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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
53/54

第49話 伯爵の処刑1



……


……、…………、


『……ア、ね…ぇ…』

『ねぇシア、もし、もし僕が道を誤ったら、殴ってでも正してね』

『約束だよ?』


……


…………




朝日が昇る少し前に目が覚めた。

懐かしい夢と共に。


(約束……でしたわね…フェル)


フッと風が動く。

窓は開いていない。


でも、シルフィアはひとつ頷くと窓辺に寄った。

「何か分かりましたか」


「……………………」














昼頃、謁見室にグレッド様と向かう。


1枚の報告書と共に…


朝見た夢を、実現させる為に。


セレスティナ王国の人々を救う為に。


謁見室の前には、兵士が立っており中に通される。

「失礼します」


一礼し中に入ると謁見室には、陛下とお父様、ルーカス様とヴィムク様がいた。

そして……、陛下の前にはロンデール元伯爵が縛られ床に這いはいつくばらされていた。

口には、猿轡さるぐつわをされ、目隠しもされていた。


ロンデール元伯爵の横を通り過ぎ、陛下の前で膝を折り最高位の礼を取る。


「シルフィアか、どうした?」

「陛下にお願いしたいがあります」

「そうか、少し待て、すぐ終わらせる」

「畏まりました」


ドレスの裾を掴みお辞儀し離れる。




すると、陛下はロンデール元伯爵にの方に顔を向け声高に宣言する。


「ロンデールの処刑は、

明日の正午、処刑方法は、火攻めとする!

詳細は、ここでは伏せる事とする。

連れて行け!!」


「はっ」


兵士の方々がロンデール元伯爵を引き摺って行く。もう立つことも、ままならないらしい。


「いや、少し待て」


ロンデール元伯爵を連れて行きかけた兵士は、陛下の声に立ち止まり振り返る。

陛下は私に目を向け、言葉をかけた。


「シルフィア、最後に何か申したい事はあるか?処刑もこちらで決めてしまったが、何か要望はあったか?」


陛下の言葉に驚き一時言葉を失ったが、直ぐに持ち直し頭を整理する。


(恨んでない…筈がない。本当はこの手で罰を下したい…ですが、それはただの思念……貴族に誇りを持つならば、思念に囚われ間違った判断を下す訳にはいきません……ですから…)


「陛下、私は、陛下の下した決断に従いますわよ?」


「ならん!」


……と、お父様が声を荒らげた。


「お父様……、裁判は公正に、ですわ」


「確かに私は、この方に酷い目に合わされました。知らなかったでは、済まされないのです。だからと言って、私情を挟めば王は信頼を失いますわ」


「くっ」


「ですから、陛下に判断をお任せするのです………ですが、亡くなった者達の為にも、彼女達の無念を晴らす方法での処刑を望みますわね」


「そうだな、よし!兵士達よ、連れて行け」


そうして、今度こそ兵士に引き摺られ謁見室を出ていった。


「して、シア。どうした?」


先程の顔とは打って変わって、蕩けるような笑顔で話し掛けてくる。


「先ずは陛下、此方の報告書を見て下さいませ」


シルフィアは、先程から持っていた1枚の紙をファルークに渡した。

その報告書を、軽く目を通して行く陛下。

次第に目は厳しくなっていき、遂にはグシャリと紙を握り潰した。


ルーカス様が、陛下の手から紙を引き抜き読み始めると陛下と同じように厳しい目付きになった。

勿論、お父様もルーカス様の手元を覗き込み報告書を読んでいた。


「何を考えとるんだ、~っ、あんのバカ国王がぁ~!!」


お父様の叫びが、謁見室の外にも聞こえる程に響き渡った。

外で見張りをしていた兵士が飛び上がるほどだったと後々に兵士達が教えてくれた。


「お父様、恐く陛下達もフィアの餌食になってますわね」


この報告書は、私の影達がセレスティナを探って手に入れて下さったもの。


内容は……


『セレスティナ神聖王国において、


フェルナンド王太子殿下、及びフィルフィア王太子妃殿下の結婚の儀を執り行う。


と共に、現国王はフェルナンド王太子に王位を譲位する。


ファルーク国王陛下に、結婚披露パーティーの招待状が使者と共に届く


更に、王城には帝国の兵が潜んでいます。その数、数千程。


ファルーク国王を呼び出し襲わせる計画をたてています。』


……だそうですわ。


「陛下、お願いしたい事がござい……」


「断る」


言い切る前に、言葉を被せるように即答で断ってきた。

(むぅ)


「まだ、何も言っていませんわ」


「言いたい事は分かる。行きたいのだろう?」


更新が、かなり遅くなって申し訳ないです!


さて、伯爵ですが、処刑になります。

次回の話は、少し残酷な描写が入ります。


すみません、前に残酷な描写は後々出ないと言いましたが、次話と妹や母親の処刑に関して残酷な描写が出てきてしまいます。


苦手な方は、スキップして下さいませ。

前もって、申告します。


よろしくお願いします

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