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いつもながら、月一の更新ですみません……

 教科書探しに、一肌脱ぐと言ってもすることは簡単なのですよね。直接生徒に聞きましょう。名前はパルエス・グリード。攻略対象ですからもちろん男子生徒です。

 生徒名簿によると、寮生のようなので。寮まで行って、呼び出してもらいます。


「呼び出しって何でしょう先生」


 やって来た子供は深紅の髪をした少年。黒い瞳に怯えも不安もない。

 なんというか、普通ですね。いえ、この年頃の子供であれば、教科書を隠してことに罪悪感を感じて、受け答えなんかが変になるかと思ったのですが。それもないですし。


「グリード君あなた、誰かの教科書など隠していませんか」

「教科書を? いえそんなことしてません」

「そうですか」


 嘘はついていなさそうですね。体に反応が出てませんし。

 この年でごまかせる子供が居たらそれこそびっくりですし。となると、今回の件そう簡単にはいかなそうですね。

 薄々そうではないかと思っては今いた。何せ私が知ってるのは小説版の内容だけで。ゲーム版の方は知りませんからね。事前情報だって……

 覚えてないですね。確か小説版との違いが攻略対象以外にもあった気がするのですが。

 思い出せないのは仕方がないですね。臨機応変に対応しましょう。


「呼び出してすみませんでしたね」

「あの先生。誰か教科書を隠されたんですか?」


 あんな風に聞けばそう思うのも無理はありませんね。冤罪で呼び出してしまいましたし、教えておきましょう。


「ええ、貴方と同じクラスのルーナさんが。隠されたと決まったわけではありませんが、教科書が無くなったのは本当ですからね。教室を探してもありませんでしたし、隠されたかもと思いグリード君に聞きました。勝手に疑ってごめんなさい」

「どうして僕を疑ったんですか」


 グリード君は質問ばかりですね。仕方ないかもしれませんが。


「ルーナさんと仲が悪いと聞きましたので。もしかしたらと思っただけです」

「ルーナと仲が悪いのはその、ルーナの前だといつもの自分で居られないというか」


 おや?


「別に嫌いってわけじゃなくて。好き……じゃないです!」


 ふむ。顔が真っ赤ですね。これはそういうことなんでしょうか。入学早々一目惚れをしたということなのでしょうか。クロードも私に一目ぼれでしたし、男性が女性に一目ぼれするのはおかしくはないと思いますが。

 小説の展開にこういうものはなかったですし、ゲームの内容なのでしょうか。


「わかりました。時間を取らせてすみませんでしたね」

「いえ、あの、お休みなさい」


 顔御真っ赤にしたまま去る姿はなんとも初心なものですね。


 そのまま一夜が明けて放課後。私はルーナさんのもとに向かっていました。もしかしたら教科書が見つかってるかもしれませんからね。


「ルーナさん少しいいですか?」

「レティア先生、はい」


 教室の中にはグリード君が居て、目でルーナさんのことを追いかけていましたが。私と目が合うと目線をそらしました。

 後姿でも恥ずかしがってるのがわかりますね。


「ルーナさん、教科書は見つかりましたか?」

「まだ見つかってないです。すみません、レティア先生。もう少し教科書を貸してほしいんです」

「かまいませんよ。見つかったら返しに来てくださいね」

「ありがとうございます。頑張って探します」

「はい」


 いったいどうなっているのかと、思いながら向かうのは魔術論研究室です。いつもは用事がなければ近づかないのですが。今日はその用事があったので。


「失礼します」

「あ、レティア先生。こんばんは」

「こんばんはティアさん」


 ティア様はこの研究室にいます。どうやら私の影響の様です。


「ちょうどいい所にきたねレティア君」

「何の御用ですかアルビィーネ教授」

「新入生の授業で使う魔道具を作るのに手が足りなくてね。魔術式書くだけでいいから手伝ってくれないかな」


 ティア様の机の前には作成中の魔道具が。マリーさんの机にも、アルビィーネ教授の机にも同じものがありました。


「毎年言ってますが。もっと早くにやればこういう風にはならないと思うのですが」

「いやー本当に申し訳ないね。研究が忙しくてすっかり忘れてたんだよね」

「全く何の研究ですか」


 開いている机の上で、魔道具に魔術式を書きます。


「ギフトさ」

「ギフトって、ア」

「言いたいことはわかってるさ。そんなの無意味だって言いたいんだろ?」

「そうです。ギフトの研究はするだけ無駄です。真実とは言いませんが、神が与えたものという以外に説明ができないんですから」

「私はそういうのが嫌いでね。なんでもはっきりさせたいのさ」

「全く、どうせやるなら。やることやってから研究をしてください」

「全く持ってその通り」

「早く、手を動かしてください」

「はい」


 ガチャガチャと、魔道具を作る音が部屋の中に響きます。


「でもねレティア君。一つ分かったことがあるんだよ」

「なんですか」

「ギフトは魔法よりも、魔術に近いってことさ」

「よかったですね」

「あれ~思ったよりも反応薄くないかい。新発見なんだけど」

「今は魔道具を作る方が優先です」

「はいはい、わかったよ」


 結局魔道具を作り終わったのは、日が落ちてからでした。

読んでくださりありがとうございました。


誤字脱字は下に専用のがあるので、ありましたらよろしくお願いします。感想などもお待ちしています。そして読んでくれてありがとうございます

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