《スカイツリーダンジョン編:第二層 ― 灰の森林/戦いの後で》
地上に戻った瞬間、張り詰めていた緊張が一気にほどけた。
ダンジョン管理課のゲートを抜け、陽の光を浴びる。
「……生きてるな」
誰ともなく、そんな言葉が漏れる。
第二層ボス討伐。
それは、探索者として一段階上に進んだ証だった。
■ 管理課での鑑定
ボスドロップは、そのまま管理課へ持ち込まれた。
勝手な鑑定や使用は禁止されている。
職員が慎重にケースを開く。
「確認します。
魔石一、希少素材二……そして――」
最後に残ったのが、
あのスキルロールだった。
鑑定メガネ越しに、職員の表情が変わる。
「……間違いありません。
高位スキルロールです」
周囲が、ざわついた。
「効果は?」
「正式鑑定が必要ですが……
守戦士系の強化スキルである可能性が高いですね」
視線が、自然と俺に集まる。
(……俺向け、か)
■ 分配の話
個室に移り、パーティで向き合う。
「これは……あなたが持つべきだと思う」
弓使いが、迷いなく言った。
「前に立って、
一番危険な役を引き受けてたのはあなたです」
剣士も、頷く。
「異論はない」
後衛も、同意した。
一瞬、言葉に詰まる。
「……いいのか?」
「だから、勝てたんだよ」
その一言で、胸の奥が熱くなった。
「……ありがとう」
スキルロールを受け取る。
まだ使えない。
だが、その重みは確かだった。
■ 変わる評価
管理課を出たあと、気づく。
視線が、違う。
好奇心。
警戒。
そして、わずかな尊敬。
「……もしかして、あの人」
囁き声が、背後から聞こえる。
第二層ボス討伐。
その事実は、想像以上に重い。
(……もう、無名じゃない)
それは、嬉しさよりも責任を伴う感覚だった。
■ 守戦士としての次
夜、装備を外しながら考える。
第二層は、越えた。
だが、世界はそこで終わらない。
第三層。
上級職。
そして、まだ明かされていない職業の秘密。
スキルロールを手に取り、静かに息を吐く。
(……選択を、間違えないように)
前に立つ者として。
守戦士として。
次に進む準備は、もう始まっている。
第二層クリア後の鑑定・評価変化回でした。戦闘そのものではなく、「勝った結果、世界からどう見られるようになるか」を描いています。ボスドロップの高位スキルロールは、今後の成長や職業分岐に直結する重要な鍵になります。




