スパイに攫われた!
最近、みんなが妙に元気だ。アキラ君なんか傷だらけなのに。
特に女神は、お客さんにヘッドロックしているよ。たまにパンチもする。その乱暴な行為もへっちゃらなお客さん達はなんなんだ。
女神は、毎日来てるから暇なんだろう。
そんなある日、私はコンビニへ買い物に出かけた。いつも瞬間移動してたけど、たまには歩くのも気持ちいい。私は太っていないけど、これで少しは痩せるたかもしれない。
目の前にスパイさんが登場した。
お馬鹿なスパイさんだなぁ。私はもう持ってないのにさ。
「え?なんで私を攫うの?私は持ってないって言っているのに!ねえ、日本語通じるの?ねえ!」
否応無しに私は、ホテルの一室に連れ込まれた。
「例の物はどこだ」
「私の友達に貸しちゃったよ。もうずーっと使ってないよ」
「誰だ。その友達ってのは」
「橋田代議士の娘らしいよ。私は関係ないから帰してよ。別に命をかけてまで守る気もないしさ。勝手に持ってけばいいでしょ」
普通は知らないって言い張るのかな?
あっ、携帯に電話がかかって来た。
(来るのか?奴らが助けに)
当然、私の前にアキラ君、カズ君、カイ君、ヒロ君、コウ君、ユウ君、シン君と女神が現れた。ついでに鉄ちゃん達もいる。
「みんな!全員で来たのか!」
「当然だ!俺達はみんなノンに感謝しているんだ」
「部屋に人がいっぱいで、窮屈じゃないか!この部屋は狭いんだよ」
「そこ?気にすることって」
「わざわざ、例の物を持って来てくれるなんて手間が省けたな」
スパイが拳銃を構えると同時にアキラ君達も動く。
「セイッ」「ファイア!」「サンダー」
アキラ君達ってすごく闘い慣れてる。それに日本で魔法ってなんかチートだよ。
異世界でよっぽど頑張ったんだね。それこそ、命をかけた闘いをしてたんだ。
「よーし、じゃ全員隣の公園に集合だ」
え?公園で何があるの?コンサート?コウ君はPC使って何をやってるの?
私達全員が公園に集まった。
「いったい、なにをするの?コンサート?」
「キャンプファイアだよ」
みんなが焚き木を敷いてその上に、魔法のコスプレ服が置かれ、
『ボキッ!』
女神が魔法のスティックを迷わずに折った。
「え〜〜。折っちゃった」
「ノン、燃やすのよ。全部灰にしちゃいなさい」
みんなが、黙って頷く。
「私がやっていいの?みんないいの?」
「ああ。おまえしかいない。ノン。ありがとう。すべておまえのおかげだ」
「ノンちゃん、ありがとう」
「ありがとう」
「じゃあ、やるよ。……
…私はマッチ売りの少女。寒い寒い…」
「おい!呪文は要らないから。とっとと燃やせ!」
「え〜!ファイア〜ーー」
燃えてる。いろんな思い出が蘇るよ。
そもそも、この魔法のスティックがなければ、私は貧乏脱出してないし、今頃食う物にさえ困っていただろう。メイド喫茶の経営も怪しい。
おかげで人並みに生活できるようになれた。
でも、一番の収穫はココにいる仲間達なんだろう。
「みんな、私こそありがとう!」
どこかのスパイが慌てて飛び出して来た。長いは無用だ。
「みんな、帰ろう!」




