第23話 パーティ
時間は少し遡り、公子2人が宮殿に戻ってきた後の事。パーティが始まる少し前まで遡る。
時刻は夜の帳が下りる頃
ルーカスが、一通の手紙を持ち王の執務室に向かっていた。
今夜は国王主催のパーティ、王が抜ける事は許されない…だが……
短くノックをし扉を開け、一礼し中に入る。
「失礼します」
「許可は出してないはずだぞ」
ルーカスは、悪びれず続け
「おや、そうでしたか」
と言い、手紙を俺に手渡した。
「ローゼスからです。明日の昼過ぎに伯爵が戻るそうです」
「なに?戻りは、明後日のはずでは?」
「予定を早めたそうです」
ファルークは、腕を組み悩む。
今からパーティがある、俺が抜ける訳には行かない。悩み続ける俺に、ルーカスが提案してくる。
「陛下」
「開催の合図と挨拶をして下されば、後は私達で何とかします」
「良いのか?」
「仕方ありません。それに、彼女の事も気になるのでしょう?」
「ああ、すまんな」
「いえ」
ルーカスの言葉に感謝した。
もうすぐパーティが始まる時間だ。
会場に向かう為、扉まで行き取手に手をかけ……
ルーカスを振り返る。
「なぁ、ルーカス」
「なんです?」
「最近彼女が頭から離れん、心配で仕方ないんだ」
「………」
「何故だか、お前なら分かるか?」
(……恋だな)
今まで恋らしい事など皆無。女性からのアプローチにも気付かない鈍感。
ルークは、私の顔を見ている。
次第に諦めたのか、溜息を着き部屋を出ていく。
「いや、いい。気にするな」
パタンと静かに扉が閉まる。
「ルークが恋か……」
国王に思い人が出来るのはいい事だが…
相手が奴隷というのがな……
(いや、貴族なのか?)
ルーカスは、腕を組む。
陛下が本気で望むのなら、相手が誰であれ全力で手を貸す。
奴隷でも、貴族でも、平民でも。
「ルークが恋か」
嬉しそうに、ルーカスも部屋から出ていく。ルークが望むなら、彼女は何が何でも護らないとな。
廊下を歩き、窓に近寄る。
「アシャラ嬢を護ってくれ」
静かに闇に命令を下す。
風が動く、伯爵邸に行ったのだろう。
パーティ会場では、王が開催の言葉を発していた。
「では皆、今宵一時を楽しんでくれ。開催!」
王の開催の言葉を皮切りに、楽団が曲を奏で始める。
穏やかな曲は、人々の間を通り抜け全体に拡がっていく。
国王は、参列した貴族達に挨拶を交わしていく。
「レン、アル」
「陛下、招待ありがとうございます」
「お前らの為に開催したパーティだが、楽しめとは言わん……だが笑え、貴族から色々話が聞けるだろう。シルフィアの情報が集まるかもしれんぞ」
2人の肩に手を置き、最後の言葉は小声で
言った。
「はい、ありがとうございます」
2人は去っていく国王に一礼し、自分達も人々の会話に混ざっていった。
ファルークは、そのまま会場を後にした。狼に変化し伯爵の屋敷まで走る。
彼女の顔を見て、伯爵の屋敷を調べる。
今夜が最後のチャンス…絶対に証拠を見つけてやる。
夜中、屋敷に辿り着く。
ローゼスと会い、彼女のいる小屋に向かう
「陛下、アシャラ様ですが…日中、お出かけした事で熱がぶり返しております」
『そうか…寝てるのか』
「はい、それと布団等は片しておりますので…」
『……』
小屋の中に入り、彼女を見る。
魔法が切れたのか小屋の中は寒く、隅の方で丸くなるように寝ている彼女。
その額に手を当てると、昨日よりも熱くなっていた。
『薬は?』
「陛下が用意して下さった精霊の薬は、飲ませています」
『奴が帰る前までは飲ませろよ』
「はい」
『俺は、屋敷を調べる。邪魔をするな』
「畏まりました」
彼女の額をペロッと舐め、小屋を出て行った。
後、調べていない場所は……




