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遅くなってすいません。なかなか筆が進まないもので気分転換に違う小説書いたりしてました。
気分転換で書いた小説も後で投稿するつもりなのでその時は読んで頂けると嬉しいです。
王女宮に帰る前に王城に寄ると城内が騒がしくなっていました。何かあったのでしょうか。
私は王城の出来事が気になりセレスティーナに聞きに行く事にしました。セレスティーナの話ではルエン国王と隣国のエカチェリア第二王女の縁談が進み始めているとの事でした。
この縁談自体は少し前から進んでいたのでそれが貴族達に伝わり王城が騒がしくなっていたのでしょう。
それでは授業計画を立てなくてはいけませんね。初めのうちは読み書きを基礎として合間合間に違う授業を入れる計画にしましょうか。
ティア様が勉強を初めてそろそろひと月がたとうとしています。既に文字の読み書きは完璧にできるようになりました。そして、計算は簡単な足し引きは暗算で出来るようになりました。今日は魔力の勉強をする予定です。
「ティア様、今日は、魔力についての勉強をいたします」
「はい!レティア先生」
「まず魔力という物は、この世界に生きるものなら全員が持っている物で、ティア様も私も持っています。そして魔力量は魔力を使うことで増やすことができますが、もちろん増える限界があります。最初から魔力量が多い人は増える魔力量も多いと言われています。今日はティア様の魔力量を測りますよ」
「わかったわ。でもどうやって測るの?」
「この魔力測定器を使います。輝きが強いほど魔力量が多いことになりますよ。測り方は測定器の上に手を置いていただくだけですよ」
「えっと、こうすればいいのよね」
ティア様が測定器の上に手を置くと測定器が強く輝やいて視界が一瞬見えなくなり、それと同時にピシッと測定器の壊れる音がすると同時に輝きが収まりました。すると外で待機していた近衛騎士が物音を聞きつけて中に入ってきました。
「ティア様大丈夫ですか!」
「大丈夫よ、それにしてもすごい輝きだったわね」
「ティア様が無事で良かったです。しかし輝きどころか測定器が壊れてしまいましたね。余程ティア様の魔力量が多かったのでしょう。今セレスティーナを呼びますね」
近衛騎士にセレスティーナを呼ぶように伝え待っていると、セレスティーナが来ました。
「測定器が壊れたと聞きましたが、ティア様大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう」
「当然のことにございます。しかしレティアはまた測定器を壊したんですの?ティア様に手本を見せるために実演したのは分かりますけど測定器に触れなくても良かったのでは?」
「セレスティーナ、私は測定器に直接触れていませんよ?触れてたのはティア様だけです」
「では、ティア様の魔力量は貴方と同じくらいなのですね」
「レティア先生も測定器を壊したことがあるの?」
「そうですね同じように壊したことがあります」
「じゃあレティア先生は魔法が使えるの?」
「いえ、私は魔法を使うことは出来ません」
「どうして?魔力があれば魔法を使うことが出来るって本で読んだことあるけど…」
「ティア様、私はギフトというものを持っています」
「ギフト?」
「はい、ギフトとは魔法とは別で神からさずけられる技能だと言われています。そしてギフトを持っているのものは魔法を扱うことは出来ません。しかしギフトの力は魔法よりも強いものが多いため、魔法を使えなくともギフトだけで魔法に対抗することができます。また、ギフト所持者の魔力量の多さでギフトの力の強弱も決まります」
「じゃあレティア先生のギフトの力はすごいの?」
「いえ、残念ながら私のギフトは戦闘系では無く自己強化系で記憶力強化というものです」
「記憶力強化?」
「単純に記憶が良くなるだけの力ですが私の場合は魔力量が多いので一度見たり聞いたものは忘れません」
「それってすごいんじゃないの?」
「時と場所によってはすごいかも知れませんね」
「測定器の片付け終わりました」
「ありがとうございますセレスティーナ」
「いえ、また何かありましたらお呼びください」
そう言ってセレスティーナは部屋から出ていきました。
「少しだけ補足をしますと、ギフトを持っている人は二万人に一人だそうです」
「それって多いの?少ないの?」
「レクサリア王国の人口は約一億人と言われていますから約五千人がギフトを持っていることになります」
「そうなのね」
「ティア様今日はこの当たりで勉強を終わりにしましょう」
「わかったわ、ありがとうレティア先生!」
「私は当然のことをしているまでです。それでは失礼します」
私はティア様の部屋を後にして自室に戻りました。ティア様が学園に入られるまで後、七年あります。そしてゲームがはじまるまであと十二年、ルエンとエカチェリア様の縁談も予定どおりなら上手くいくことでしょう。
何せ攻略対象の王子様が生まれていませんからね。シナリオ通りなら来年にはお生まれになるでしょうか。
どちらにしろ私がすることは変わりませんティア様を守り幸せにするだけです。
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