四話
五年前に対しての未練や後悔。それを見つけるべく三人は、近所の公園に来ていた。
「懐かしいな。今じゃマンションだもんよ」
「マンション!? 私が引っ越した後、そんなことになっていたなんて」
「今と五年前で変わった場所に来れば、何か分かるかもと思ってたんだけど……駄目だ、分からん」
「勿体ない。こんな大きな公園を潰してしまうなんて。やれやれです」
「少しでも住民を増やしたかったんじゃないか? 公園を維持するよりも、新しい人間を呼ぶ方に切り替えたんだ」
「遊び場がなくなるではないか」
「外で遊ぼうとする子供が減ってきているのも事実。近所同士の交流も減ってきているから、憩いの場になる公園は切り捨てられたのかもな」
「どんどん閉鎖的になるよねえ? 住む人が増えてもさあ、街の発展には結び付くのかなあ?」
「さあな。だがまあ現実は、なかなか買い手が付かなくて困ってるらしいが」
「とんだ災難だねえ」
「うーん。確かに公園が無くなったのは残念だったが、未練とかまではいかないな。学校の校庭もあるし、近くには広場もあるから」
「そですか。楓ちゃん、どこかあるです?」
「引っ越す前に行ったデパートとかかねえ?」
「あ~。確かにあのデパートも潰れたな。今じゃ家電量販店だ」
「あそこで食べたシュークリームが忘れられないねえ」
「確かに美味かったけど、それが原因ってのは考えづらいんだがな」
「そうだけどさあ。もう一度食べてみたいんだよ」
思い出のシュークリームを思い浮かべながら涎を垂らす幼馴染みを見て、一歩引いてしまう如翔。
涎を垂らしていた楓は我にかえると、顔を赤くしながらハンカチで拭いた。神様に貸したのとは違う柄のハンカチだ。
「それは気になるです。我も食べてみたいです」
「そいつは構わんがよ、気に入らなかったからって泣いたりしないでくれな」
「そんなことで泣いたりしないです! お前さん、我を何だと思ってるです!」
「子供」
「子供じゃないと言っているだろうが!」
ムキーッとする神様。子供扱いされて怒っている少女にしか見えない。神様が泣く寸前なのを見抜いた楓は、優しく頭を撫でて宥めるのだった。
「如。神様には丁寧に接してあげなくちゃ」
「おだてると付け上がるぞ?」
「良いんじゃない? 神様ちゃんなら」
「楓ちゃ~ん」
「はいはい」
抱き合う女子二人。
如翔は黙って見ているしかなかった。




