家から歩いて一分弱程度。これがコンビニたらしめる理由だ。
そんな思いに耽っていると、目の前の自動ドアが開いた。買う物を決めていなかったので、徘徊することにした。マンガ、雑誌に行き、広く佇むドリンクコーナー。きれいに並んだカップ麺を横目に、レジの横のアメリカンドッグを見る。一通り巡回した後、目星を付けた商品に手を伸ばす。やはりこういう時にはお茶だ。これを選んでおけば無難に落ち着く。後はテキトーにお菓子を携え、レジに向かい会計を済ませてコンビニを出た。
家に帰る途中で、家に着いた後を考える。こんな何もない日、ゲームをしようだとか、本を読もうだとか。そういえば、借りた漫画をまだ読んでいないから読んでしま…
「いっっ!」
突然、胸のあたりに激痛が走った。あまりに急なことで声を荒らげてしまった。困惑しながらもとりあえず家に帰ろう。すると、じわじわ胸が締め付けられる感覚に陥った。嫌な予感がした。何かを察知したかのように冷や汗がだらだらと流れ始めた。とりあえず帰ろうといあえず。しかし、胸の締め付けが次第に強くなっていく。
「、、、くっ!」
悟った。やばいダメだ。何も考えられない。痛い。痛い痛い。痛い。どんどん苦しくなっていく。
「、、、」
声も出ない。ほんとにやばい。いたい。いたいいたいいたいいたい。そのままその場に倒れ込んでしまった。
いたいいたいイたいいたいいたいイタいイタイ、だれか、、タスケ、、、イタイ、、苦しい、いたい
ここまでだ。諦めよう。なんでもいいや。視界が段々薄れていき、意識も遠くなる。眠っているのを堪えようとしているなの感じ。
完全に視界が暗闇に包まれた頃、微かにサイレンのような音が聞こえたような気がした。
、、、イタイ、、、、、、、クルシ、、、、、、