六話
デパートをあとにした三人は、神社へと戻っていた。未だ手がかりを見つけられない如翔と楓は、神様ちゃんに助けを求めていた。
「お前さん達。数ある過去の中、この時間に飛ばされたのは何故か、もう一度思考を張り巡らしたらどうだ」
「と言われてもな……」
「冗談抜きに、私の引っ越しが関係してるのかねえ?」
「何故引っ越したです? 楓ちゃん」
「お祖父ちゃんが亡くなったからだよ。田舎に住んでいるお祖母ちゃんを一人には出来ないって理由でね」
「病気だったんだっけ?」
「ううん。事故。段差に足を取られて、打ち所が悪かったのか即死だった筈」
「それいつ?」
如翔の質問に答える為にケータイを見る楓。日にちを確認すると、呼吸を整えて答える。
「明後日だねえ」
「明後日だって!?」
「間違いないよ。私、お祖父ちゃんの命日はしっかりと覚えているからねえ」
「……じゃあ、楓のお祖父ちゃんの事故が無ければ、お祖父ちゃんが亡くなることも、楓が引っ越すこともないってことか?」
「お祖父ちゃんを救えるの!?」
「多分。けど、現在に戻ってきた時に助かっているかは分からん」
「それでも構わないよ。この時間だけだったとしても、お祖父ちゃんを助けられるのならねえ!」
「そんでもって無事に戻れるのなら、言うことないな」
「お前さん達。今日は休むがよい。明日からでも間に合うです」
「それもそうだな。一旦解散だ、楓」
「希望が出てきたねえ、如」
神様ちゃんに別れを告げ、二人は家へと帰っていった。辺りは夕焼けに染まっていた。
「やれやれ。どうやら、本当に気付いていないようですか。無自覚ですか。困ったちゃん達です」
竹箒でゴミを掃いていく。毎日掃いても減らないゴミ。やるだけ無駄かもしれない掃き掃除。
腰を落ち着かせ、夕陽に目をやる神様ちゃん。
「減らないのは、ゴミだけじゃないです。真の想いもまた、刻がどれだけ経とうとも減っていない筈です。それに気付ければ……きっと」
神様ちゃんは欠伸をした。夕陽に堪らず瞼を閉じた。心地よい風を受け、うたた寝をしてしまう神様ちゃんだった。




