第一捜査.始まり
どうもこんにちは。
合作なるものをやってみました。
楽しんでいただけると幸いです。
「やっばいいいい!!!!遅刻しそうダァァァァ!!!!」
私の名前は天城 舞。今日から学校と兼任で“対夢魔特務課”に所属することになりました。
なのに、今遅刻気味っていうね。
初日から遅刻はアカン。シャレにならない。
ちなみに今日は学校を公欠。すごいわけじゃないがものすごく優越感を感じる。
「って感じてる場合じゃなーい!!」
気づけばもうこんな時間だ。
私は足早に道を駆け抜けた。
「こ、ここかぁ……」
さすがは警察署、還暦のある見た目をしている。ま、そんなことより急がねば。
散々歩き回った結果、ようやく言われた場所にたどり着いた。
「人の字をゴックンしてっと……(ゴックン)。よし、行くぞ……」
ノックをし、ドアを開ける。
「失礼しまーす、あ、あの!!私、き、今日からここで働かせていただ、いただく天城と言います、どどどどうぞよろしくお願いし」
「おせぇぞ新入り」
言葉が遮られたと思い、ぺこぺこしていた頭をあげると、
「五分遅刻だ」
目つきの鋭い男の人がいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「改めて、名前は」
「あ、天城、です。天城 舞。漢字は----」
「大体わかるからいい。んじゃ他にも聞いてくぞ」
「は、はい」
この鋭い目つきはどんな星の元に生まれたらつくものなの?おかげでめっちゃ緊張するんだけど。
「と、その前に俺の自己紹介か。俺は聖塚 豹牙だ。一応ここで務めてる。宜しく。」
「あ、はい。宜しくお願いします。」
「この課の活動はわかってるな?」
「えーっと、人間の生命力そのものである"生力"を食べる化け物、"夢魔"の退治、生力を利用した"能力者"の非合法な能力の行使及び暴走の阻止、逮捕というような街の秩序を守る活動であります!!」
「……」
あれ?これだけだよね?
なんで黙るの?この沈黙の雰囲気私何してたらいいの?
「……その通りだ。」
合ってるやん!!んじゃさっきの沈黙何?無駄にかいた手汗返sーーー
「では問おう。我々はお前が言ったような活動をする"秩序を守る英雄"な訳だが、ヒーローは遅れてやってきてもいいのか?それで市民を守れるか?」
「え、そりゃあ遅れたら手遅れになっちゃうかもだし、遅れてはダメでしょうね」
何が言いたいんだこの人?
………
…………あっ(察し)
「そうだな。お前がいう通り遅れて登場じゃ人は救えない。ましてや"初日から遅刻してくるやつ"なぞ、もはや論外だとは思わないか?」
ヤッベ、シャレにならんほどおぞましい威圧。
「では、教えてくれ。人を救えないものをここに置いておく理由を。なければいらんので帰ってもらっていいんだが。」
え〜!?
この人なんなの?怖いしこのノリ中学校かよ!!
「えっと、その……」
「こらこら、新人をいじめんじゃないの。」
ふりかえると聖塚さんと同じくらいの女の人が立っていた。
「どうも。うちの脳内寒冷男が意地悪してごめんね。わたしは五月雨四葉。ここの課長よ。よろしくね。」
「はい!よろしくお願いします!!」
なーんだ、良い人いたじゃん!!
しかも美人だし、是非もないよネ!
「やれやれ、後輩には優しくしろっていっつも言ってんじゃん」
「知るか。これは指導だ。課長という立場だからと言って調子乗んな。」
「これだからもー……さて、君に指導をしようと思うんだが、五月雨式とスマッシュコンバット、どちらが良いか選ぶ権利をやろう。」
「ほざけ。凍結させるぞ」
ああ、聞こえそうだ。本来擬態語であるゴゴゴ……が聞こえそうだ。
その時、その空気を引き裂くかのように電話が鳴った。
「はい、こちら対夢魔特務課ですが……そうですか、すぐに向かいます。」
電話を切るとこちらをすぐに向いて、言った。
「仕事よ、おふたりさん。」
「仕事ってことは、夢魔!?」
「そ。聖塚、仕事ちゃんと教えてやってね。」
「……ついて来い新人。今度は遅れるなよ」
フッ、と。
聖塚さんがさっきまでとは違う雰囲気に変わった。
相変わらず酷く冷たいような雰囲気に変わりはないが、その矛先が変わっていて且つ怨恨のような感情さえ感じる。
「ぼーっとしてんじゃない。早く行くぞ。」
「あ、はい」
聖塚さんに急かされ、足早に支度をした。
「ここだ。」
聖塚さんが立ち止まったところはなんの変哲もないただの道だった。でも、変な感じはするかな?という程度の不気味さはあった。
「お前、生力の制御は無論可能だよな?」
「ええ、まぁ。」
「んじゃ、ここにある結界を破れ」
「ん?」
結界を、破る?
結界って何?破るってどーやって?
「……お前何も知らないでここにきたのか。やれやれ。んじゃ見てろ」
聖塚さんが手のひらを前方に向け、ほんの少し力んだ、ような気がした。
すると空間にヒビが入って、そこが破れて、中に全く同じ光景の場所があった。
「入るぞ。」
そのヒビで破れた部分の隙間から、いわゆる"結界"の中に入る。
「ここは、夢魔が生み出す結界というもので、奴らが人の生力を喰らう時に第三者の目をくらますために生み出す空間だ。」
だそうだ。
「……見つけた。」
聖塚さんが見た方向を見ると、人一人、そして異形な怪物・夢魔が一体。
「い、嫌だ……だ、誰か……助っ……けて……」
そこにいた私くらいの歳の子が、腰を抜かして動けなくなっていた。
「後輩ッ!!夢魔は俺がひきつけるからお前はあの人を救助しろッ!!」
ガチトーンだ。
「り、了解しました!!」
必死に、被害者の元へ駆けて行く。
遠い。
このままじゃ手遅れに……
………
……そんなことさせない。
私、決めたから。
昔、私を助けてくれた、あの人みたいになるって!!
「〈レベル・ジェラル〉!!」
私の能力は、自分の行動によって起きることの"程度"を自分のイメージ通りにするというものだ。
生力は制御が可能になることで、自分特有の力に変換することができる。それがいわゆる"能力"というやつだ。
自分が地面を蹴った時に移動する力を一蹴りであの人のところまで行ける"程度"にする。
「うおおおお!!」
一蹴りして、一気に女の子のところに突っ込んで行き、その子をかばう。
………
……あ。
到着点を女の子のところにしちゃった。
ってことは攻撃がこっちに……
「ウバアアアアア!!!!!」
案の定、夢魔は牙をむいて襲いかかってきた。
ヤバイヤバイヤバイ、イメージしてる暇もこの距離ならない!!殺され…
ガキン!!
と、音がした。
つむっていた目を開けると、そこには聖塚さんが、黒い警棒(?)のようなもので攻撃を受け止めていた。
「行動するときは最後の方までしっかり計画を立ててから行動するもんだ、まだまだだな。だが……」
こちらを振り返る。そこには少し眼が穏やかになった聖塚さんの顔があった。こんな顔できたのか。
「身を呈して守ろうとするその心意気、見直したぞ。褒めてやろう。」
そしていつもの冷徹さに怨恨が混じった雰囲気へと戻り、
「さて、余興は終わりだ。死ぬ用意はできてるな?人の生力を喰らう虫ケラ野郎」
夢魔を冷たく憎悪のこもった眼光で睨むのであった。
投稿ペースは遅くなるかもです。