表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/50

《スカイツリーダンジョン編:第一層 ― 影の回廊/スキルロール集め》

 職業の石盤を読んだ翌日、俺は目的をはっきりと定めて再びスカイツリーダンジョンへ入った。


(今やるべきことは一つだ)


 スキルロールを集める。


 職業を得るには、同系統のスキルロールを五つ。

 だが石盤を読んで分かった通り、これは単なる運試しではない。

 狙って集めるには、時間と場所、そして倒す魔獣を選ぶ必要がある。


 第一層の下層部。

 影の回廊でも、魔力が比較的安定している区画を俺は選んだ。


 理由は単純だ。

 このあたりに出現する魔獣は弱く、数も多い。

 ドロップ率は約三割。

 長時間探索すれば、いずれスキルロールに辿り着く。


 焦らない。

 今日は「戦う日」ではなく、「集める日」だ。

■ 影蟲と影鼠


 最初に現れたのは、影蟲。

 壁や床を這う小型魔獣で、攻撃力は低いが数が多い。


 鑑定を走らせる。


《影蟲》

危険度:低

ドロップ:魔石(小)・外殻・劣化スキルアイテム


 一体ずつ、確実に倒す。

 剣を振るう動作も、もう迷いがない。


 数を重ねるうちに、身体の動きが自然と洗練されていくのを感じた。

 これもまた、経験値だ。


 影蟲を七体倒したところで、光が落ちた。


・魔石(小)

・影蟲の外殻

・劣化スキル付与アイテム「暗視(Lv1)」


「……まあ、こんなもんだよな」


 劣化スキルは売却用だ。

 政府のダンジョン管理課がまとめて買い取ってくれる。

 額は小さいが、積み重なれば馬鹿にならない。


 続いて影鼠。

 動きは素早いが、耐久は低い。


 十体ほど狩った頃、ようやく“違う光”が落ちた。


 細長い紙片。

 巻物状のそれを見た瞬間、心拍が跳ね上がる。


「……来た」

■ 初めて狙って拾ったスキルロール


 鑑定を即座に発動する。


【スキルロール:身体強化(Lv1)】

分類:パッシブ

効果:基礎筋力・耐久微増

必要SP:2


「……当たりだ」


 派手ではない。

 だが、確実に“職業向き”のスキルだ。


 パッシブ系スキルは常時効果を発揮する分、SP消費が重くなりがちだが、Lv1なら問題ない。

 将来的にも腐らない。


 今日はこれで十分だ。

 だが、まだ時間はある。

■ 長時間探索と現実


 探索を続け、二時間が経過した頃。

 ようやく二本目のスキルロールが落ちた。


【スキルロール:剣術基礎(Lv1)】

分類:パッシブ

必要SP:3


 これで二つ。

 だが、ここで俺は実感する。


(……やっぱり、簡単じゃないな)


 スキルロールは希少だ。

 二時間探索して一本見つかれば良い方。


 職業に必要な五つを集めるには、最低でも数十時間。

 運が悪ければ、もっとかかる。


 だが、不思議と焦りはなかった。


 石盤を読んだことで、道筋が見えたからだ。

■ 引き際と帰還


 今日は深追いしない。

 三本目を狙う誘惑を断ち切り、俺は出口へ向かった。


 ダンジョンを出たら、買い出しと休息。

 そして、数日後にまた潜る。


 この繰り返しが、探索者の日常だ。


 地上へ戻ると、空は夕暮れ色に染まっていた。


 ダンジョン管理課でアイテムを換金し、最低限の収入を確保する。

 派手さはない。

 だが、確実に前へ進んでいる。


(次は……五つ目を見据えた探索だな)


 職業は、もう“夢”ではない。

 手を伸ばせば届く場所にある。

今回はスキルロール集めに焦点を当てた回でした。職業取得の条件が明確になったことで、探索の目的が「生き延びる」から「積み上げる」へと変化しています。地味で時間のかかる作業ですが、この積み重ねこそが後の大きな差になります。次回は、さらに踏み込んだスキル厳選、もしくは職業取得を意識した魔獣選びの回を書く予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ