表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/60

《スカイツリーダンジョン編:第二層 ― 灰の森林/守戦士の再定義》

 第二層から戻った翌日、俺はダンジョンに入らなかった。

 代わりに、管理課の掲示板と資料室を往復していた。


(やっぱりな……)


 第二層での事故報告。

 共通点ははっきりしている。


 ソロで突っ込んだ探索者ほど、撤退か重傷が多い。


 第一層とは、設計思想が違う。


 あそこは「慣らし」。

 第二層は「役割」を要求してくる。

■ 守戦士の弱点


 自分の戦闘ログを見返す。


 ・防御力は足りている

 ・HPも問題ない

 ・だが、戦場を制御できていない


 敵が散る。

 背後を取られる。

 複数を相手にすると、対応が遅れる。


(挑発があるのに、使えてない)


 理由は明確だ。

 職業レベルが低い。


 SPにも、余裕がない。

■ 第一層での“訓練”


 結論は単純だった。


「……戻るか」


 第一層へ。


 すでに攻略済みの階層。

 だが、今の目的はドロップでも経験値でもない。


 職業としての動きを固めること。

■ あえて、受け続ける


 影狼、影蟲、影鼠。

 弱い魔獣ばかりだ。


 だが、俺は倒しに行かない。


 正確には――

 すぐには倒さない。


 影狼の攻撃を受け、体勢を崩さずに耐える。

 影蟲の連携を、位置取りで分断する。


 逃げない。

 追わない。


(……こうか)


 守戦士は、「壁」じゃない。

 重りだ。


 敵を自分の周囲に縛り付ける存在。

■ 初めての《挑発》


 ある程度、感覚が掴めてきたところで、

 俺はついに《挑発》を使った。


「……来い」


 魔力が声に乗る。

 派手なエフェクトはない。


 だが、影狼たちの視線が、一斉にこちらへ向いた。


(これか……)


 重い。

 想像以上に、SPを食う。


 だが、敵が“逃げない”。


 自分だけを見る。


 受ける。

 耐える。

 崩れない。


 数体をまとめて相手にしても、致命傷はない。

■ 職業レベル上昇


 戦闘の終わり。

 体の奥に、確かな変化が走った。


《職業【守戦士】のレベルが上昇しました》

《防御補正 上昇》

《挑発効果 微強化》


「……やっとだな」


 これで、第二層に“挑める”最低ラインに立った。


 完璧じゃない。

 だが、逃げ回る段階は終わった。

■ 次に必要なもの


 ダンジョンを出て、夕暮れの街を歩く。


(次は……一人じゃないな)


 第二層は、役割を要求する。

 なら、応えるしかない。


 守戦士。

 前に立つ者。


 その役割を、必要とする場所は――

 確実に、ある。

今回は地味ですが重要な「職業再構築回」です。第二層で通用しない理由を整理し、守戦士という職業を“壁”ではなく“戦場を縛る存在”として再定義しました。《挑発》がようやく実戦投入され、次からは本格的に第二層を攻略する準備が整います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ