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時間操作の魔法

久しぶりにお小遣いが出来たし、お買い物でも行こうかな。


なにを買おうかな。ケーキとかパフェとか甘いものが良いな。私って呆れるほど貧乏だったんだね。穀物しか食べてないかも。お寿司とか高級食材にも出会いたいよ。


よーし、まずはケーキ屋さんだ。

初老のおばあちゃんが出てきた。大事そうにバックにケーキを抱えている。お土産かな?お孫さんにプレゼント?優しいおばあちゃんだね。


って、自転車に乗ったお兄さんがバックをひったくって逃走したよ。強盗だよ。急いで魔法のスティックを出す。お皿無駄にしちゃった。

「ストップ!」

時間を止めてバックを獲った犯人を追う。100mくらい離れてたけど、取り戻しておばあちゃんのところに戻っておばあちゃんの手にバックを返す。


これで一件落着。じゃなかった。おばあちゃんがせっかくのケーキを落としてしまってグチャグチャになってる。なんで被害者のおばあちゃんだけ損をするの?

「何とかケーキを元に戻してお願い!」

つい、口に出てしまった。


げっ。時間が巻き戻ってる。崩れてペシャンコのケーキの形が元に戻っていく。最後にイチゴショートのイチゴがポンって乗っかった。

「よし、解除!」

時間が元に戻った。おばあちゃんはなにがなんだかわからない様子だ。自転車の強盗も諦めて逃げた。

説明が、面倒だし私もうまく説明できる自信がない?

「おばあちゃん、気をつけてね!」

仕方ない。今日のところはケーキを諦めよう。



お店に戻って魔法を試して見なきゃ!

私は、古くなってちょっと汚れたお皿を出して床に落とした。

「ガチャンッ」

別に割らなくてもイタズラ書きで良かったのか!もったいない。

でーも、大丈夫。

「お願い!お皿。割れる前に戻って!」

戻らないや。失敗しちゃった。お皿を無駄にしちゃった。


待て待て。一回時間を止めて。それから、お皿が割れる前に戻るようにお願いする。

「エイ!」

もう掛け声はどうでも良いんだけど、割れたお皿が元に戻っていくよ。ヤッタネ。新しい魔法を覚えたよ。

しばらく眺めていると、お皿が新品の様に綺麗になっていくではないか!よしよし。


次は私のメイド服を新品にしよう。

「それ!」掛け声は要らないんだけどね。

それと、今日バイトに来る『エリー』のも新品にしとくかなぁ喜ぞ!きっと。エリーのメイド服をを出していてら

「あれ、私のメイド服がない!」

へっ。糸になってるちょっと待って戻り過ぎ!

「お願い!今度は進めて」

おお!糸から服になって行く。これって過去に戻すだけじゃなくて、未来もいけるのか?すごいじゃないか?でもなぁ。私って賢い使い道思いつかないんだよね。

「よしよし。メイド服が新品になったぞ」


「いらっしゃいませ。ご主人様」

お店の開店だ。

今日はヒロ君とカズ君が揃って来店してくれた。

「ノンちゃん、この前はありがとね」

「いえいえ。ご主人様のお陰でお小遣いが出来たし」

「なんか今日はいつもより可愛いね。あっメイド服、新しくしたんだ!いいね。」

「ありがと!可愛さ倍増でしょ。それよりカズ君、手の包帯ってなに?」

「ちょっと、深く指を切っちゃってさ。大変だったんだ」


「ちょっと見せて。うわぁ。痛そう。ねえ、私が試し…いやいや…もとい、癒してあげるわ。女神の加護で」

「今、試してって言った?なんか怖いから良いよ。信じない訳じゃ無いけど、信用ならないから」

「大丈夫。大丈夫。多分」

「ねえ、多分って言ったよね」


私は時を止めて、指が治って元に戻る様に願った。

実際に魔法を生き物相手に使うとどうなんだろう。いきなり人体実験ってのもどうかと思うけど。

傷は見る見る塞がっている。問題はこれから。カズ君に変わった事がないかだね。なにかあったらカズ君には悪いけど封印しなきゃだしね。


「どう、カズ君。何か変な事ない?記憶喪失とか」

「え?マジで治った。記憶喪失?何もないけど。何か悪い事したんじゃないのか?でも治ったし、不思議だし、もしかしてスゴイ事なんじゃね」

「へへへへ。女神属性ゲットかなぁ。私って癒し系女子かも」

「多分、違うけど。納得出来ないな」


よしよし。人体実験終了。もっと実験繰り返せば私の肌は美肌のままよ。待てよ。これって不老不死なんじゃ?まさか?使いすぎるとなにか悪い事あるよね。絶対にそんなオチだよ。


ただ、時間操作って言っても、服とか指先だけとかって限定される。例えば、さっきのはあくまで指の皮膚を元どおりになっただけかも。そもそも人体の知識が私にはないから。


さらに時間を戻すって意味とは果てしなく遠い。タイムマシンじゃないし。私自身が過去に戻れない。だって世の中の現象全ての時間操作って想像つかないし。全ての時間を止めているけど。

過去に戻れればなぁ。宝くじとか色々と貧乏脱出の手段があるのにさ。


「いやぁ。ノンちゃん、助かったよ。これでフィギュア製作が続けられるよ。ノンちゃんのおかげ」

そんな理由で怪我をしたのかな。そんな為に私は怪我を治したのかな?

人体実験の為だけど。もう一度怪我した状態に戻しちゃうか?このアニオタは絶対懲りない。そんな器用だったら何か作って欲しい。

「いいよぉ。お礼になんでも作るよ。思いついたら言ってね」

「何か悪い人をやっつけるのがいいなっ」


とりあえず、魔法が一歩前進したしもしかしたら、私って大金持ちになれるかも!

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