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だいぶ遅れてすみません

 次の日、空き教室の使用申請を済ませた私は職員室でティア様を待っていました。何もせず待っているのは効率が悪いので仕事をしつつ。

 今日もリーアは剣を教えに鍛錬場に向かって行きました。ティア様は何かに気が付いたようですが、一体何なんでしょうか。私にはわからなくてティア様には解ることなのでしょうが。私が苦手なことといえば人間関係、感情のこととかですが。リーアとクリス君の間に何かあるということなのでしょうか。


「失礼します」

「ティアさん来ましたか」

「レティア先生、今日はよろしくお願いします」

「では、部屋に行きましょう」


 今回借りた部屋は、生徒が自由に使える部屋で。勉強であったり実験であったりと、生徒の申請と先生の許可があれば使うことのできる部屋です。今回のように生徒に勉強を教えるということに使われることもあります。その多くは補習なのであまりいいことではないのですが。


「それで、どちらから始めますか?」

「もちろんリーアのことよ」

「分かりました。それでリーアとクリス君の間に何があるのですか」

「二人の間というか、クリス君の方からの一方的なものよ。リーアの方は私には分からないけど」

「リーアの方は純粋に剣を教えて楽しいのだと思いますよ。楽しそうに笑ってますから」

「流石は武家の娘ね。クリス君の方だけどたぶん。リーアに恋心を抱いているのよ」

「リーアに恋心……ですか」


 確か剣を習いたくても習えないからという理由だったはずですが、恋心だけでリーアとの鍛錬を続けるとも思えませんし。剣を習いたいと言うのも本当ののでしょう。


「多分よ?」

「多分なのだとしても、恋心が同期と言うのは不純と言いますか。ちょうどいいと言いますか」

「レティアが不純な動機って言うのは分かるけど、ちょうどいいって言うのは?」

「リーアの恋愛が上手くいかないのは、リーアが疎いと言うのもありますが。リーアの父親が認めないと言うのもあるのです」

「リーアのお父様って言うと」

「国境警備隊の総指揮をしている方です。リーアは学生時代に何度かお付き合いをしていたのですが」

「初めて聞いたわ。一度も付き合ったことないと思ってた」

「意外とモテていたのですよ。ですがリーアの父親が認めてくれず、お付き合いしていた相手も諦めてしまって。続かなかったのです」

「認めてくれないだけで諦めるなんて、男として情けないんじゃないかしら。アーサーならお父様に認められなくても、認められるだけの功績を作ってまた逢いに来てくださるわ」

「クロードであれば、そうですねどうしてくださるでしょうか。諦めず私と両親を説得してくださるでしょうか」


 そもそも断られるという状況自体想像できないのですが。私自身クロード意外とお付き合いしたことすらなかったですから。私が信頼されていたというのもありますし。お父様はあの通り物腰の柔らかい人ですし、お母様も根が強いですが優しいですし。

 もし私に人を見る目がなく酷い人を連れてきたら、おそらく怒られて反対されるのでしょうね。その時は私の見る目がなかったということですし、家族は不幸にしたくないですからね。


「なかなかロマンチックには行かないものね」

「現実とはそういうものです。話が逸れましたが。簡単に諦めてしまうほど情けない男性が多かった、というのもあるのかもしれません。家柄的にリーアもお嬢様でしたからね。玉の輿と思われていた節も無くはないのです。ですが一番の難関であり男性の心を折ったのが認めなかった、リーアのお父様でして。リーアから聞いた話では、自分に勝てなければ娘はやらないと付き合っていた相手と勝負をしていたらしく」

「リーアのお父様の力がどれ程か分からないけど、相当お強いのではなくて?」

「相当強かったそうですよ、なので諦めてしまう方が多かったとか」

「リーアって苦労してたのね」

「それで、私がちょうどいいと言った理由ですが。クリス君が本気で鍛錬を積み諦めなければ、その恋は叶うかもしれないという話です」

「リーアが教えた剣術で勝つのね。でも難しくないかしら」

「何も勝つ必要は無いのです。リーアも歳ですからね、母親としては結婚して欲しいと思うでしょうから。そこから攻めればあるいはという感じです」

「リーアのお父様ではなくてお母様の方から攻めるのね」

「クリス君の本気の度合いにもよりますが」

「レティア、少し気になったんだけど年齢差どれくらいなのかしら」

「私と同じ年ですからえーと。20行くか行かないかでしょうか」

「だいぶね。子供とかどうなのかしら。厳しいわよね、見てみたいけど」

「可能か不可能かでいえば、可能です。魔法や魔術等のサポートはないとダメでしょうけど。リーアは体を鍛えますから体が持たないということも少ないでしょう」

「つまり、もしかしたら子供は見れるかもしれないのね!」

「もしかしたらですけどね。では、本来の目的の勉強をしましょう」

「レティア先生、ベクトルって言ってもこの話をするためで。ほら口実……」

「勉強ために部屋を借りたのです。勉強しなくてはなんのために教室を借りたか分かりません」

「やらなきゃ……だめ?」

「だめです」


 嫌がりながらも、勉強をするティア様と居て。数年前ティア様の家庭教師だった頃を少し思い出しました。


読んでくださりありがとうございました。

誤字脱字は下に専用のがあるので、ありましたらよろしくお願いします。報告してくださった方はありがとうございます。

遅れた理由を話すと言い訳になりそうですが、心身共にあまり良くはない状況でして、書く余裕があまりなかっのですが。そんな状態でもゆっくりですが書いていくので、よろしくお願いいたします。


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