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砂漠の狼と奴隷に落ちた公爵令嬢  作者: 紫宛
神聖王国と砂漠の国
22/54

第20話 兄、現状を語る

投稿遅くなり申し訳ありません!!


翌日、謁見の間に2人は呼ばれた。

セレスティナ神聖王国の現状を聞きたいのだろうと予想がついた。俺達も話すつもりだったので丁度良かった。

あの国の実情を、ファイサル国王にも知っておいて貰った方が良いだろうと、父とロズの2人と話し合っていたからだ。



あの日

ヴィフラ防衛砦から帰還し、王都セスティアに入った時から違和感はあった。

街の人々の反応や、噂話、私達を見る視線。

屋敷に着くまでの間に、色々な噂が耳に入ってきた。

『悪魔の令嬢』『魔王の使い』『国を売った裏切り者』挙句に『売女』だ。誰に対しての認識か、 すぐには分からなかった。

俺達の妹シルフィアが、身命を賭して国を護ったのに。心身共に国の為に尽くしてきた。それなのに……なぜ、こんな言い方をされないといけない。


俺達が防衛砦に向かったのは、一月ほど前。

その時はまだ、こんな状況じゃなかった。街の人達とシアは笑い合っていた。この国に貧困層が無いのもシアの政策のお陰だ。

なのに!


屋敷に帰った私達を迎えた使用人は、虚ろな目をしていました。無理やり動かされた人形の様に、カクカクとしていて言葉はありませんでした。

2階にある居間に向かう。そこに母上と妹フィルフィアがいるだろうと予測して、アルと一緒に向かったんです。

案の定、2人はいました。ですが、異様な光景でしたよ。母上とフィアが居るのは分かりますが…そこに、私達の知らない男性が何人も居たのですから。フィアは、母上の膝に頭を乗せ、男達は傍で扇いでいる。

(なんだ、この光景は…)

アルも、困惑している。

「あ、お兄様ぁ、お帰りなさぁい」

「お帰り、早いわね。旦那様は?」

私達の姿をみて、2人は挨拶する。私達は、まだ立ち直れない。

「お兄様ぁ?」

フィアは、甘えた様な猫なで声で私達に話しかける。

男達は軽く会釈してきた。

なんなんだ、一体……


「…母上、聞きたい事があるのですが!」

アルが、切り出した。

「聞きたい事?なんです?」

「シルフィアの事です」

私も、間髪入れずに話した。

「婚約破棄だけでなく、なぜ国外追放にしたのですか?!」

「そうです!その上、すぐにフィアと婚約発表するなど前代未聞!シアは王妃教育も完璧にこなしていたのに!なぜ?!」


母上は短い溜息をつき、フィアはニコニコと笑っていた。

「その事ですか。あの子は、フィアを苛めていたのです。当然の結果です」

「フェル様は、そんな私を慰めて下さいましたの!優しい方ですわ」

「そして、お互いに惹かれ合っていきましたのよ」

「シルフィアは、そんな私に嫉妬したんです!」

「踊るなとか、暴言とかぁ、それに!階段から突き落とされたりもしたんですよ?」

呼び捨て?姉を?

「あの子は、身分を剥奪されました。もうミュゼット公爵家の人間ではありません」

「「な!!」」

(なんと言う事だ…)


居間を出て自室に行く間、考える。

今回の事、真相はどうであれ聞く限りでは国外追放にする程の問題では無いだろうと思う。

罰を与えるにしても、他に方法がある筈だ。

国王が了承したのか?そうは思えんが……

それに……

あの男達は……家族以外の男性を、プライベートな空間に入れるか?

何かがおかしい。

(街の住人も、使用人も……まともな人間は居ないのか?)

これ以上、屋敷に居ても有益な情報は得られんかもしれん。

「アル、私は明日、王城に行く。国王やフェルナンド様に話を聞いてくるから、お前はロズの御二方に会いに行って事情を伺ってくれ」

「分かった…兄上、この国は何かがおかしい。気を付けてくれ」

「ああ」


翌日、私は国王に伺うため王城へ。アルはロズの2人に会いに行きました。


国王に会いに行った私は、あの異様な光景を王城でも見たのです。メイドや執事の動きがおかしく、虚ろな目をしていました。

上位貴族も、真面まともに話せそうな人は1人も居ませんでした。

それは、国王も例外では無かったのです。

国王も、王妃も、虚ろな目をして、会話が成り立ちませんでした。騎士たちも、会話が出来るものは居ませんでした。


私はすぐに王城を後にし、弟の元に向かいました。



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