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夏生詩集2

贅沢病

作者: 夏生

給湯器故障でお湯が使えなくなった

しばらくの間


お湯、熱くなく冷たくなく、快適な

贅沢な温度


癒しの温度で何度も体を流し

涙もウサも洗い流した


お湯が使えない

洗い流せない

水では凍てついて

進まないから


贅沢病、気づかぬうちに

罹患していた


お湯よ、お湯

やわらかく、やさしく

包み込んでくれた

許された贅沢だと

思っていた


しばらくとは

どのくらいか

しばらくに

耐えられるか


電気ポットで湯をつくり

風呂釜にいれてみる

キッチンと風呂場の往復

文明ひとつ絶たれただけで

この不自由と労力


そう思うのも、贅沢病の一種だ

なんでもボタンひとつに

蝕まれた症状だ


お湯、水、電気が

一斉に止まれば

皆、狂う

間違いなく



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