女神 再び
私はお店に戻ってみんなに事の成り行きを話した。
「じゃあ、僕らの安全は保証されたんだね」
「いや。そうとも言えない。香港マフィアが各国のスパイになっただけかもしれない」
「見張りは続けるようにするよ。人数は減らすけどな」
狙いは私に絞られた訳か?この店はそれっぽい人しか来ないからスパイが紛れるのは難しい。狙われるのは外出時だ。瞬間移動すれば、簡単だし大事に考える必要はないかな。優秀なスパイでもまさか一般人の私が関わっているとは思わないだろうしね。
「あと懸案はグローブだよぉ〜」
ネットオタクのコウ君もお手上げらしい。そんな情報はまったくないらしい。
「ねえ。まったく情報が無いってのが情報なんじゃないの?」
「はあ?わけわかんね」
「無いんだよ。この世界には!」
「すでに捨てられてゴミになったとか?」
「違うよ。異世界にあるんじゃないかな?」
確かにあり得る。そもそも、この魔法道具の一式が異世界のものなんじゃないか?誰かが、異世界から持って来ちゃったとか?
「異世界。来たぁあ」
アニオタのカズ君はそこで喜ぶのか?
「異世界なんて行ったら生きて帰って来れるかわからないじゃん。アニメやラノベはチート過ぎて一緒に出来ないよ」
「そうだよ。命を懸けてまでする事じゃない」
「でもさ、行ってみたいよね。見てみたい」
あっ。お客さんだ。
「おかえりなさいませ。ご主人様!」
ん?見た事あるけど誰だっけ?
「この前お願いした俺の彼女の件、どうなった?」
ああ。忘れてたよ。やっぱり忘れちゃったね、
みんなも忘れてたって顔してるよ。
「忘れてたのか!やっぱり!ひど」
続いてもう一人のお客さんが入って来た。
女神じゃないか。私に復讐に来たのか?ひとりで?
「あなたの彼女はその内帰るわよ。教団は解散したから」
「で、おまえは何をしに来たんだ。もう盗ませないぞ」
「その件は謝るわ。私の下着姿を見たんだから五分五分よ。全て水に流すって事で」
「じゃあ、何しに来たんだ」
「暇になってやる事ないから来たのよ!悪い!」
なんだか、ぶっちゃけてるな。こっちが素なんだろうな。でも。こっちの本来の姿の方がなんだか良い気がする。
「暇なら、メイドにならないかな?ツンデレ要素がひとりくらいいてもいいし」
「はあ?メイドに?私、オタクに媚びを売るなんて出来ないよ」
「そのキャラがイイよ〜。キモいって言われて喜ぶ人もいるからさ。お客さんを蹴ってあげてもイイよ〜。みんな良いかな?蹴られたい人、いるかな?」
「ノンがイイってなら俺らは別に文句はないけど」
「じゃあ、カズ君ちょっと来て!」
「えー。オレ?いつもこんな役ばっかだな」
カズ君わかってるじゃないか。お尻を出した。
「キモい!」
女神は、キモいって言いながら嬉しそうにカズ君のお尻を蹴ったよ。
「オレも」「僕も」
君たち、マジでキモいよ!
女神は、なんか気に入ったらしくてメイド服に着替えて来たよ。
「ご注文は?」
お客さんの足をグリグリ踏みながら注文取るんだ。新しい形だね。お。今度はコメカミをグリグリしてる。馴染んできたのかナ。こういうボディタッチはアリなんだね。お互い喜んでる。
「さっきはなんの話してたの?」
「異世界に行くかどうか?って話だ」
「私、行った事あるわよ」
「!!!!!!」
そうだった。そんな事言ってたよね。今度は本当っぽいな。私って異世界のイメージ出来ないから行くにも行けなかったんだ。
じゃあ、行くだけでも行ってみよう。見て帰ってくるだけでもいいしね。




