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今回はいつもより少し短めです。
気がつけばティア様の魔力量が私と同じくらいあることが分かってから半年程が経ちました。ルエン様とエカチェリア様は無事にご結婚なされ今エカチェリア様はご懐妊中です。このまま行くのであればティア様の弟がお生まれになるはずです。
ローゼンと言う名前だったはずです。ゲーム中ではローゼン王子と呼ばれていましたね。ギフトのおかげで記憶力がチート並の私ですが前世の記憶だけはギフトの力が働かないようで一部あやふやになっている記憶があります。
最近のティア様の勉強は順調で魔法の技量も上がっています。お友達もできましてシャロン様というマクルス家の御息女です。最初はレオンの娘と聞いて少し心配だったのですが、初めて会った時には礼儀正しく挨拶をしてくれました。
レオンのように初対面で挨拶もないということも無くたぶん母親の育て方が良かったのでしょう。レオンに子育てができるようにも思えませんし。そう言えば噂でレオンが親バカになったと聞きましたけどどうなのでしょうか。
今日はティア様の勉強はお休みでシャロン様と遊ぶ約束になっています。そのため今日は仕事はなく、午後から休みになっています。そしてセレスティーナやリーア達と休みを合わせて小さなお茶会をする予定です。
今までにも何度か開催していますが全員が揃うのは今回が初めてです。
ベックさんには前もってお茶菓子を頼んでいますが何を作ってくれますかね。そろそろ時間ですから庭園に行きましょう
「レティ遅いですよ」
「レティア遅かったな」
「二人とも早いですね。私も早めに来たつもりでしたけど」
「久しぶりに全員揃うのですから早めに来たのですよ」
「私はセレスティーに連れてこられてな。もう少しあとに来るつもりだったのだが」
「リーアが一番遅いと思いまして私が先に連れてきたのですよ」
「そうでしたか。今日のお茶菓子は何でしたか?」
「マフィンのようですよ」
「完成していたのですね。前回試食した時は微妙な出来でしたけど」
テーブルの上にあるマフィンを手に取り食べてみると前回のように生焼けということもなく中には乾燥した果物が入っていてお茶菓子として完成していました。
「ベックさんも腕を上げましたね。中に入っている果物もいいアクセントです。セレスティーナこの紅茶いつもと味が違うようですけど変えましたか?」
「ええ、今回はお茶菓子に合うように味の主張が抑え目のものを用意しましたの
「ふむ、たしかに味が変わっているな。私は気づかなかったぞ」
「リーアは昔から紅茶の味など変わっても気づきませんでしたね」
「私は美味しければそれでいいからな」
「もう少し女性ぽくしたらどうですの?綺麗ですのに」
「そう言われてもな、女性ぽくと言われても勝手がわからぬしな」
「セレスティーナ言っても無駄なようですよ?」
「そのようですわね…」
「そう言えばベックが、マフィンが完成したらティア様にもをお出しするつもりだと言っていましたから、今日出しているかもしれませんね」
「ではちょうど良かったですわ、同じ紅茶をティア様の方でもお出ししているので」
「なら一安心ですね」
「しかし、午後はお休みを頂いたが何をする?特にやりたいことがなくてな」
「リーアはいつも働き詰めなのですから、体を休めてはどうですか?」
「だが、体を動かさねば落ち着かなくてな」
「休むことも鍛錬には必要と聞きますし、休まなくては付く力も付きませんよ?」
「確か、学園にいた時も言われたな」
「そうでしたね。あの時のリーアはやり過ぎでしたから」
「うむ、あの後言われた通りに休んだらレオン殿に勝てたからな。よし、休むことも鍛錬のうちだと思えばできる気がしてきだぞ」
「それは良かったです」
その後も三人で話をしつつお茶会を済ませてそれぞれの仕事に戻りました。ティア様もシャロン様とは楽しい時間を過ごせたようで夕食の際に楽しそうにしていました。そして私たちがお茶会をしてからちょうど一週間たった日、国中に王子誕生の知らせが響き渡りました。
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7/21カッコを変えました