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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
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第39話 パーティ日の真実


誰にもエスコートされず入場した私を、不信な目で見つめる貴族達。お父様とお兄様は戦地に赴き不在。白薔薇であるローザ王女には婚約者がおり、その方と入場する為まだ来ておらず……紅薔薇様は未亡人の為、社交の場に入場する事はない。


1人で入場したすぐ後

「フェル様と、フィア様が2人寄り添い会場に入場なさいました」

「皆様の視線が私に集中するのを肌に感じながら私は、2人の元に歩み寄ったのです」

目を閉じ、あの時の情景を思い出す。

微かに震えだす肩を抱き、話の続きをする。

「フェル様と、フィア様の傍には騎士団長のご子息、宰相のご子息、魔術師団長の一番弟子、ハーフエルフのイリヤがいました」


あの時のフェルナンド様の視線が忘れられない。冷たく、蔑むような瞳、今まで1度も見た事のない視線。悲しくなり、瞳から一雫落ちる。

「そして、宣言なされたのです」

「婚約破棄と国外追放を」


「理由は、私が聖女を虐め、貶めたと」

フェルナンド様を信じ、護り、国母として王妃教育も外交も頑張ってきた。幼い時からずっと……貴族としての矜持を……

「頑張ってきたつもりだったのです……フェル様の隣に立つに相応しい王妃となるよう」

「外交も、国防も社交も全て」


「でも、全て無駄でしたわ」


「あの御方は、私を信じて下さらなかった」

「フィア様の言葉を信じ、婚約者たる私の言葉を無下になさいました」

絶望に包まれた瞬間だった。

幼い頃から婚約者として振る舞い、フェル様を少なからずお慕いしていた私は、あの瞬間に全て崩れ去ったのです。


「騎士団長のご子息たるシュナイが騎士と共に近づいてきて……私を左右から押さえつけました」

あの時は必死だったから、押さえつけられた痛みなど感じなかったわね。

「馬車に押し込まれ、連れてかれた場所は、魔の森でしたわ」


魔の森から、小屋の中の経験を話し始めたら、陛下達から殺気が漏れ始めた。

「お待ち下さいませ、シア様」

ローザ様も、例外なく殺気が漏れている。

普段は、王女という事もあり、温厚で優しく聖女よりも聖女らしいと言われる程の人物なのに。

「瘴気漂う森に捨てられ、騎士に蹴られましたの?」

「…………」

苦笑とも取れる、曖昧な笑みで返す。

「……なんてこと……」

悲愴な顔をして俯いたと思ったら、次の瞬間には「許せない」とか「あんのクソ騎士共……」とか悪い言葉使いで物騒な事を呟いていた。

17歳になった淑女らしからぬ発言は、聞かなかった事にしてあげましょう。

ライラ様の言葉使いが移ったのでしょうし。


俯きながら呟いていたローザ様は、ふと言葉を止めて顔を上げた。


「騎士と言うのは、市民を護る盾であり剣である。命を掛けて戦うは国のために在らず、民のためなり!」

「それが、青薔薇であるシア様が広めた騎士道の筈ですわ!」

「騎士もまた市民なり、市民を護るのが貴族の務め……そう言って、民も、騎士も貴族も関係なく護り続けた、シア様がなぜ追放されなければならないのですか!?」

「それも!騎士に裏切られてなんて……」


「私は!楽しみでしたのよ?!シア様がお姉様になるの!!」

「フェルお兄様と仲睦まじく並ぶお姉様は幸せそうで羨ましかったですのに……いつから……」


「フィア様が入学なされてから、変わったのでしょう……少しずつ…」

「……」

ローザ様は、黙り込む。

陛下とルーカス様は、話の続きを促す。


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