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体調不良から完全復活したわけではないので短めです
「おかえりなさいませ。奥様、旦那様」
「ディーただいま」
「ディー、ケェファはもう寝てしまいましたか?」
「はい、辺りが暗くなるころには寝ておりました」
「そうですか、湯浴みの用意をお願いします。匂いの付いたままでは会いにいって起きてしまううかもしれませんし」
「わかりました」
「レティア、一緒に入ってもかまいませんか?」
「二人で入るような広さはなかったはずですが」
屋敷のお風呂は一般家庭よりは広く作られていますが、二人で入るにはいささか狭い気がします。
そもそも、二人でお風呂に入ること自体初めてでわからないことばかりではありませんか。
「詰めれば大丈夫ですよ」
「その根拠のない自信はいったいどこから来るのですか。わかりました、とりあえずはいってみましょう」
すぐに湯浴みの準備は終わりました。一般家庭にも普及している魔道具の少々大きいものがあるので、魔道具を起動擦れだすぐに湯船の準備が終わります。
簡単に仕組みを説明すると、空気中の水分や貯められた水を集め温めるといった感じです。
水と場所があればお風呂にはいれるので一般家庭でも普及しました。
お湯で簡単な汚れを落として、私が先に洗います。クロードには湯船で待って行ってもらいます。
「レティア何かありましたか、時折悩んでいたようでしたが」
「そのことですか。私のクラスの生徒や学園の生徒が行方不明になっています」
「それは本当なのですか?」
クロードが疑うのも無理ありません。学園でも限られた人しか知らないでしょうから。
「ええ、親が子供が帰えってこないと手紙を送ってきています。学園長が調べているそうですから、確実な情報が分かれば動くでしょうね」
「そうですか」
「クロード交代です」
クロードと交代で、湯船につかります。しかし、ところどころに細かい傷はありますがクロードの背中は綺麗ですね。
背中に傷がないのは、戦場で敵に背を見せなかったが故でしょう。
素早く洗ったクロードは、湯船に戻ってきました。詰めれば少し狭いですが二人で入ることができました。
「レティアの髪はいつ見ても綺麗ですね」
「そうですか?地味な色だと思いますが」
黒髪ですがリーアの赤髪やセレスティーナの金髪に比べれば地味になってしまいまし。
髪色からして周りがカラフルですからね、学園でも黒髪の私は目立ちます。
「地味な色なんかではありませんよ。光を反射するレティアの髪は長くて綺麗です。触ってもいいですか?」
「別にかまいませんが」
そういえばクロードに髪を触らせるのは初めてですね。髪を触られること自体があまり好きではなくて。髪だけはなるべく自分で手入れなどするようにしています。
触られると表現が難しいのですが、むずむずしてしまって。こしょばゆいといいますか変な感じがしてしまいます。
今もこうしてクロードに触らせていますが、撫でられたりすると変な感じがして我慢しています。
「クロードそろそろ……」
「もう少し撫でていたいんですけど」
「はい……」
まあ……私が我慢すればいいだけですし。
「……」
「撫で心地がいいですねほんと」
「そう……ですか?」
「本当ですよ。濡れた髪もいいですが、乾かしてさらさらした髪も触ってみたいですね」
「それでは、上がって髪を乾かしましょう。でも、触るのは少しにしてください」
「わかりました」
お互いに温風の出る魔道具で髪を乾かしあい、またクロードに髪を触られています。
「クロードは髪が好きなんですか?」
「そういうわけではないですよ、レティアの髪だから触りたくなるんです。レティアだからです忘れないでくださいね」
「忘れませんよ」
こんな時に言われたら、温まって赤くなった頬がもっと赤くなるじゃないですか全く。
「ここまでです。ケェファに会いに行ってきますから」
「一緒に行きますよ。会いたいのは同じですからね」
クロードと二人で会いにいき、ケェファ寝顔を眺めて今日が終わりました。
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