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20.5話を追加したので良ければどうぞ
食堂に入るとすでに侍女達や騎士達が食事をしていました。ベックさんの言う通りにスープに入っているお肉が多めですね。
「リーアは後から来るみたいですわ」
「交代がありますからね、仕方の無いことです」
今日の料理は麦飯にスープにサラダ、肉野菜炒めですね。少し肉が多いような気もしますがかそこはサラダで調整すれば良さそうですね
「それでティア様の様子はどうですか?」
「わくわくしてますわ。明日が余程楽しみなようですね」
「そうですか、夜ちゃんと寝れるといいですが」
「そこは私が寝かせますから安心してください」
「お願いします」
話をしていると、リーアが料理を持って来ました。
「すまない遅くなった」
「大丈夫です。次の交代まで時間はあるのでしょう?」
「ああ、一眠りして朝に交代だな」
「エカチェリア様方は早朝こられるのですよね?」
「ええ、朝から大変になりますよ。お部屋は今日のうちに掃除していますから、どこをお選びになっても問題はありません」
「侍女や騎士も増えますから大変になりますね。連携が取れると良いのですか」
「これから来る団長や補佐官とは面識があるが連携となるとどうだろな」
「そういえば、王女宮近衛騎士団の団長はリーアですよね」
「そうだな」
「副団長を見たことが無いのですが、誰なのですか?」
「そういえば見たことありませんわね」
「それを言ったら、副侍女長を見たことがないぞ?」
王女宮の全員とは顔見知りで話をする仲ですが近衛騎士団副団長や副侍女長といった人物は聞いたことがありませんね。
「二人とも実際にどうなのですか?」
「隊長達はいるが確かに副団長は決めていないな」
「私は補佐を決めてはいますね」
「セレスティーナはまだいいとして、リーアは副団長くらいは居ないといけませんよ?」
「副団長か、いちようみんなをまとめてくれる子ならいるが」
「誰ですの?」
「アネルカ·マーガリだ。」
「アルネカさんですか」
アルネカさんは第2隊隊長でマーガリ家の長女だったはずです。女性騎士の三分の二は平民出身の人々で、斡旋所と呼ばれる街などにある場所で害獣や魔獣の討伐などをしている女性がスカウトを受けたものや、騎士選抜試験にて実力を認められた人々です。
貴族出身の女性騎士はその多くが貴族の三女や四女、騎士の家系だった人が多く普通の貴族の長女が騎士になるということは稀です。恐らく何かしら理由があるのでしょうが、それを聞き出すと言うことはしません。それぞれの理由でここに居るのですから。
「確かにアルネカさんなら副団長も務まりますわね」
「一度話をしてみてもいいのではありませんか?」
「そうだな確か朝の交代で一緒になるからその時にでも話をしよう」
この後も明日の話をしながら夕餉をとり部屋に戻りました。部屋に戻るとあの時消えた猫が椅子の上に佇んでいました。
「あなたは、いつの間にか消えていましたがどこに行っていたのですか」
「にゃーお」
「不思議な存在ですね扉が開いていたわけでもなく、今は窓も開いていません。この部屋にあなたが隠れることができる場所は少なく、何より普通の猫なら光りませんからね」
そう、椅子の上に佇んでいた猫は月光に照らされている中で淡く光っています。
「あなたは精霊ですか?」
「にゃーおん」
「肯定していると捉えていいのでしょうか」
精霊とは自然界にある魔力が意志を持った存在で、目には見えないことが多いですが周囲に存在しています。
精霊には階位があるとされていて、下から[精霊][下位精霊][中位精霊][高位精霊]とされています。[精霊]は意思はあれど人格はないとされ[下位精霊]以上が人格と似たようなものを持つとされています。
また、形を持つのも[下位精霊]からで、[下位精霊]が動物[中位精霊]が幼児型[高位精霊]が大人型をとるとされています。なのでこの猫は[下位精霊]だと思われます。
[あなたはなんのためにここにいるのですか?]
「にゃー」
「椅子に座るのですか?」
「にゃん」
「それでいったいどうすれば」
「にゃーお」
「撫でればいいのですか」
そしてランプを机に置いて、猫を撫でながら本を読んでいるといつの間にか猫は消えていました。
誤字脱字は下の方からお願いします。
次話こそはルエン達が到着します
実はこっそりTwitterを始めていたりします。プロフィールには書いていたのですが気がついた方はおられましたでしょうか?




