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英国

戦前から手野財閥は世界へと目を向けていた。

その焦点となっていたのはイギリスとアメリカである。

イギリスは世界の金融の中心として、アメリカは世界の工場として、それぞれ重要視していた。


欧州は、先進国の集まりである。

イギリスで視察をしていた手野財閥当主代理、旧砂賀藩筆頭家老にして春雷会古参会員代表の大河内家重(おおかうちいえしげ)は、ロンドンのシティで、支店となるべき物件を探していた。

当然、手野財閥の欧州の拠点となるべき場所である。

吟味に吟味を重ねていたが一向にいい物件に出会うことはなかった。


「しかし、こうも倫敦は大きいのだな」

家重が、側近へと愚痴りながら、ハンカチーフで額の汗を拭う。

「まったくでございます。閣下は、お疲れではございませんでしょうか」

側近が早速休憩しようと言い出したようだ。

すぐそばには、パブがあり、どうやらそこに行きたいと考えているようだ。

「そうだな。今まで出向いたところは、どれもこれも高すぎる。さすがシティの真ん中、といったところか」

暑い暑いというのを言い訳にして、当人もどうやら休める場所を探しているらしい。

パブは、上流階級が行くべきところという概念はない。

しかし、中流階級や、たまに集まる上流階級を狙う人もいる。

「外国人というだけで疎外されないからな」

「全くです」

1900年、日英同盟はいまだ締結されていない。

未だ非白人というだけで、人種差別がなされる時代だ。

一般的な店に入ると何をされるかわからない。

しかし、彼らの使命を果たすため、パブへと一歩足を踏み入れた。

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