表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/60

《スカイツリーダンジョン編:第二層 ― 灰の森林/ボス戦・開幕》

 灰の森林の奥は、明らかに異質だった。

 木々は途中から枯れ、地面は踏みしめるたびに粉塵のような灰を舞い上げる。


 空気が、重い。


(……間違いない)


 ここが、第二層ボスの領域だ。

■ ボスの出現


 魔力の渦の中心で、地面が盛り上がった。


 灰が崩れ、

 骨のような外殻を持つ巨体が、ゆっくりと姿を現す。


《灰森のアッシュ・ガーディアン

危険度:高

特性:範囲攻撃・召喚・耐久特化


「……でかいな」


 剣士が息を呑む。


 第一層ボスとは比べものにならない存在感。

 ただ立っているだけで、周囲の魔力が歪む。


(耐久型……長期戦だ)


 俺は一歩、前に出た。

■ 開幕の一手


「……俺が引く」


 短く告げ、《挑発》を発動する。


 胸の奥から、魔力が一気に引き抜かれる感覚。

 SPが、目に見えて削られる。


 だが――


 灰森の主の空洞のような眼窩が、こちらを向いた。


 敵意が、完全に俺に集中する。


「来るぞ!」


 次の瞬間、

 地面から灰の腕が突き出した。


 咄嗟に盾を構える。


 衝撃。

 重い。

 想像以上だ。


 だが、踏みとどまる。


(……受け切れる!)

■ パーティの連携


「今だ!」


 俺の合図で、後衛が一斉に動く。


 魔法が外殻を削り、

 弓の矢が関節部を狙う。


 剣士は、俺の死角から回り込み、

 確実に一撃を入れて離脱する。


 理想的な動きだ。


(……ちゃんと、噛み合ってる)


 守戦士として、

 前に立つ意味を、はっきりと実感する。

■ 予想外の展開


 だが、第二層ボスは甘くなかった。


 灰森の主が、低く唸る。


 次の瞬間、周囲の灰が一斉に動いた。


「召喚……!」


 灰牙狼。

 数は――五体以上。


 後衛が息を呑む。


(……来たか)


 想定内だ。

 だが、厳しい。


 俺は歯を食いしばり、再び《挑発》を使う。


 SPが、さらに削られる。


 だが、敵意は逸れない。


 ボスも、取り巻きも、

 すべてがこちらを見る。


「全部、引き受ける!」


 声が、自然と大きくなる。

■ 守戦士の限界


 攻撃が、重なる。

 盾越しに、骨に響く衝撃。


 防御は間に合っている。

 HPも、まだ余裕がある。


 だが――

 SPが、きつい。


(……長引いたら、持たない)


 それでも、下がらない。


 下がった瞬間、後ろが崩れる。


(前に立つってのは……こういうことだ)


 怖い。

 苦しい。

 それでも、立つ。

■ 仲間の声


「大丈夫!?」


「まだいける!」


 後ろから飛んでくる声が、支えになる。


 魔法が、召喚された魔獣を一体ずつ削る。

 弓が、確実に仕留めていく。


 剣士が、短く叫んだ。


「……主の動き、鈍ってきた!」


 確実に、効いている。

■ 前半戦・終了


 灰森の主が、一歩下がった。

 完全な撤退ではない。


 だが、確実に“効いている”反応。


(……まだ終わらない)


 これは、前半戦だ。


 ボスは、まだ切り札を残している。


 俺は盾を構え直し、息を整える。


 守戦士として、

 ここからが本番だ。

第二層ボス戦の開幕・前半戦でした。挑発による敵意集中、召喚への対応、そしてSP管理――守戦士の役割と限界をはっきり描いた回です。次回はボスの本気、パーティ崩壊寸前の局面、そして主人公の決断へと進みます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ