第1話
ー2040年夏ー
「今日は今年1番の暑さです。」
天気予報で言っていた。
太陽がアスファルトを照らしアスファルトからは蜃気楼がでていた。
俺は頭から流れる汗を手で払いながらバックからペットボトルのジュースをだす。
凍らしておいたはずのジュースも沢山の汗を流していた。
「ぷはぁっ!!うめぇ!!」
かなりの旨さに俺は独り言を言う。
ペットボトルをバックにしまい手探りでいつもの物をだす。
「あった。あった。」
それは昔の携帯。
いわゆるガラケーというものだ。この携帯は昔まだタブレット携帯がない時に流行っていた物だ。
昔の人からするとこれが世の中に出た時の衝撃は凄かったらしい。
この携帯は今の日本では使えなくなった。
あの馬鹿馬鹿しい法律ができたおかげで日本国民全員がタブレット携帯
通称「アイコン」と言われる物をもっている。
勿論俺もある。
政府が作って政府が管理している。
法律ができた当初は反論の声も大きかった。
携帯会社は全て統合され政府の傘下についた。
ただ政府が何を狙っているかなんて俺にはわからないし。
何より全てが無料。
通話もメールも機種代も全て政府が払う。
そんないい条件で携帯が持てるんだから…
ただと聞いて日本人が喜ばないわけない。
買い物やゲームなど自分で買ったものは自腹だが…
反発はいつしかなくなり今じゃ持っていないとおかしいぐらいだ。
俺は空を見上げガラケーを雲に重ねた。
「今日もなんもこねーな。」
寂しそうに言う。
この携帯は両親の形見なんだ。
俺の両親は俺にこの携帯をくれた日…交通事故で死んだ。
いや死体はなかったから死んでないのかもしれない。
崖に車が落ち炎上して姿すら残っていなかったらしい。
遺体がないことから事件はあの手この手で調べられたが結局わからないまま死亡判定がでた。
俺はあまりにも実感がわかなくて泣き叫ぶばぁちゃんや親戚をひたすらぼーぜんと見ていた。
そりゃ遺体の一部分もないんだから。




