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宗教団体 潜入

池袋の地下街。行き交う人が結構多い。


「仲間からの話だと、黄色いカットソーの子らしいぞ」

「いたいた。見っけ。何度もすれ違うの不自然だから、近くでスマホでもいじってるね」


イヤホンから、ヒロ君達の声が聞こえる。

『ノンちゃん、聞こえてたら相手の姿を映して」

面倒なヤツらだなぁ。

『おお。なんか可愛いっぽい。もっと近くで見たい。あっ、寄って来た。やっぱ可愛い』

お店では皆んなの変な歓声が上がっている。


宗教勧誘っぽい黄色いカットソーの子が近づいて来た。

「貴女、魔法とかって信じる。魔法が使えたらとか、思った事ないかしら」

「魔法かぁ。あったらいいね。ファンタジーの世界みたいに?」

「うん。治癒魔法も素敵だし、ファイアとか出せたら便利かもしれないよね」


『顔アップで。綺麗だなぁ。胸も大きいぞ』

このイヤホンって外したくなって来たぞ!


「今、友達待っているんだけど、すっぽかされたかな。暇になっちゃった。その魔法の話ちょい聞かせてくれる?」

「私の信じるあのお方がね、魔法が使えるのよ。何人か使える様になったし。貴女も魔法を教えてもらうといいと思うの!」

「マジでえ?魔法なんてある訳ないじゃん。でも、ちょっと興味あるかな」


『ノンちゃん、白々しい。大根役者だ。それじゃスパイにはなれないな』

コイツらうるさいなぁ。


「私と一緒に来てみる?魔法が見られるカモよ」

「友達も呼んでいい?男の子なんだけど」

「うーん?見世物じゃないし、魔法が使いたいって人に見て欲しいのよ。男の子って妙に理屈っぽい人いるでしょ」

いるいる。私にカメラをつけてこの様子を見ているヤツらがそうだよ。


私達は本郷にあるお寺か神社かよくわからない仏閣にたどり着いた。ファンタジーからは相当遠いぞ。大丈夫なのか。どうせなら、教会って方がそれっぽいのに。


15人くらいの人がいるよ。皆んな若い女の子だ。男ども連れて来なくて良かった。特にアキラ君みたいな鬼畜はダメだ。


『パラダイスがある。なんで可愛い子が集まっているんだ?ノンちゃん、浮いてるじゃない?』

ムカつくイヤホンだね。お店に戻ったら、マシンガンを乱射してやる。アキラ君とカズ君はどうしたろう。近くにいるのかな?


「ここには通ってる子もいるし、泊まりの子もいるのよ。すべて魔法修得のためよ」

「あのぉ。例えば、魔法使えたとしてどんな事に使うなのかな?現代社会には有用性が見出せないよね」

「貴女が魔法を信じてくれてる事はわかったわ。具体的に何に使うか?そこが問題だよね。そんな大魔法とか不要だし。せめて時間を止められたら、現代社会でも役立つと思うのよ」


「時間止めて何をするの?盗みとかって悪いことに使うの?」

「そうじゃなくて。人助けとか。」

「どうに使うのか、わからないよ。そこが知りたいのよ」

「それはせめて少しでも魔法が使える様になってからでもいいんじゃない」


ごもっともです。でも、実際時間を止めても使う時ってないよ。一回、車に轢かれそうになった子供を助けただけで。


教祖だか女神だか、そんな感じの人が現れた。

確かに、私よりも少しだけ痩せているね。少しだけ、綺麗。私は可愛い系だから、競う理由がないんだけどね。


「おおおお!女神って美人だ。ノンちゃんとはまったく違う。雲泥の差だね」

コイツら、今すぐ戻って撃ってやろうか!


じゃあ、とくと女神の魔法とやらを拝見してみたいものだね。


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