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11月11日・・・今日は何の日?

「さっちゃん♪はい、プレゼント!」

ヘンテコ外人・・・もとい、私の婚約者からかわいくラッピングされた袋を手渡された。

はて?今日は私の誕生日でもないし、何かのイベントでもなかった気がするが?

「ありがとう。今日はどうしたの?これって先日のハロウィンの件のお詫びの品?」

そう、草木も眠る丑三つ時にやってきやがったハロウィンの詫びのつもりなのか?

ハロウィンと言っても一週間も遅れての真夜中の仮装である。どこがハロウィンだと言いたい。

なかなか帰らないから、優しい私は部屋の中に招き入れて正座付きの説教を朝までプレゼントしてあげた。

その日も会社だからね、吸血鬼姿で会社に行くなんてかわいそうなので、自宅に戻って着替えができるギリギリまでの時間を考えて説教しました。

涙を流しながら、もうしないと約束してくれたのは記憶に新しい。

「開けてもよい?」

『ハロウィン?』とか言いながら首をかしげていたけれど、開けてみてとわくわくした顔で言ってくれたので、とりあえず開封。

私も思わぬプレゼントににこにこしながら中身を袋から出す。


「なんじゃこれは!」

思わず叫んじゃったよ。

いやね、出てきたものが紫のセクシーランジェリーってどうなのよ。

肌触りがとてもよく高級品だと思われるが、なぜにランジェリー?

「さっちゃんに似合うと思って♪」

照れながらそんなことをほざくイケメン外人。

かわいい!・・・違う!今はそれじゃない。

「似合う似合わないの話ではなく、なぜにセクシーランジェリー?しかもプレゼントだし。今日って誕生日でも記念日でも、ましてやハロウィンの詫びの品でもなさそうだし・・・これって、私にケンカ売ってるの?」

そう凄んで睨みつければ、慌てて口を開く。

「違うよ~ぉ!さっちゃんに本当に似合うと思ったし、それに今日は『恋人達の日』だよ!」

「恋人達の日?」

なんだ、その怪しげな日は?

「そう!日本靴下協会が1993年に制定。靴下を2足並べた時の形が11 11に見えることに由来。1年に1度、同じ数字のペアが重なる日であることから、恋人同士ペアで靴下を贈り合おうと呼びかけるための日だよ!」

え!?靴下?

「セクシーランジェリーは関係ないじゃん!靴下を送りあうんだよね?」

今の説明だとセクシーランジェリー関係ないじゃん。

関係あるのは靴下ジャン。

「恋人って言ったらセクシーランジェリーでしょ?」

なに『常識でしょ?』とでも言いたそうな顔?

訳わからないんですけど?

「しかも今日はジュエリーデーでもあります!」

ドヤ顔で胸を張って言い切るけど、セクシーランジェリー関係ないよね?

関係あるのは宝石だよね?

「ジュエリーデーって宝石だよね。プレゼントに宝石や靴下が入っているならわかるけどセクシーランジェリー関係ないよね?ってか、ジュエリーデーってなに?」

「日本ジュエリー協会が制定。1909年のこの日、農商務省令第54号により宝石の重量の表示にカラットが採用されたことを記念した日だよ。」

なにこの外人、日本のこと詳しすぎ?え!?コイツ本当に蒼いおめめの外人?日本人だって知らない人多いいよ?

思わず胡乱な目で見ると、慌てだした。

「さっちゃん、わかんないの?ジュエリーデーってことでランランと喜びながらプレゼントを贈るでしょ?」

無言で顎をしゃくり、続きを促す。

「・・・だから、ランランとジュエリーデー・・・ランラン、ジュエリーデー・・・・ランジュぇリー・・・ランジェリーとなり、ランジェリーのプレゼントです!」

怖いんだけどって感じでかわいく説明していたが、最後の言葉はきっぱり言い切った。

「なんじゃそれは!!駄洒落か?靴下出てこないじゃん!恋人達の日かんけいないじゃん!」

「プレゼントの袋、最後まで見てくれた?」

そう言われて袋を改めてみたら、底に何かが入っていた。

手を入れて取り出してみれば・・・。

「ストッキング?しかもセクシー・・・。」

「そうだよ♪さっちゃんに似合うと思って♪」

これまたドヤ顔で嬉しそうに言う。

「靴下=ストッキング?」

「そう♪」

わかってくれたの?とでも言うように嬉しそうに返事をしてくれた。

ぶんぶん振り回すシッポの幻影が見える気がする。

どうしよう、コイツどうしよう・・・やっぱり婚約したのは失敗だったのか。

とりあえず、

「今日も朝まで正座で説教だ!そこにお座り!」


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