第4話 父親、兄の思い
今回、2話目の投稿ですが、
父親、兄目線で書いてみました。
ジェラルド・コールド・ミュゼット公爵
長男レンフォード・ルナ・ミュゼット
次男アルベルト・サン・ミュゼット
セレスティナ神聖王国、北東に位置する砦に騒がしい足音がした。
ここは、ヴィフラとの国境付近。最近ヴィフラが国境を犯し、度々セレスティナを攻撃してきた事から、王国最強の剣と名高いミュゼット公爵が鎮圧に赴いていた。
バタバタバタッ
バタンッ!!
「公爵閣下!!!」
部下が、勢いよく執務室のドアを開け入ってきた。
「何事だ、騒がしいぞ!ヴィフラが、また国境を侵してきたか?お前達で……」
「それより!もっと大変な事です!!」
ミュゼット公爵は、書類から顔を上げ部下を見やる。
公爵は、青銀の髪を一つに束ね、瞳は透き通った青色の美丈夫だった。
「……?どうした?」
「お……おち、落ち着いて聞いて下さい」
「お前が、落ち着かんか。息を整えてから、話せ」
ゼェハァと息が整っておらず、全力で走って来たのであろう。
「は……はい。もう…申し訳……ありません」
部屋の中には、息子もおり、お互い顔を見合わせ訝しげに部下を見ていた。
「王都セスティアの学院にて、おじょ……お嬢様が国外追放になりました!!!」
ガタンッ
「…なんだと?」
私は、何を言われたのか一瞬理解な出来なかった。頭の中で部下の声が響く。
『お嬢様が国外追放』
「馬鹿な!公爵令嬢で王太子の婚約者だぞ?!誰が……」
「何があった?詳細を言え」
アルベルトが、レンフォードが驚き声を上げる。
「それが……王太子がシアお嬢様との婚約を破棄、及び国外追放を言い渡したと」
馬鹿な……
何を考えている?
シルフィアは、国の守りを一手に引き受けていたのだぞ?
さらに、外交の腕も一流。
それを……
「婚約破棄?」
「国外追放?」
息子達も、驚いて固まっている。
「…………王太子は、新たに婚約発表をしました。……王太子の新しい婚約者は……フィルフィア様です!!」
「……なっ」
「なんだと?!」
「……!」
悲愴な顔をして、部下は言葉を続ける
「……言い難いのですが……国外追放を、言い渡されたお嬢様ですが…現在所在不明です」
公爵は、頭を抱えた。
「婚約破棄の原因は?」
「それが、お嬢様がフィルフィア様を蔑ろにし虐めたと」
レンとアルが顔を見合わせ、私を見つめる。
「妻が何か言っていた件だな……」
「父上、シアが、フィルを虐めるなんてことするはずがありません」
「家に泥を塗ったと怒りたい所ですが……あれが、国に害をなすとは思えません。何かの間違いでは?」
本来なら、直ぐに帰って真相を知りたいところだが……
「影を飛ばすか」
「父上!オレが帰ります、母上とフィアに直接聞いてきます。」
「父上。私も帰ります。アルだけでは、言い含められるに決まってますから、」
……
「……分かった。頼んだぞ。私は暫く、此処を動けん。それから、シアの捜索もしてくれ」
「わかりました」
「「シア、必ず、必ず見つけてやる!」」
「お前の無実を必ず」
「証明してやる」
「待っていなさい、諦めずに」
「「「シア」」」
今日は、あと1話投稿して終わりです。
明日は投稿お休みします。
よろしくお願いします。