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「明日は実技があるので夜更かししないように」

『ありがとうございました』


 今日の授業が全て終わり、ある程度自由な時間が出来た私はリーアに聞いた名前の生徒を探すことにしました。職員室前にある生徒名簿は教師なら見ることができるので、見つけるのに苦労はしないでしょう。

 クリスという名前はすぐに見つけることが出来ました。高等科一年、クリスという生徒です。


 家名がないので平民の出のようです、家名を持つクリスも他に居たのですが。領地経営を学んでいるのは彼だけでした。

 成績は真ん中より少し上と言ったところで。特に成績が悪い訳では無いので、学園で剣術を学ぶことが出来るはずなのですが。嘘をついてまでリーアに剣術を学ぶ理由はなんでしょうか。


 全くの初心者だとしても、剣術を習うことができます。なので剣を握ったことがないというのは理由にはなりませんね。なにか別の理由があって早く強くなりたいのだとしても、クロードは言うに及ばず他の先生方も強いです。わざわざリーアに頼む理由には弱いですし。

 学園の先生ではなく、リーアに頼まなければ行けない理由があるのだとしたら、それが答えなのですが。

 あるとすれば私的な理由でしょうか。学園に先生には話せないような理由。例えば正当では無い理由、復讐とかそういう部類であれば筋は通ります。

 とはいえ決めつけも良くは無いですし、本人の人なりを知らないことには何も言えませんね。


「わざわざ家に呼んですみませんリーア」

「気にするな、することがなくて毎日休暇のようなものだからな」

「ティア様が学園の中に居るうちは仕事がありませんからね」

「そうなのだ。腕を鈍らせないためにも、冒険者の仕事をやってはいるのだが。本来の仕事がないのではな」

「クリスという少年の方はどうでしたか?」

「ああ、今日も来たから家名を聞いたらないと言っていたな。平民の出なのだろうが。レティアの方はなにか分かったか?」

「家名がないのであれば同一人物だと思われる生徒を見つけました。ただ、剣術を習えないほど成績が悪い訳では無いようです。なのでリーアに頼まなければ行けない理由が分かりません」

「そうなのか。強くなりたいという思いは嘘のようには感じなかった。なにか切実な事情があるのやもしれぬな」

「リーアから見てクリスという少年は復讐などを考えているように思えましたか」


 リーアな人を見る目は確かなものです。人の善悪を見抜けなくては近衛が務まりませんからね。


「復讐か? そのような風には見えなかったな。芯のある目をしていたし、純粋な気持ちだと思うぞ」

「そうですか?理由がなんであれ正しきことに力を使うような少年なのであれば、教えてもいいと思いますよ」

「それなのだがな、既に教えると約束してな。私から相談しておいて、勝手に決めてしまったのだが」

「そうでしたか。元より教えるかどうかはリーア次第でしたから、問題はありませんよ」

「そう言ってもらえると、助かる」

「場所はどうするのですか?」

「剣を振る場所はあまりなくてな、学園の設備を借りられたりするか?」

「どうでしょう、学園関係者以外が使うのを見た事がないので」

「となると、街の外でやるしかないか」

「臨時講師になる手もあります。剣術であれば色々な経験を積ませる為に、よく強い剣士などを招いていますし」

「学園内でティア様の様子を見ることもできるし、いいかもしれないな」

「冒険者に依頼することもあるそうなので、依頼の方から探すのがいいかと思いますよ。なければ学園の方に直接行けばいいと思います」

「分かった。依頼だな探してみる」


 学園の方でもクリスものことを聞いてみました。真面目で努力家、要領が悪いのか勉強を頑張っているそうですが成績に反映されてないようです。人間関係は良好で、言い争っていたり誰かに恨まれるようなことも無いそうです。

 リーアの言う通り純粋に強くなりたいのでしょう。何がきっかけだったのかは分かりませんが。


 それからリーアは無事に臨時講師として学園に来れるようになり、放課後修練場でしばしばクリスに剣の手ほどきをしているのを見掛けるようになりました。


「レティア先生こんにちは」

「ティアさん、こんにちは。修練場に来るとは珍しいですね」

「リーアが学園に来てるって聞いたから、授業外でも剣術を教えているのね」

「学園に来るようになった理由の半分はあのクリス君です」

「今剣術を教えてもらってる相手のこと?」

「そうですよ、街の公園で鍛錬をしていた時に剣を教えて欲しいと頼んできたのです」

「理由は?」

「強くなりたいのだと言っていたそうです。なぜ学園の先生ではなくリーアに頼んだのかわかりませんが」

「もう少しここで見ててもいいかしら」

「もちろんそれは構いません」


 鍛錬が終わったようですね。リーアも、クリスも楽しそうです。何を話してるのかわかりませんが。


「楽しそうね二人とも」

「そうですね」

「レティア先生、クリスがリーアにどうして頼んだか分からないと言っていましたよね」

「はい」

「私わかったかもしれないわ。明日勉強を教えて貰ってもいいですか?」

「分かりました部屋の申請はこちらでしておきます。放課後職員室まで来てください」

「さすがレティア先生、話が合いますね」

「ティアさんとは長い付き合いでしたので。ちゃんと教えてくださいね」

「もちろんよ。レティア先生にも手伝って欲しいこともあるもの」

「私にですか?」


 私に手伝って欲しいこととはなんでしょうか。

パソコン壊れて久しぶりにスマホで書いてますが、書きにくいですね。ファンアートが欲しいという魔法の言葉があるようですが。外見描写詳しくしたことがあったような、なかったような。

誤字脱字は下に専用のがあるのでそこからお願いします。


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