はやすぎる美容室
はやい!やすい!うまい!
そんな文字が看板に書かれている
そんな美容室を見かけてつい
少し考えただけで入ってしまった。
時間が無かった訳ではないし
お金に困っている訳でもないし
特に必要としていないけど
物凄く興味をそそられてしまい
吸い込まれるように入っていた。
入っていくと拳法の達人みたいな
そんな容姿のイケメンの人が
ゆっくりと私を椅子まで誘導してくれた。
そして、好みの髪の長さを伝えて
しばらく待っていると
そのイケメンが後ろに立ち
精神統一の深呼吸のようなものを
急にやりだして少し怖くなった。
静寂を切るように突然
イケメン美容師はハサミを高速で動かし
目に見えるか見えないかくらいの
とてつもないはやさで切り始めた。
動いたら命はない
それくらいの恐怖が続くこと2分弱
気が付けば理想の私がそこにはいた。
とても満足していると
歯医者さんで聞かれるように
次の予約を聞いてきた。
定期的に通う気なんて
更々ないんだけどね。