目覚め
初投稿です、生暖かい目でお願いします。
何もなくなって初めてそれまでの自分の周りのありがたみに気づく。それはそう、例えば携帯電話とか。
普段から身につけるのが当たり前だと、持っていない時にすごく不便に感じる。
けど今のこの状況に立たされて分かったことは、不便なんて言葉では表せないほど圧倒的に…
「ここはどこで、私は誰だ。」
残酷なものだった。
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…いったん状況を整理すると、とりあえず何も分からないということだな。
さっきまで倒れていた場所を見つめながら、冷静を装ってみるが、うん、やっぱり絶望。
周りを見渡すとどうやら洞窟の中らしい。暗闇の中で目が慣れてきたおかげでわかってきた。
考えていてもラチがあかないので、ひとまず周囲を探索してみることにしよう。
ペタ、ペタと素足で歩くの音が洞窟内を反響する。正直不気味だ。気がすすまない。やるしかないけど。
「…!、うっ……。」
しまった足を少し切ってしまった。幸い傷は深くないが…
外に出たい。暗い場所の探索は危険だな。
ちょうど向こうに明かりが見える、向こうまで行きたい。
恐る恐る歩を進め、なんとか目的の場所へ。
そこにはさらなる絶望が待っていた。
「ジャングルじゃん。」
そこに広がっていたのは見渡す限りの密林だった。思わず膝から崩れそうになる。
なんなんだこれは、訳がわからん。
嘘だと思いたかったが、体全体の五感が伝えるリアリティになすすべ無かった。さらには、自分が何も身につけていないことにもここで気づき、もはや茫然自失だ。そこで腰を下ろした。
………しばらく腑抜けた。そして再び立ち上がる。ここでピンときた。
「もしかして異世界???」
当たりでした。
更新は不定期。