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古の都7

 朝、川岸を流れる水で顔を洗う、冷たい水が心地よい。

昨夜は久しぶりに湯に入る、竜が穴を掘り水を流し込んでからブレスで沸かした。

でかい穴だったので泳げたわ。


 食事の後、皆を集めて筏に使う木材を集めにかかる。

とりあえず、筏をひとつ組み上げ斥候を出さなければならない。

近くの林に行き、木を切り倒す。

原生林の木はでかい、手ごろな大きさの木を探すのに苦労は無い。

切り倒した木を馬に引かせ、川岸で組み立てる。

蔦で縛り上げ筏を完成させる。

後は蔦で縄を作る、対岸までの長さが必要なのでかなり時間が掛かる。

準備が終わったのは昼になってしまった、さてどうするか?


「ユリアン、斥候に何人出す。」

「そうさな、5人は要るだろう。」

「そうだな。」

重機屋が来て俺も行くという。

「筏に帆を張ってくれれば、風を作り筏を走らすぜ。」

「おう、それは好い。」


丸太を敷き筏を転がして川に浮かべ、帆柱を立てる。

手馴れた傭兵5人を選び、対岸に向かって送り出す。

重機屋が魔術の風で筏を走らす。


「おう、早いな、もうあんな所まで行ったぞ。」

「魔法か?」

巫女が言う。

「いや、魔術だな。」

「俺には魔法か、魔術かわからんな?違いがあるのか。」

「ガストンには見えんかもしれん、悪魔を呼び使役するのが魔法、自力でやるのが魔術。」

「ファナは?」

「私は神の神気を借りているが、重機屋は魔界の魔気を使う。」

「そうなのか。」

この世界が神が顕現する神界と重なっているが、魔界は異界だと言う。

その昔、人は異界の神、悪魔に出会い魔術を知ったと。

魔力は異界へ通じる通路を空け引き出す、この世界には通常魔気は無い。

悪魔は神との争いを避け、滅多にこちらには出現しない。

魔法魔術を使うものは神の関心を買わないよう、細心の注意を払う。

悪魔は神とは争わない。


 話しながら蔦の綱を送り出していく、筏はもう少しで対岸に着くようだ。

日差しが川面に反射して見難い、水に引き込まれていく綱を見る。


綱の動きが止まった、どうやら着いたらしい。

対岸を見ると空に白煙が上がった、着いた合図だ。


しばらくすると、また少し綱が引かれ止まる。

筏が戻ってくるのが見えた。


「どうだった?」

「向こう岸もこちらと同じで渡るのは大丈夫だ。」

「よし、もう1本綱を渡したい。」


もう1度、対岸へ綱を張る。

2本の綱が張り終わったときには日は傾いていた。


後ろを確認すると木材が積み上がってきている、どうやら順調らしい。

そろそろ、作業をやめ夜営の準備に入ろう。





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