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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

救国天使は堕落したい 前編

作者: ネモ
掲載日:2025/12/02

「いたぞ、必ず捕まえろ。奴を捕まえれば領主から多大な報奨金が出る、逃がすな」




 私を捕まえようとする、たくさんのバウンティハンターたちの怒号が聞こえる。急いで物陰に隠れてやり過ごそうと息を潜める。


「あいつどこ行った。探せ、天使族の奴なら羽と光輪がある。そう狭いところには隠れられんはずだ。」

  この都市で様々な依頼を解決してきたけどまさか最後はこんな仕打ちになるなんてと思う。ただ、私が天使族でお金になるから追いかけてくる。今までばれないように頑張ってきたけどもうだめかな。ここにとどまっていたらまた殺されてしまう。

 バウンティハンターたちが立ち去ったのを見て外套を羽織り、フードを深く被って裏路地を駆ける。表通りでは私の指名手配書が配られてどんどん活動できる範囲を狭めようとしている。どうしてこんな目にと思うが天使族として生まれたことからこうなることはわかっていた。

 一息ついて今日こうなった原因と今後を考える。




 4時間前 11:24 A.M 便利屋アウロラ事務所


 書類が散らかった机に、現在引き受けている依頼を張る真っ白なボード、比較的にきれいな来客用のテーブルと椅子があるが私と空飛ぶ猫とかいう珍しい生物しかいない。便利屋としてこの都市マレルフォリアでは比較的に有名なところである自負がある。けれども何か困ったことがないとこんなところに来る人は少ない。平和である証拠であるが暇なものは暇である。


「はー、暇だねプルケル。最近こんなのばっかだよ。」


「そんなこと言うでない。だいたいもっと外に出ないからであろうぞ」


「そんなこと言って、ほんとはごろごろしたいんでしょ」


「そうじゃけど、最近全然依頼が来ないから来月しんどいぞ」


 いいこと思いついた。思いついたが吉日、すぐさま、行動へ移すことにした。私はソファーに寝転がっているプルケルにそっと近づいて、素早く捕まえた。プルケルは顔に油断が出ていてとても捕まえやすかった。


「うにゃー!何をする。そんなに強く抱きしめるでないぞい」


「ふにゃふにゃ、大丈夫そんなに強くないから」


 やっぱ、モフモフした動物をぎゅってするのは落ち着くね。暴れるプルケルを抑えながら私は考える。いつもそうなんだけど、この狭い世界で私は誰かの役に立てているのだろうか。こんなに人が来ないとネガティブにもなっちゃうよね。


「あいぼー、そんな暗い顔するなって」


「うん、そうだね。ちょっとお茶にしよっか」


「よーし、おいらお菓子取ってくるぞ」


 ニコニコのプルケルはそのまま上に行ってお菓子を取りに行った。二階には私たちの家があってそこにあるお菓子を取りにいったのかな。たしかあんまりなかった気がしたけどもしかして隠してたのかな。

 疑うような考えが浮かんだが、プルケルの顔を思い出してそれはなさそうと思いながら、私はお湯を沸かしてカップを準備していた。


 お湯が沸いて、お茶の準備をやろうとしたときに不意に鈴の甲高い音がして玄関の扉が開いた。お客さん!

 私は急いで玄関まで向かう。久しぶりにお客さんが来て少しうきうきしている。


「お待たせしました。ようこそ、便利屋アウロラへ。何か御用ですか?」


 「人探しをお願いしたい」


 「わ、わかりました。どうぞこちらへ」


 私は扉を開けてあいさついたが、そこにいたのはフードを被った少女?だった。しかも不格好だけどすごく大きな大剣を持っていて何しに行くのって感じ。でもお客さんであることには変わらないからいいんだけどさ。

 私は少女を応接室まで案内する。その間にプルケルにはお茶を用意してもらうことになった。革製のソファーに対面で座り、要件を聞こうとする。ちょこんと座る姿は玄関の印象とは全然違いかわいらしい。無言でスっとお茶を出してくれたプルケルには感謝しないとね。いつもプルケルには依頼人との会話には関わらないようにしてもらっている。以前に失礼すぎることいってから自粛してもらってる。


 「さて、今日はどのようなご用件でこちらにいらっしゃるんですか」


 「玄関でも話した通りある人探しを手伝ってほしい。」


 「なるほど、特徴はどんな姿ですか」


 「奴は背の高い男性、かなり痩せていて、目の隅がひどいはず、武器はボルトアクションライフル。」


 「わかりました、その人の戦闘経験はありますかもしものために知っておきたいです」


 「いいよ、奴は元々ハンターをしていてその猟銃である武器を持っている。だから、相当な腕前を持っていると思われる」


 「なるほどね、ありがとうございます。では、こちらで情報を集めますので1週間ほどお待ちいただけますか?」


 少女は考え込むように顎に手を当てる。幾ばくもない時間の後、私にゆっくりと近づき、少女は衝撃のことを言い始める。


 「私もついて行っていい?」


 上目遣いでこちらを見て目で訴えかける。フードも取れかけて綺麗な青い瞳でこちらを覗いている。どうも、悪いことを考えているようには見えない。あまりの可愛さについ頭に手を当てて撫でてしまった。


 「む、私のこと子供に見てるでしょ?」


 「ごめん、そんなつもりじゃなかったんだけど」

 

 撫でるのをやめて席に戻る。まあ、聞き込みに行くのは一緒でもいいかなとは思ってしまう。


 「残念だけど、情報収集するところには行けないけど周囲へ聞き込みに行く時ならいいよ」


 「ほんと!」


 「もちろん、二言はないってやつだよ」


 「やった」


 嬉しそうに笑顔を浮かべた少女は自分の席に戻った。流されてしまった気がするけど、依頼人の笑顔には打ち勝てないね。

 私は席に座って、一度特徴を整理してみる。えーと、男性で、背が高くて、痩せているとこれくらいならいっぱいいる。けれども、少女曰く猟銃を持っているとのこと。私みたいに懐に武器を隠すためにロングコートを着ているかもね。


 「よし、準備して行きましょうか。少し、準備に時間がかかるのでお待ちいただいてもよろしいでしょうか」


 「うん、」


 「ありがとうございます。」


 私は武器とコートがある事務室に向かい準備を始める。私には若干大きいロングコート、その中にレイピアを隠し持つ。荒事が起きることも考慮して武器をいつも隠し持っている。このレイピアはあまり人に見られたくないし、それに師匠にはこうしろと言われてきた。ちゃんといつも使うメモ帳を持って万年筆を入れて準備オッケー。

 私を待ってくれた少女を迎えに行く。プルケルは……、寝てるか。どうしよう、プルケルはすっごく寝起きが悪くて間違えて部屋で魔法をぶっ放したことがあるからめんどいんだよな~。

 まあ、置いて行っても大丈夫か。変なこと起きなければいい話だし。


 「お待たせしました。準備が出来たので行きましょうか」


 「うん、それと敬語外してほしい」

 

 「それは依頼としてですか」


 「ううん、あなたとは友達になれそう。」


 「仕方ないですね~。そこまで言われたらそうするよ」


 「ありがとう、アウロラさん」


 「じゃあ、行きましょうか」


 私は部屋で寝ているプルケルをたたき起こしに行って大通りへ向かうことになった。



 大通りはたくさんの人によって喧騒を作り上げて、普段と変わらない。いたるところに様々な店があって飲食店が乱立している。もちろん、雑貨を売っているところもあるよ。

 

 「ねえ、アウロラさん。私たちはどこへ聞き込みに行くの?」


 「今日はね、いつも行ってる喫茶店のマスターに聞こうと思うよ。」


 「本当にそこで情報が得られるの?」


 「大丈夫、結構繁盛していると思うからお客さんの話し声が耳に入ってそれが情報源になったりするし」


 「それ、正確な情報じゃない」


 「意外とほんとだったりするし、何より小さな情報をいっぱい集めて検証して、ほんとかどうか確かめるのが私の仕事だから」


 「そっか、大変そうだね」


 「それほどでもないよ」


 大通りを二人で歩いて喫茶店に向かっているときに周りの人がなぜかそわそわしている気がした。何か、変な人でもいたかな?


 「ねえ、そういえばさ、君なんt」


 私が少女の名前を聞こうとした時に大きな爆発音が聞こえてきた。それと同時に数多の人がこちらに駆け出して悲鳴と怒号が飛び交う地獄絵図に変貌した。

 逃げろー、化け物になっちまうなど、ただ強盗がいたとか殺人鬼がいるとかではない。それこそ、集団のテロリストがやってきたみたいな。

 お店を経営している人、ただの通行人、幸せそうなカップルもみんな顔を変えて必死に逃げている。


 「アウロラ、もしかしたら探している奴がいるかも」


 「それ、本当にいる」


 「もちろん、私があいつを追いかけているのは改造した生物を解き放つマッドサイエンティストだから。」


 「なるほどね、周りの人達が化け物とかいってたからあり得る」


 「あなた戦闘経験あるよね」


 「まあね、てかなんでわかったの」


 「それはまた後で、今すぐ現場に行こう」


 「むぅ、わかった。行こうか手遅れになる前へ」


 私は懐からレイピアを取り出して走り始める。後ろから少女もついてきてかなり早く走る。よくついてきているな。

 人の流れに逆らって事件が起きていそうな現場に突入する。


 そこにはテロリストがいたわけではなかった。人でもなく動物とは思えない。ドロドロとしたヘドロのようなものに無数の目と口を持ち分裂しながら周りの建物を破壊し続けている。

 汚物をまき散らしながら周囲を汚染している。あのヘドロに触れてしまったらどうなるか想像に難い。

 周りに逃げ遅れた人たちが怯えて瓦礫の裏に隠れている。いつその瓦礫にヘドロが飛んできて死ぬかわからない。


 「アウロラ!手分けして救助して」


 「わかった、あいつに気をつけてね」


 「うん!」


 あの怪物に理性はないようで安心した。ほんとに無造作に暴れているだけで特定の生物に反応しているわけではなさそう。周囲に人がいるのにあんまりそっちへ興味がなさそう。


 「もう大丈夫ですからね」


 「あ、ありがとうございます。腰が抜けて動けなくって」


 「大丈夫、私が運びますからほら、乗って」


 「本当にありがとうございます!」


 私もちょっとずつ周りの逃げ遅れた人々を助け続ける。もちろん、怪物の動向を探りながらね。いつ、あいつがさらに狂暴化して周りを巻き込みながら動くかわからないから。背負っていた人をおろして元の位置に戻る。まだまだ人がいるから気を抜けない。

 

 そう思っていた矢先、怪物が瓦礫に隠れている小さい女の子に襲い掛かろうとしている。誰も気づいておらず、今私しか助けることが出来ない。でも、私は助けようとするとばれたら本当に死ぬかもしれない。それでも考える暇もなく体は動いていた。


 「テレポーテーション」



 静かに呟き、幼女のもとに舞い降りる。すぐにその場から離れて幼女を守る。今まで隠していた、頭の上の光輪によって周囲の人々は唖然としていた。伝承の天使の登場にみんな私を注目して怪物など考えていなかった。


 「大丈夫、心配しないで、」


 抱きしめた幼女を連れて空を飛ぶ、見渡した時にこちらへ手をふる女性が見えた。たぶん、この子のお母さんだろう。そのまま飛翔して幼女を届ける。すたたたと走りお母さんに抱き着く姿を見て助けてよかったなと思う。だがしかし、すぐにほんわかした状況は遮られる。

 

 (聞き取れないほどの金切り声)


 心が震え、脚が竦む。あの時とさほど変わらない状況に体が竦む。また、すべてを失うわけにはいかない。

 ディバイン・スマイトを放つべく事前準備をしようとする。あの怪物も結局は生物であるから体をずだずたにされたらひとたまりもないだろ。

 魔法を放とうと準備をしていた時、怪物に対して上から火炎を纏ってダイブしてきた。


 「対象の活動停止を確認。只今より、命令に従い天使を捜索いたします。」


 空から降ってきたのはこの都市の近衛兵長アストロ。彼はここの警備を任されていてありえないくらい強い。今の怪物を一撃で仕留めるくらいにはね。でも、ここの領主が天使を探しているという噂を聞いたことがある。彼がもし業務として私を捕まえに来たらひとたまりもない。逃げるしかないか。幸いなことに周囲の人間を見て、頭に輪っかがついていないことを確認している。これならばれずに済む。けれども、手配書みたいなのを目撃情報から作られたらどうしようもない。少女を捕まえてすぐにテレポーテーションで逃げようとする。


 「ちょっと、アウロラなにをする」


 「はいはい、我慢してね」

 

 私は少女を連れてこの場から空を飛んでとんずらする。さらだばーなーんてね。



 人が少なそうな地区に着地してわきに抱えている少女をおろす。なぜか、不服そうなお顔だけどそんなにひどい持ち方したかな。


 「ごめんね、こんな持ち方しちゃって」


 「大丈夫です!それは気にないけど」


 「けど?」


 「あなた、本当に伝承の天使なの」


 「そうだよ、」

 

 俯きながら返事をする。本当は誰にもばれるつもりなんてなかったから。伝承の天使であることと人族でないこと。この2つでこの都市では住めなくなってしまう。正直言って少女が大きなフードを被っているのも察しが付く。この都市では人族以外には恐ろしいほどに厳しい。楽園と謳っているけどそんなの幻想だよ。


 「なんで、初めて会った時に光輪が消えたの」


 「それは、、」


 すっごく話づらいことで私の過去に起因するし、その教わった人が恩人でもある。悩む私に少女は驚くことをいった。


 「あなたとは昔にあったことある気がします。あの救国都市で」


 「え」


 「その外套とレイピアが北の救国騎士団団長のものですから」


 「師匠のこと知ってるの!」


 「ええ、もちろん。私もあの大厄災から逃げ延びた騎士団の一人ですから。、わ!」


 思わず、抱き着いてしまう。自分の胸に少女の頭を埋めてしまう。あの地獄をこんなにちっちゃい少女がいたなんてあの時を思い出すと震えるね。

 あんまり強く抱きしめすぎたのかすぐに離れちゃった。ちょっといい匂いしたかな。


 「まさか、あそこから生き延びた人がいるなんて。ねえ、君名前は」


 「ルミ・フリージド」


 「ルミちゃんね。覚えたよ。私はピスティーア・アウロラ。便利屋の名前は私の苗字からとってるんだ。」


 「そうなんだ。ねえ、ピスティーア、やはりあなたが天使の副団長なの?」


 「うーん、まあちょっと硬いけどいいか。そうだよ、レイピアと外套は救国都市陥落事件の時に受け継いだ。」


 「でも、天使の象徴である頭の輪っかがないけど」


 「あー、それね。師匠に消し方を教わったよ。そうでもしないといろんなとこから天使を食べるために人が集まってくるから。」


 「そっか……、ねえちょっとしゃがんで」


 「んー、いいけどなn」


 何したいのかわからないけどとりあえずしゃがむかと思ったら、話す前に抱かれた。ルミの胸に頭が埋まり、ほのかにいい匂いがする。ぎゅっと優しく、切なく、慈愛に満ちている。私は思わず寄りかかってしまう。なんだかな、こんなちっちゃいのにお母さんみたい。


 「辛かったよね、あの時にたくさんの人が死んで、たくさんの思いが消え去った。」


 「うん、あの時がなかったらどんなに幸せだっただろうって思う時があるよ。」


 「でも、あの時は来た。そして、私たちはまだ生きている。」


 「そして、託された言葉や思いが心に残り。次の人々に託される。」


 「私はまだ果たすことがある。」


 名残惜しいがゆっくりと離れる。ほんのりあった体温は消えて、冬の吹きすさむ冷たい風で覆い隠される。彼女はフードを取ってこちらを見た。その姿は予想通りまだ幼そうな少女であった。特徴的な銀髪に翠眼が煌めく。そして、フードをしていたのは、彼女は人族にはない長い耳があった。


 「やっぱりあなたも、て、うわっ!」


 驚きと納得が同時に襲い掛かってきたと思ったら、ルミの目が鋭くなりいきなり吹き飛ばされた。尻餅をつく形で転んでしまったが、同時に彼女に感謝しなければならなかった。

 音もなく後ろからクロスボウの矢が飛んできたことに私は気づけなかったのだ。殺意に満ちた必ず私を殺そうとしている矢に対して即座に振り向いた。そこには、複数のハンターたちが獲物を見るような目でこちらを見ていた。


 「くそが、外したか。次弾を放て!」


 「させない」


 私から逃げ場をなくすように大量の矢の雨が降り注ぐ。レイピアでは到底捌くことはかなわない。しかし、ルミが大剣とそのアーツによってすべてを燃やし尽くす。


 「助かった。迎撃するよ」

 

 「前は任せて」


 「うん!」


 ルミの手を取り、敵の頭上にテレポーテーションして奇襲を仕掛ける。すぐさま倒すことが出来た。しかし、追手が下から無数に来ている。このままでは埒が明かない。


 「ルミ!こっち来て空飛んで逃げるよ」


 「わかった!」


 走りこんでくるルミを受け取って空に飛ぼうとする。地上で何もできないハンターたちを上から見下ろす。結局ここでも命を狙われる羽目になってしまった。また違う場所に行かなければならない。

 逃げ切った気持ちになっていた。そんな、私たちを叩き落すための火柱が飛んでくる。


 「あっぶなーい!」


 空中制御が上手くいかなくなり、地面へ墜落しそうになる。危うく地面へ激突しそうになったが何とか着地する。この魔法はアストロさんの魔法かな。


 「ふむ、ジャミングは効果がありそうだな」


 「報告致します。天使と指名手配犯は現在逃走中。複数部隊が追い掛けているとのことです。」


 「そうか、命令では生死はとはないとのことだ。確実に捕まえるために私も出動しよう。」


 「わかりました。」


 炎の羽を纏い空を飛び、追跡を始める。うへ~、バレなくてよかった。物陰に姿を隠してかつ認識阻害を蒔きながら隠れる。

 

 「危なかったー。でもこれじゃあ飛んで逃げれなさそう」


 「なんで飛べないの?」


 「ジャミングって言って特定の魔法、アーツを無効化しちゃうやつがあるの対象が狭いほど強くなる。多分今回のは設置型で、かつ聖の魔法に絞っていると思う。」


 「なるほど。今回のは聖の魔法かつ飛行に絞ったからピスティーアが飛べなくなっちゃった」


 「そういうことだよ。」


 「認識阻害ってなんの魔法なの?」


 「これはね。」


 空を飛んで逃げることはできない。なんかあったときにいつも使っている逃走手段が使えないからこっそり脱出するしかないか。

 でも、近くにハンターたちの声が聞こえる。もしかしたら、近衛兵たちと争ってくれるかもしれないから倒すのはやめといたほうがいいかな。それに位置をばらす羽目になりそう。


 「静かに。ゆっくり逃げるよ。」


 「わかった」


 認識阻害を突破するほどの術者がいないことを気にこっそりとこの場から離れる。一息ついてこれからのことを話そうとする。


 「ねえピスティーア、私と一緒にこの都市から逃げよ。」


 「いいよ、けどプルケルを回収しにいかないと」


 「あの子は何者なの」


 「まあ、救国都市から逃げ延びたときに拾った子。可愛いだけじゃなくて私のレイピアのメンテナンスをしてもらっているからね」


 「すごいね、ちっちゃい猫なのに。」


 「あの子は変異者の祖先だと思うんだけど何者なのか自分でもわからないらしいからね」


 「そっか、あの子を回収するの私もついていく。」

 

 「ありがとね。あとごめん。こんなことに巻き込んじゃって」


 「ん」


 認識阻害を蒔きながらこの場から逃走して私の家を目指そうとする。道中でハンターや近衛兵がいたけど私たちのことは見つけれらなかった。まあ、本当に強い奴じゃないとバレないから心配していないけど。


 無事に家について急いで家に入る。プルケルはさすがに起きていると思うけど。


 「私は、外で見張りをしているね。」


 そういってルミは外で待ってくれているからすぐに見つけて脱出しないと、たくさんの思い出が家にあるけどこんな緊急事態なら捨ててでも逃げなきゃ。


 妙に散らかっている部屋が気になるが、そんなことを気にしていては追いつかれてしまう。一瞬誰かが来て私を捜索しているのかと思ったけど見た感じいなさそう。

 急いでプルケルが寝ているであろう部屋に駆け寄る。するとそこには、ぐっすりそうなプルケルがいた。ほんと、外での騒ぎが止まらないのに寝ているのはほんとに図太いなあ。プルケルをもって外に出ようとしたが、寝ているわけではなくて気絶していることに気が付いた。


 気が付いた時には恐ろしいほどの立ち眩みと視野狭窄によって立つことが困難になる。そっか、そうだよね。家にすんなり入れたのは罠で、、



 


 いい検体が手に入りそうだね。天使は一体どんな味がするのかなぁ。

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

良ければ感想や評価お願いします。後編は一週間以内に出す予定です。

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