表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/60

《スカイツリーダンジョン編:第二層 ― 灰の森林/前に立つ者》

 第二層ボスの気配が確認されてから、三日。

 パーティは、ダンジョンに入らなかった。


 理由は単純だ。

 準備が、足りていない。


 勢いで挑める相手ではない。

 第一層ボスとは、格が違う。

■ 作戦会議


 管理課の貸しスペース。

 簡易テーブルを囲み、四人で向き合う。


「想定されるのは、広範囲攻撃か召喚系ですね」


 後衛の魔法使いが資料を広げる。


「灰の森林ってことは、地形利用もありそうだな」


 剣士が腕を組む。


 弓使いは静かに言った。


「……一番狙われるのは、前衛だよね」


 視線が、俺に集まる。


 逃げ場はない。

 だが、迷いもなかった。


「俺が、全部引き受ける」


 挑発で敵意を集める。

 位置を固定する。

 致命打は、後ろに任せる。


 守戦士として、最も正しい役割だ。

■ 装備と補給


 作戦が決まれば、次は準備。


 ポーションは多めに。

 特に、即効性の高いものを優先する。


 防具は、重さより安定性。

 動けなくなったら、意味がない。


(……足りないな)


 そう思った瞬間、気づく。


 足りないのは、装備じゃない。


 覚悟だ。

■ 一人の夜


 その夜、俺は一人で剣を手入れしていた。

 刃に映る自分の顔は、以前より落ち着いて見える。


 第一層の頃は、

 生き残ることで精一杯だった。


 今は違う。


 誰かを、後ろに置いて戦う。


 守戦士とは、そういう職業だ。


(……怖くないわけじゃない)


 だが、逃げたいとも思わない。


 前に立つと決めた。

 それだけで、十分だ。

■ 出発前


 翌朝。

 ダンジョン入口前で、全員が揃う。


「……無理だと思ったら、即撤退で」


「了解」


「合図は、あなたに任せます」


 最後に、弓使いが言った。


「前、頼みます」


 その一言が、胸に響く。


「任せて」


 短く答え、俺は先頭に立った。


 灰の森林の奥。

 魔力が、はっきりと渦を巻いている。


 第二層ボスは、もう待っている。

今回は第二層ボス戦直前の準備回でした。作戦・装備・心構えを整理し、主人公が「前に立つ者」として覚悟を固める回です。次はいよいよ第二層ボス戦本編。守戦士と挑発が本当の意味で試されます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ