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遅くなってしまいすいません、カクヨムの方に手を出しまして、そちらの最新もして居るので遅くなってしまいました。
何だか眠れなくて、窓からアルバンチュルスの方角を眺めていますが。スタンビートの影も形も見えることはありません。
月明かりに照らされて草木が見えるその様は神秘的でもあり恐怖を与えて来ます。木々の間から魔獣が出てくるのではないかと。
テーブルの上にはセレスティーナから貰ってきた安眠効果のあるハーブティーを入れてあります。さすがにセレスティーナ程上手く入れることは出来ませんが、元が良いのでとても美味しいです。
そして膝の上にはどこからともなく現れた精霊が座っていて昨日のように撫でています。本来精霊は人前には姿を見せないものなのですが、こうも警戒心なく居られると私が今まで学んできたことが間違っていたのでは無いか思ってしまうのですがどうなのでしょうか。
「あなたは何故私の近くにいるのですか?」
「にゃー」
「分かりませんか、それもそうですね。私には精霊の言葉を理解することは出来ないのですから」
月明かりに照らされながら飲むハーブティーも風情があっていいものですね。冷めないうちにとポットに残っているハーブティーを飲んでいると、部屋の外から足音が聞こえてきました。それも慌ただしく走る音です。
「レティア!」
「リーアその慌てようは何かありましたね?」
「ああ、昼間に話してたスタンビートが発生してしかもこっちに向かってるって伝令が!」
「そうですか、私を呼びに来たということは緊急で会議をするからですか?」
「会議と言っても簡易なものだがな。ルエン様がレティアも呼ぶようにと仰って」
「そうですね、私も結界のことを話さなくてはいけませんけから」
館の一室に騎士団長達が集められ話し合いが始まっていた。
「今から逃げて間に合うのか」
「近くの街まで急いでも一刻ほどかかる。群れの速さは馬より速い、どうしても追いつかれてしまう」
「ではどうするというんだ。地下室に逃げ込んだとしても、入られてはどうしようもないんだぞ。救援部隊が来るまでは時間もかかる」
話は決まらないでいた。
「失礼します、レティアを連れてきました」
「ご苦労さま。リーア」
「失礼します」
部屋へ入室すると他の団長の視線は私に向かっていました。正確には私の方に乗っている精霊に。
「レティア、その方の小動物は一体」
「精霊です。特に危険は無いのでお許しを」
「精霊か、なら問題は無いよ。早速で悪いんだけどレティア何か策はあるかい?」
「一つだけ、結界を張ります」
「そうか結界を。地下室に結界を張れば侵入されることは無い。我々が一階でどうにか抑えることが出来れば」
「ああ、その間に救援部隊が来てくれる」
「結界を張るのは地下室ではありません。舘全体です」
「舘全体を囲う結界を張ると言うのか?それだけの魔力をどうやって用意する。騎士団の中には魔法や魔術を扱える者もいるが魔力は限られているぞ」
「私の魔力があります。一般の魔術師、魔法使いより数倍魔力を持っているので時間は保つでしょう」
「だけどレティア、魔力供給はどうするんだい。君は間に誰かを挟まないと魔術を行使できないだろ?」
やはり、昔から一緒にいるルエンにはバレていましたか。
「この精霊と仮契約をします。精霊を間に挟めば可能です」
そう、魔力操作が出来る人は居なくても精霊ならいます。
「精霊をか。大丈夫なのかい、拒まれる可能性も無くはない」
「その時は、ティアのお力をお貸しいただきたく。ティアの魔力量は私と同じくらいあります。ティア様なら魔術を行使することもできます。魔術式に魔力を流して結界を発動すれば大丈夫です」
ルエンは悩んでいるようでした。それはそうでしょう。御息女のティア様を危険にさらしてしまうかもしれないのですから。
「わかった、それで行こう。逃げる時間も無い今その方法が最善だ。レティア何を準備すればいい」
「インクとナイフを魔術式を作らなければなりませんから」
「わかった用意させよう」
「ありがとうございます。近衛騎士団長の皆様にお願いが」
「なんだ」
「広域結界はその広さのために強度が不完全な箇所が必ずできます。おそらく魔獣や魔物は強度の弱い所を破り、中に入ってくるはずです。その対処をお願いします。破られてから結界を修復するとはいえ中に数体入ってくるので」
「了解した我ら近衛騎士団。使える主は違えど皆王族の剣であり盾であれば。その務め必ずや果たして見せよう」
「それぞれ、準備を始めてくれ。全員で生きて王都に帰ろういいね?」
「「「「はい!」」」」
それぞれがそれぞれの準備のために動き出しました。
そして私はこの精霊との仮契約を。
精霊との契約には二種類あります。一つは仮契約、二つ目は本契約と言うものです。
仮契約は精霊の力を一時的に借りることが出来る契約で、私たちの方から精霊に契約を申し出る形になります
本契約は全て精霊からの申し出になります。本契約は精霊の力を全て扱うことができます。しかしこれは精霊との信頼関係があってこその契約のため、ここまで至る人はそう多くはありません。
それぞれ方法として、仮契約は言葉による契約でこちらの申し出に精霊が答えることで成立します。本契約は契約者この場合私の血を精霊が体内に取込みそれに承諾することで契約できます。
どちらにも共通することは、精霊が拒めば契約が出来ないということです。
そして今回するのは仮契約。この精霊との関係も悪くはないと思うのですがどうでしょうか。
「我、精霊と仮初の契約を結ばん。我、精霊に望は魔力の仲介なり」
これに精霊が答えてくれれば良いのですが。
「にゃーん」
これは答えてくれたのでしょうか。しかし多くの場合手の甲に印が出るはずなのですが。
「にゃん!」
「っ!」
精霊が私に近づいてきたと思うと私の指を噛んで!
「レティア大丈夫なのか!」
まだ部屋に残っていた、リーアとルエンが心配してきますが、これは。
「大丈夫です、噛まれて少し血が出たくらいです。しかしこれは」
仮契約の場合、印は手の甲に現れその印は薄いのだそうですが、私の甲に付いた印は色鮮やかな薄い桃色をしていました。
誤字脱字は下の方から報告できるのでよろしくお願いします。
次回は精霊と契約して結構を張って、スタンビートが来る頃までは行くかと思いますお楽しみに。
あとは宣伝になりますがカクヨムで投稿している小説のリンクです。よろしくお願いします
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888590255
飛べないときはちょっと考えます。




