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魔法のスティック

バイトの『めぐたん』が出勤して来た。


「のぞみ、おはよう。ほら、差し入れのパンよ。どうせ、何も食べてないんでしょ」

「助かるわ。お腹が空いてたのよ。いただきまーす」

「まったくなあ、困ったものだわ。のぞみのおかげで私らは楽しくやれてるけど、ない袖は振れないし」

「お金はどうにかなるよ。きっと。みんなイイ人ばっかだから。今日はね、魔法のスティック貰っちゃったんだ」


めぐたんにさっきのお客さんから貰ったスティックを見せた。

「超可愛いじゃん。のぞみにピッタリだよ」

めぐたんの私に対する意識がよーくわかったよ。私が幼女並の頭脳しか無いと思っているんだね。ある意味そうなのかもしれないけど。


「じゃあ、お小遣いあげるから御使い行って来て。のぞみは良い子だから出来るよね」

「はーい」

ノリとハイテンションがメイドの命。でもね。メイド服にこのスティック持って歩くのは流石に勇気がいるんだよ。

私は、スプリングコートを引っ掛けてお出かけする。


陽射しが眩しい。コート羽織っているしちょっと暑いかな。昼間だから子供の声が聞こえる。こんな平和な毎日を過ごしたい。そんな事を思って魔法のスティックを眺めた。この願いって叶ったらいいなぁ。


あっ。子供が車道に飛び出した。子供に車が近づく。これ、ヤバイ。子供が!轢かれちゃう。

「止まって!」


あれ?止まった。車も子供も。辺りを見回す。変わらない風景のはずなのに何か変だ。風もなく音もしない。

まさか、空を見上げると飛んでいる筈の鳥が空中で止まってる。

「時間が止まったんだ」

考えるのは後にしよう。子供を助けなきゃ。私は子供を安全な歩道に連れて子供を抱きかかえた。

「エイ!」

スティックを振ると時間が普通に戻った。


まさか、本当に願いが叶う魔法のスティックだったなんて!


どうしよう!もう、混乱だよ。


私はすぐにメイド喫茶に戻った。

「めぐたん!めぐたん」

「あら、随分早く帰って来たね。忘れもの?もうお使い済んだのかな?」

「あ。忘れちゃった」

「この子は悪い子なのかな」

「そうじゃなくて、私、魔法が使えたんだ」

「ふーん。悪い子確定らしい」


そりゃ そうだよね。信じてもらえなくて当然だよ。私だって未だに信じられないもの。でも、ココで幼女並の頭脳って思われるのは癪だからもう一度、やってみよう。

強く願いを込めて、私は幼女並の頭脳じゃない。

「お願い。時間よ、止まって!」


やったぁ。成功した。時間が止まったよ。魔法に成功したんだ。

「見たでしょ。めぐたん。時間を止めたんだよ」

失敗した。めぐたんも止まっている。

仕方ない。一旦戻すかな。


「さーて、どんな魔法を使えたのかな。痩せる魔法とかダメだよ。そんな都合のいいものはないんだから!」

「テヘっペロ!」

とりあえず、誤魔化しとこう。



さあて、私はどんな魔法が使える様になったんだろ?



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