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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
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第8話 奴隷令嬢、銀狼と出会う

ブクマして下さった皆様、ありがとうございます。評価もありがとうございます^^*

ゆっくりと振り返る。

「…………っ!」


太陽の光に反射し輝いていたのは、大きな狼だった。見惚れる程に美しい狼。

銀色の毛に覆われ、金色の瞳でこちらを見ながら唸っている。

(綺麗…………でも、嫌がられてるのかしら?)


手を伸ばせば、後ろに下がり唸り声をあげる。

私は、立つことは出来ない。

「……ご…ごめ……ん……」

上手く話せないし、言葉が通じるかも分からない……けれど何故だか、相手に伝わってる気がした。


未だ唸る狼に背を向けて、這うように離れる。

「ギャウ!」

吠える声に振り返ると、金色の瞳と目が合う。狼は私を鋭く見ている……?

いえ、違う…上?

すると影が落ちる。ふと顔を上げると、そこに居たのは

「…………ぁ」


先程襲ってきた魔獣が、目の前にいた。牙から血が滴り落ちてきた。馬を平らげ私を追ってきたのだろう

(今の私に、戦う力など…)

恐怖が全身を支配する。


カタカタカタ


動けない。魔獣が腕を振り上げる。

容赦なくソレが振り下ろされる瞬間

「ギャァウ!」

「つっ!」

狼が私に体当たりをしてきて、間一髪、魔獣の爪から逃れる事が出来た。

(……助けて、くれましたの?)


「ガァウ!ギャウ!」

怯むことなく、銀狼は魔獣に向かって行く。

爪を魔獣の首目掛けて振り下ろし、噛み付く。魔獣も対抗し爪や牙で、攻撃してくる。

銀狼は、攻撃しては離れ、離れては攻撃する…を繰り返している。

魔獣の攻撃が銀狼には当たらない、魔獣の体に無数の傷が刻まれていく。魔獣から、勢いが無くなり暫くすると息絶えた。


銀狼は、魔獣を倒し終えると、こちらを見てきた。先程のように唸ってはいない。

私は、その場から動けないまま狼を見つめていた。狼もまた、私を見つめてくる。

お互いに視線を逸らせないまま、時間が過ぎる。先に沈黙を破ったのは、狼の方だった。


「ギャウゥ」

静かに、こちらに歩み寄り、顔を覗き込んでくる。鼻先を、髪の中に隠れた顔に近づけ頬をグイグイされる。

(……な、何ですの?)

「クゥン、キャウ」

ベタベタの髪を上げ、覗き込む狼にさらけ出す。すると、狼はペロペロと顔を舐め始める。

(もしかして……)

「け…けが……して…な」

「だい……じょぶ」


「ギャウ?」

「ガウ、ギャウ」

銀狼は、それでも舐めるのを辞めなかった。

私は、安心したのでしょう、意識が遠くなるのを感じた。あの日から、心休まる日など来なかった。痛めつけられ、罵倒され、挙句に魔獣に襲われるなんて。

銀狼の姿に、安心するなんて…


パタン


「ギャ!ガァウ、ギャァウ!!」

倒れた私に向かって、焦ったように吠える声。

(本当に、人間みたい…ね)


そこで私の意識は、途切れた。

拙い文章ですが、少しずつ勉強してより良い作品が出来るよう頑張ります。

休日は2話、更新しようと思ってます。

明日は、精霊と国王目線です。

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