表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/60

《スカイツリーダンジョン編:第一層 ― 影の回廊/三本目、四本目》

 三本目のスキルロールを狙う探索は、前回からさらに間を空けて行われた。

 連日の潜行は避け、二日休み、一日入る。そのリズムを崩さない。


 理由は単純だ。

 集中力と運は、疲労とともに確実に落ちる。


 今日の目的は明確だった。

 戦利品の量ではない。

 スキルロール、その一点。

■ 狩場の変更


 これまでの下層通路ではなく、俺は少しだけ奥――

 魔力が濃く、魔獣の入れ替わりが激しいエリアを選んだ。


 危険度はわずかに上がる。

 だが、その分ドロップテーブルも変わる。


「……ここだな」


 現れたのは、影狼と影蟲の混成群。

 単体では弱いが、連携されると面倒な相手だ。


 慎重に立ち回り、一体ずつ確実に仕留める。

 派手な技は使わない。

 無駄な消耗を避ける。


 戦闘は淡々と進み、気づけば一時間半が経過していた。


(……まだか)


 スキルロールは、狙って出るものではない。

 それでも、狙わなければ一生出ない。


 そして――

 影狼を倒した直後、足元に落ちた光が、明らかに違った。

■ 三本目のスキルロール


 鑑定が、ほぼ反射で走る。


【スキルロール:耐久強化(Lv1)】

分類:パッシブ

効果:最大HP微増

必要SP:3


「……これも、悪くない」


 身体強化と耐久強化。

 方向性が揃ってきた。


 前衛職向きの構成。

 剣術基礎とも噛み合う。


 職業を取る前段階としては、理想に近い。


 だが――

 今日はここで終わらなかった。

■ 四本目は、想定外の場所で


 三本目を入手してから三十分ほど経った頃。

 帰還を意識し始めた、その時だった。


 通路の壁際、影が妙に濃い場所。

 影蟲が溜まりやすい、嫌なポイントだ。


(最後に一掃してから戻るか)


 軽い判断だった。

 だが、それが結果的に正解になる。


 影蟲をまとめて倒した直後、床に落ちたのは――

 細く、黒縁のあるスキルロール。


 鑑定結果を見た瞬間、俺は息を呑んだ。


【スキルロール:集中力強化(Lv1)】

分類:パッシブ

効果:戦闘時の判断精度向上

必要SP:2


「……当たり、だな」


 派手さはない。

 だが、このスキルは“地味に効く”。


 長時間探索、連戦、判断速度。

 すべてに影響する。


 しかも必要SPが軽い。


 これで――

 一つ、二つ、三つ、四つ。


 職業取得まで、あと一つ。

■ 欲が出る前に、引く


 四本目を手にした時点で、俺は即座に決断した。


「今日は、終わりだ」


 欲張ると、ろくなことがない。

 五本目を今日中に狙うのは、明らかにリスクが高い。


 ダンジョンを出て、換金を済ませ、身体を休める。

 次は――

 “職業を取るための一本”だ。


 地上に戻る頃には、空はすっかり夜に染まっていた。


 だが、心は不思議と軽い。


(もう、ここまで来た)


 職業は、確実に射程圏内に入っている。

今回は三本目・四本目のスキルロール入手回でした。構成が明確に「前衛向き」に寄り始め、主人公自身も進む方向を自覚し始めています。ここまで来ると、次の一本は単なるアイテムではなく「選択」になります。次回はいよいよ五本目、職業取得直前の回に入ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ