十六話
青空広がる昼下がり。太陽の光を浴びながら、一組の老夫婦がやって来た。楓の母方の祖父母だ。
本来ならば、既に祖父は亡くなっているのだが、如翔と楓によって歴史が変わった為、今日も元気でいる。
「いらっしゃい!」
「久し振りだね、楓ちゃん。ほれ、お土産」
「ありがとう、お祖父ちゃん! さあさあ。お祖父ちゃんもお祖母ちゃんも上がって上がって!」
楓に促され祖父母は入っていく。
楓の笑顔は満開に咲き誇っていた。
※ ※ ※
「アンタ。そうやって、いつまでゴロゴロしてるつもり? そんなに暇なわけ?」
「今日は日曜だ。楓の家は今日、祖父ちゃん祖母ちゃんが来てるし」
「バイトでもしたらどうなの?」
「僕、接客苦手だし。黙々派だ」
「アンタがぁ? 事務とか……ぷははは! 似合わない似合わない!」
「それでも母親かよ!」
「これでも気に掛けてるんだけど? まあ、楓ちゃんに会う時間が減っちゃうか」
※ ※ ※
「で、どうなんだい? 如翔君との仲は」
「何を急に!?」
「お祖母ちゃんを舐めちゃいかんねぇ。伊達にしぶとく生きながらえているわけじゃないよ?」
「お祖母ちゃんはズルいねえ……その目には弱いよ」
「で、どうなんだい?」
「仲良くしているよ。……もうっ!」
顔を真っ赤にする楓。
楓の父親は、そんな娘の反応に戸惑っていた。
※ ※ ※
「如翔。ちょっと頼まれてくれない?」
「何?」
「とんかつ作るってのに、肝心のお肉を忘れたのよ」
「有り得ないだろう!?」
「有り得ちゃったんだから仕方ないでしょ! 買ってきてよ」
「しょうがないな。やれやれ」
お肉代を受け取った如翔は、行きつけのスーパーへと歩いていった。




