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最初の内は主人公の話になると思います
私が前世の記憶を思い出したのは赤ん坊の頃、生まれてすぐ私は高熱を出して生死の境を迷っていたそうです。
多分前世の記憶を思い出したのが原因でしょう。
記憶を思い出した後、意外にもすぐに馴染むことができ成長と共に、レクサリア王国のヴェルティース子爵家の長女に転生したのだということを受け入れました。それ以外に方法が無かったのもありますけど。
私の父親は文官。母親は武官で下に妹と弟が居ます。
父と母の馴れ初めは何でも母が書類を届けに行った相手が父で母が一目惚れしたそうで父に猛烈アタックをしたそうです。
母は結婚を境に武官をやめて家で父の手伝いなどをしています。
レクサリア王国では十二歳になった貴族の子供は必ず学園に通わなくては行けないと言う決まりがあり、もちろん私も十二歳になり学園に通いました。
学園の名はエングラスト…いえ正しくはエングラスト学園都市と言うべきでしょうか。エングラスト学園都市はエングラスト学園を中心とした都市で、都市機能の半分をエングラスト学園が占めている特殊な都市です。
学園の中では身分関係なく接することになっているため、同級生には公爵家など私よりも爵位の高い人達が居ましたが身分を気にすることなく話しかけることが出来ました。そして私の世代は丁度良く王族の方も居ました。そしてこの学園は十五歳で卒業式する人と十八歳で卒業する人と二つあります。
これには理由があって、十五歳までにある程度の学力が無いと留年という扱いになるからというのが一つ。二つ目に、より専門的な知識を身につけるために十八歳まで残る人です。十五歳で卒業するとだいたい高校レベルの知識が、十八歳で卒業すると大学レベルの知識になります。
学園に通う目的としては知識を学ぶことが一番に挙げられますが他にも人脈作りや婚約者探しなども含まれていました。
とは言え私にはほとんど関係の無い話なので傍観していたのですが、学園始まってすぐの試験の後でした。
廊下に張り出された試験の結果を見ていると後ろから「レティアとはお前か」と言われて振り向いているとマクルス公爵家のレオン様が居ました。
私は呼ばれたことに対して「はい、そうですが何か御用でしょうか」と答えるとレオン様は「次はお前に負けないからな」と言ってどこかへ行かれてしまいました。
試験の結果を見てみると私の名前の下にレオンと言う名前がありました。
先程の言葉になるほどと思いながら面倒ごとにならないといいなと思いました。
その後の試験でも私が一位なのは変わりなく何度かレオン様と話をしているとレオン様に名前を呼ぶ時は様をつけなくていいと言われたのでそれからはレオンと呼ぶようにしています。
試験が近くなると勉強を教えて欲しいと頼まれるようになったので放課後、図書館で勉強を教えていると図書館の中に王子のルエン様と婚約者のユリア様がいらっしゃいました。
目的はレオンのようでこちらに歩いてきました。
どうやらレオンとルエン様、ユリア様は仲が良いらしく、最近放課後どこかに行ってるのが気になって来たみたいです。
レオンが私と勉強しているのを教えるとルエン様とユリア様も一緒に勉強をしたいと言ってきたので、私は「レオンに任せます」と言うとレオンは「じゃあ一緒にやろう」と言ったので、4人で勉強をするようになりました。
それからというものルエン様やユリア様とも仲良くなりお二人とも様は要らないと仰られルエン、ユリアと呼ぶようになりました。
また、昼食なども一緒に食べるようになり気がつくといつもレオン、ルエン、ユリア、私の四人でいるようになりました。
それからも何人かの友人ができ充実した学園生活を送ることが出来ました。十八歳になり卒業が近くなってきた日、レオンから卒業したら公爵家で家庭教師をしないかと聞かれました。
レオンの弟に付ける家庭教師を探していて、レオンの知り合いである私に話が回って来たそうです。
私でなくともちゃんとした家庭教師がいるはずなのですが、私の学力を知ったレオンのお父様がレオンに私を説得するように言ったそうです
卒業後に何をするか決まっていなかった私は、両親に確認を取ってレオンの弟の家庭教師になりました。本来であれば婚約者がいて、どこかに嫁がないといけないのでしょうけど。両親が恋愛結婚だったこともあって自由にすることができました。
卒業してすぐにルエンとユリアの結婚式が行われ一ヶ月と経たないうちにユリアが妊娠した事が公表されレクサリア王国全体がお祭りムードの中私は王城に呼ばれました。
私を王城に呼んだのは王妃になったユリアでした。
「ねぇレティア、生まれてきた子が女の子だったらティアって名付けようと思うの」
「ティアですか?もしかして…」
「そう、レティアの名前から取ったの!貴方みたいに賢くなってくれるようにって。ルエンと決めたのよ?」
「そうですか。私なんかでよかったんですか?」
「レティアだからよ。そうだわ!この子が産まれたらレティアが家庭教師をやってくれない?」
「家庭教師ですか?レオンの所が終わったらでも良かったら良いですよ」
「ありがとうレティア!」
「どういたしまして。そろそろ私は帰りますね」
それから数ヶ月後に王女が産まれました、名前はユリアが話していた通りティア王女だった。
王女が生まれてから数日たった頃また王城に呼ばれた。
王城にあるユリアの部屋へ行くとそこにはルエンとユリア、王女のティアと医師がいた。
部屋に入った途端に感じた重い空気に私は息を呑んだ。王女が産まれて幸せな時間なのにどうしてこんなにも空気は重いのだろうか。
「ルエンいったい…どうしたの」
「ユリアが出産したあと体を壊してしまったんだ。医師が言うには長くいきられないかもしれないって…それでユリアがレティアに会いたいって言うから呼んだんだ」
「そんな………長くは持たないってあとどれくらい?」
「分からないんだ。早くに亡くなってしまう人もいるって。長い人だと六年くらいみたい」
「そんな…どうしてこんなことに」
「それは僕が知りたいよ。でも残された時間はなるべくユリアのそばに居る、だからレティアもユリアに会いに来て欲しい」
「わかりました……毎日でも会いに来ます」
それからの日々は午前は公爵家で家庭教師をし午後は王城に行きユリアと話をしたりして過ごすことになりました。
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