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200ブックマークになりました!これも皆様のおかげです。
そしてこれを記念して2話連続投稿します。44、45と更新しますので読む順番をお間違えないように。
これからも「転生したら、王女様の家庭教師になりました」をよろしくお願いします
私が目を開けると、そこは白い世界でした。太陽がある訳では無いのに明るく、ただ椅子とテーブルが置かれているだけの世界。
私は魔力を使い果たしたはず。次目覚めるのはベットの上なのでは、と思っていましたがここは何処なのですか。
少し待ってみても、私以外の人は現れず。よくある展開ならばここで誰か説明してくれる誰かが現れるものなのですが、一向に現れる前兆すらありません。
「実際時間どれほど居たのか分かりませんが、体感では結構長くここにいる気がするのですが。喉もかわかなければお腹もすかないのですね」
私の声だけが響く世界、私だけが椅子に座っていました。今は精霊の子もいます。気づけば私の膝の上で座っていたのですから神出鬼没です。
「あなたはここから出る方法を知っていますか?」
精霊であるこの子なら知っているのではと望みを抱いて聞くと、私の膝の上を飛び降り何処かに向かって歩きだしました。
追いかけていくと扉が見え始めてきました。後ろにはテーブルもイスもなく、ただ扉だけがそこにありました。
「この扉に入ればいいのですか?」
扉に入るとそこは変わらず白い場所でしたが一つだけ変わった所がありました。それはただただ広かった先程の場所とは違い部屋になっていたのです。
部屋の中央には小さな小さな何かがありました。これは、なん……なのですか。淡く光輝く何かがそこにはありました。
光は明滅しその輝きも弱くなっていきました。
何故かとてつもない不安が私を蝕んで行くのです。どうにかしなくてはいけないと、心が感じているのに、魂が感じているのにそのすべを私は知らないのです。
不安に突き動かされ私はその光を抱きしめていました。次第に不安は収まっていき、こんどは謎の安心感が私を包み込んでゆきました。
その安心からか私は眠くなっていき、そのまま眠ってしまったのでした。
目が開けると日差しが窓から差し込んできて、部屋は明るくなってきました。隣にはセレスティーナがうつらうつら船を漕いでいでいました。
あの緊迫した状態でしかも夜でしたからね、無理もありません。私が倒れてから看病してくれていたのでしょう。傍には水と布がありますから。
迷惑をかけてしまいましたね。心配してくれたのでしょう。さしてこのままもう一眠りしても……許してくれるでしょうか。
二度目の目覚めは自然なものではなく、周りの騒がしさから目が覚めました。
「おはよう……ございます」
「「レティア!」」
「声が大きいですよ」
「す、すまん。それより身体は大丈夫なのか?」
「魔力枯渇で倒れただけですから、大丈夫ですよ。まだ、ダルさを感じますけどね」
「良かったですわ。急に倒れて意識を失ってしまったのですから心配しました」
「事前に言えば止められると思いましたので」
「当たり前だ、と言いたいがあの場面ではしょうがあるまい。事実、レティアのおかげで地竜の進路はそれたのだからな」
「それは良かったです。現状はどうなっていますか」
「救援部隊が到着し、現在は後始末をしている。ルエンは既に王城に帰ったがティア様やエカチェリーナ様ローゼン様は残っておられる」
「そうですか。帰りの目処はまだ経っていないのですね」
「ああ、直ぐに移動ではお体に触るかもしれないから、もう一日ここにいる可能性が高い。レティアは気づいてないかもしれないがもう昼だからな」
「昼ですか」
確かに窓の外の太陽は頂上付近に来ており、昼間でした。
「半日ほど眠っていたのですか」
「ああ、だがまだ顔色は悪いし魔力も回復し切っていないだろう」
「そうですね、回復している魔力は三割四割といったくらいです」
「となると明日までは確実にかかるか」
「元々明日までは帰ることになりそうなのですから。それまでレティアはベットの上から動いてはなりませんわ」
「本くらいは読んでも構いませんよね?」
「顔色が良くなってからです。それまでは大人しく寝ていてください」
「わかりました、ところでクロードは?」
「別室に居るはずですわ。呼んできましょうか?」
「お願いします」
クロードと話をし周りの了解も得て明日、とある場所に行けるようになりました。
「レティア、あまり無理をしては」
「どうしても来たかったのですから、多少の無理はしますよ。あなたとこの光景を見たかったのですから」
私たちの目の前にはピクニックでも訪れた桜の巨木がありました。やはりクロードと一緒にこの桜が見たかったのです、元日本人としては桜に魅入られていますから。
「また後日来てもよかったのではないですか?」
「この木はこの時期の短い期間しか花をつけないんです。次来る時には花がちってしまいますよ」
「それほどまでに私と見たいと思っていてくれて、私は嬉しいです」
「最初はクロードと見たかったんですよ。まだ朝ですが乾杯といきましょう。もちろん少しだけですが」
そういえば、クロードとお酒を飲むのは初めてでしたね。いつもはリーアやセレスティーナとお酒を飲むだけでしたから。
とはいえその時もたまに度数の低いお酒を飲むくらいでした。
一度度数の高いお酒を飲んだら後日、セレスティーナ達にもう飲むなと止められましたがなぜなのでしょうね。
誤字脱字は下の方からお願いします。
次話はついについに!来ます!




