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ハロウィン

『とりっく・おあ・とりーと♪』

玄関開けたらイケメン吸血鬼がおりました。

何故に?

もちろん無言でドアを閉めたともさ!フンッ!


「さっちゃん!『とりっく・おあ・とりーと』だってばさ!無言で閉めちゃうなんてひどいよ~。」

かわいく言っているが、相手は蒼い目のイケメン金髪男でる。

吸血鬼がやたらと似合っているが、『とりっく・おあ・とりーと』との発音はどうなの?

昨今、日本のお子ちゃまだってきれいに発音するわよ。

何のための蒼い眼と金髪だ!泣くぞ。

それよりも・・・。


「さっちゃん!ひどいよ。あ~け~て~。」

ドアをドンドン・・・ドカンドカンと殴っている。

ドアが壊れるし、ご近所迷惑だ。

今現在の時刻は草木も眠る丑三つ時の午前2時過ぎ。

ご近所迷惑と言うより、私に対しても迷惑だ。

何故、私は玄関のドアを開けてしまったのか。

痛恨のミスである。

だがしかし、ここで再びドアを開けて諭さねば、明日から私はここに住めないだろう。

もちろん、ご近所の目が痛くて。

再び、嫌々ながらもドアを開ける。

「さっちゃん!『とりっく・おあ・とりーと』!」

笑顔全開でヤツは言う!

日本の法律さえなければ今確実に、ヤツを永久の眠りにつかせただろうに。

視線でヤツが殺れるなら、確実に殺れるぐらいに眼光きつくヤツを睨む。

「巣穴に帰れ!」

時間が時間だ。大声出して怒れないが、怒りに振るえる声で低い声が出た。

「えぇ~!さっちゃん!『とりっく・おあ・とりーと』だよ。『お菓子をくれなきゃいたづらしちゃうぞ』だよ?」

その鋼のような心臓に乾杯だ。

なぜヤツはここまで無敵な心臓を持っていられる。

人の話を聞け!そして常識を理解しろ!

「今、何時だと思っている。近所迷惑だ!」

「うん?今?午前2時過ぎだよ。日本では草木も眠る丑三つ時って言って化け物や幽霊が出る時間帯なんだよね。日本ではこの時間がお化けの活動時間って決まっているんでしょ?決まりごとは守らないとね♪だからこの時間!」

まてまて!違うだろ!

「それよりも!『とりっく・おあ・とりーと』だよ。」

「何言ってんのお前!帰れ!それにハロウィンは一週間も前にとっくに終わっているぞ。分かったらサッサと帰れ!」

そう、何をトチ狂ったのかハロウィンは一週間も前に終わっている。

今はもう11月だ。

「さっちゃんこそ何言ってるの?日本は楽しければいいって文化だよ?」

まあ、そうだが・・・今ここでは関係ない!

「帰れ!」

「さっちゃん、日本人は楽しければ日付なんて『この日』ってきめないでこの期間っぽいって楽しむんでしょ?意味を深く理解することなく外国の文化を独自の文化として定着させちゃう無宗教国家だ!誇るべき文化だよ?だから仕事で忙しい僕でも日付を気にしないで楽しめるのに!ビバ日本文化!」

この外人は!だからと言って、日本人は常識は捨ててないぞ。

なんで私はこのヘンテコ外人が婚約者なんだろう。

これこそ人生最大の痛恨のミスであろう。

「常識をまず身に着けてこい。そして帰れ!」

「え~!こんなに日本のことを超勉強しているのにぃ~!」

そうヤツは言ってブツブツと呟きだした。

「なにが間違っているのかな?・・・もしかしてもう世の中クリスマスの飾りつけになっているから?お店もクリスマスバージンにかわっているし・・・ハッ!ここはサンタバージョンで登場すべきシーン!そしてサンタはお化けの類に入るのか!?もしかしてサンタ登場の時間帯は日本では違う時間帯に決められているのか!?僕としたことが・・・だからさっちゃんは怒っているのか!僕の調査不足だった。」

この外人は・・・はぁ・・・。

日本文化を勉強してくれるのはありがたい。

日本語も下手な日本人より流暢に話し、日本文化も詳しい。

私でも知らない奥深い知識がある。

でもな!このずれた認識と常識をどうにかしてくれ!


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