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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
3/54

第3話 妹令嬢の思惑

今回のお話は、妹目線です。

フィルフィア目線


「アハ! アッハハハ」

「上手くいった!上手くいったわぁ」

「コレで王子様は、私のモノよ」

ふふふと薄気味悪い笑いを浮かべ、屋敷の自分の部屋で堪えきれず大声で笑い出す。

部屋の前を通る使用人が、眉間に皺を寄せ嫌悪を顕にしている事を彼女は知らない。


「ねぇ、おかぁ様、お父さまもきっと許して下さるわよね。だって、同じ公爵令嬢ですもの」

「ええ、私の自慢の娘だもの。きっと、許して下さるわ」

娘の頭を膝に乗せ優しく撫でる。



事の発端は……

12年ほど前、当時まだ6歳のフィルフィアが王太子と出会い好きになった事だった。

しかし、その頃には既に、2歳年上の姉シルフィアが王太子と婚約を発表している上に王妃教育を、受けていた。


だが、姉と違い甘やかされて育ったフィアは、自分こそが婚約者として相応しいと母や父に訴えていた。

もちろん、公爵や兄達は、その甘言を鵜呑みにすることはなく…

けれど、母親は

フィアこそが王太子の婚約者に相応しいと夫や息子を、説得していた。

聞き入れられる事は無かったが…


チャンスは、その10年後


シルフィアが通い、王族も通う由緒正しきセスティア王立学園に、フィルフィアが入学した事から始まった。

フィルフィアは、まずある魔道具を使って周りの人達を洗脳していった。

この魔道具は、お母さまが伝手で手に入れたもの。何処で手に入れたのかは教えてもらえなかった。お母さまは、優しく微笑みフィアの望むように使えばいいのよ、と言ってくれた。


この魔道具は、とても凄い能力を持っていた。相手の脳を少しずつ侵略していく。相手は、自分の脳が侵される事に気付かない。気づいた時には手遅れなのだ。時間は掛かるが、証拠は残らない。

彼らは、自分の意思で動いてると勘違いするのだ。何かあっても、私まで調査にかからない。私は捕まらない。ふふふ


そうして、王太子も少しずつ洗脳していった……のだけど、さすが王太子、完全に洗脳するのに2年もかかっちゃったわ。フェルさまに嘘を吐き、周りに証言させ、固めていった。あの女が、王宮で外交やら、教育なりしてる間に私は……アイツを貶める為に動き続けたのよっ

でも、これで……

「おかぁ様、もう直ぐ、この国は、私達のものね」

ふ、ふふ、ふふははは

あーいい気分だわ!!!


街の人達も少しだけど洗脳出来たし!

後は……父さまや兄さま達ね!

だけど、あの人達は洗脳出来ないのよね~

何で、洗脳出来ない人達が居るのかな~

「洗脳出来ないのなら、追い出せば良いのよフィア」

そうね!

屋敷の使用人も、洗脳出来ないなら辞めさせれば良いんだし!

お父さまもお兄さまも、この国から追い出せば良いのよね!

王太子さまや、王さまの権限を駆使して!


にたぁ、と笑う

「でも、最後にチャンスは上げようかな。私の言うこと聞くなら、駒として置いてあげても良いし」

「私は、この国の聖女だから、この国の物はぜーんぶ私の物よ」


だが、フィルフィアは知らない。

この状態が長く続かない事を。


シアの精霊魔法が………………事を。

更新は不定期です。

休みの日は、2話投稿する時もあります。

よろしくお願いします。

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