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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
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第27話 狼と陛下2


「黙っていて、すまなかった」

「だが、騙していた訳では無い。それだけは信じて欲しい」

「…………」

私は何も言えなくて、無言でいたら

「そう簡単に許せる事では無いだろうな」

陛下は少し落ち込み気味に言った。


私は意を決して、無礼を承知で問いかけた。

「あの狼は、陛下だったのですか?」

「最初に護ってくれたのも……ずっと、傍にいて、励ましてくれたのも?」

「ああ、ほっとけなかったんだ」

「俺が、護ってやりたかった」

強く言い切ったその言葉に、その瞳に宿る想いが、私に伝わってきた。

「陛下、私は怒っていません」

「寧ろ、お世話になったのに酷い事を言って申し訳ありませんでした」


「お前が謝る事はないんだ!」

「ですが……」

「良いんだ」

精悍だが穏やかで、優しい笑顔が、そこにあった。

だから、感謝だけ伝えることにした。

陛下に向き直り、正面から見つめ頭を下げる。

「陛下、傍にいて励ましてくれた事、護って下さったこと感謝しています。ありがとうございました」

「!!」

(っ、美しい……)

「私は奴隷という身分の身、こうして感謝を告げる事は今後出来ないかと思いましたので…」

陛下は俯いていて、真っ赤な顔をしていた。

(へいか?まさか!私の風邪が?!)


そこへグレッド様が来て、陛下を呼びに宰相様の部下がいらした事を告げた。

顔を赤くしていた陛下は、一瞬で元の顔に戻り『すぐに行く』と言った。

「アシャラ、明日の昼、茶会を開くからお前も来い」

「え?」

「大丈夫だ、参加するのはお前が知ってる奴しか来ないから。待ってるから、必ず来るんだぞ」

「グレッド、彼女を部屋に案内してやってくれ、もう準備は出来てるはずだ」

陛下は言うと足早に兵士と共に去っていった。


残された私は、グレッド様に向き直り部屋の事を聞く。奴隷の私に部屋などあるはずが無いから。

「陛下が、用意してくれたんですよ」

「さ、行きましょうか?お手をどうぞ」

戸惑っていると、また手を取られエスコートされてしまった。

部屋の前に辿り着き、執事が頭を下げ部屋の中へと案内してくれた。陛下が用意してくれた部屋は、落ち着いた色合いの可愛らしい部屋で、中にはメイドがいた。

「では、俺は失礼します。また明日」

「つっ、グレッド様!ありがとうございました」

部屋を出て行くグレッド様を呼び止め、お礼を告げる。するとグレッド様は、満面の笑顔で答えてくれた。

「貴方様が、アシャラ様ですね。私は、メイドでナタリーと申します」

「本日から、貴方様のお世話をするよう申し使っております。よろしくお願い致します」

私に、深々と頭を下げるナタリー様。

「あの!私は……」

「存じ上げております」

「ですが、身分は関係ありません。陛下に貴方様を頼むとお願いされましたので」

ニコニコと笑うナタリーは、陛下を心の底から信頼してるのだろう。だから、奴隷と知ってるにも関わらず、私に仕えると言ってくれたのだ。


「さ、アシャラ様、湯の準備が出来ておりますから、参りましょうか」

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