《スカイツリーダンジョン編:第一層 影の回廊/本当の探索開始》
翌朝。
テントの中に広がる柔らかな朝の光は、ダンジョン内の常闇とはまるで異なる温かさを持っていた。内部拡張と魔獣避けフィールドのおかげで、身体の疲れは驚くほど残っていない。
「よし……二日目開始だ」
簡単な朝食を取り、装備を確認し、ストレッチを済ませる。アイテムボックスの便利さを改めて実感しながら、主人公はテントを収納して再び第一層の回廊へと足を踏み出した。
●新たな魔獣との遭遇
昨日より奥へ進むと、出現する魔獣に変化が見えてきた。
今日現れたのは――
〈ラビット・ソルジャー〉
黒い兎のような姿をしながら、腕には硬質化した骨の刃を生やした亜人型の魔獣。
スカイツリーダンジョンの序盤でよく目撃される、弱いが敏捷性の高い魔獣だ。
「速い……けど、昨日より対応できる」
主人公は昨日より明らかに動きが良かった。レベルが上がり、ステータスが微細ながら底上げされているのを体感できる。
跳ねるように距離を詰めてくるラビット・ソルジャーの首元に、主人公の木剣が鋭く走った。
――ズシャッ!
魔獣は闇の霧へと崩れ落ち、足元にアイテムが転がった。
[魔石(小)]×1
[劣化スキル:俊敏小UP★](アクティブ/耐久3回)
劣化スキルアイテムはスキルロールには及ばないが、使い切りの強化バフとして冒険者には重宝される。
「今日もちゃんと落ちるな……運が良い方か?」
このワクワク感は、まさにダンジョン探索の醍醐味だった。
●さらに奥で、想像もしなかった拾い物
探索開始から三時間。
ついに“アタリ”が来た。
倒したゴブリンウルフが霧になった後、地面に転がったのは――
スキルロール。
「うそ……二日目で、また出たのか」
スキルロールは、運が良くても 2~3時間に1個見つかれば奇跡 と言われるほど希少。
しかも内容を鑑定すると……。
【スキルロール:剣術基礎Ⅰ(アクティブ)】
剣を扱う全ての一般職に必要とされる、正統派の入門スキル。
本来なら新人冒険者が数十万円から百万円単位で買うようなものだ。
昨日の鑑定に続いて、今日もこんな強運……主人公は思わず笑ってしまう。
「……もしかして、俺、けっこうヤバい運を持ってる?」
●さらに深部へ
その後も魔獣との戦闘は増えていき、主人公のレベルはまた1つ上昇。
ステータスが少しずつ強化され、魔獣への対応もスムーズになっていく。
しかし、今日は“ボス部屋には入らない”と決めていた。
目的は アイテム収集と経験値稼ぎ、そして テント泊の練習 だ。
そのため、ボス部屋の手前――巨大な鉄製の扉が見える位置で探索を切り上げることにした。
●ダンジョンを出る
帰り道は昨日よりずっと短く感じた。
魔獣の動きも読みやすく、テントの恩恵も大きかった。
地上へ戻ると、夕方の空気がひんやりと頬を撫でた。
「今日も生還……よし、買い取りだ!」
●買い取り所へ
政府直轄の ダンジョン管理課 買取窓口。
冒険者たちが行列を作る場所だ。
鑑定メガネを使った職員が、主人公の成果物を次々と確認していく。
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《今日の収穫》
・魔石(小) ×8
・魔獣の部位(牙・毛皮など) ×5
・劣化スキルアイテム ×2
・スキルロール「剣術基礎Ⅰ」
担当職員がスキルロールを見た瞬間、目の色が変わった。
「お、お客様……これ、売却されますか?」
「今日は売らずに保管しておきます」
本職の冒険者なら売って装備費にするところだが、主人公はアイテムボックスを持っている。
持ち帰り保存が容易という圧倒的アドバンテージがあるのだ。
最終的に――
本日の売却額:
合計 178,000円
二日目にしては破格の稼ぎだった。
●買い出しと休息
所持金が増えた主人公は、近くの冒険者向けショップへ向かう。
今日の買い物は――
・保存食(ダンジョン内3日分)
・水パック
・新品の火打ち石
・簡易メンテナンスキット
・ポーション(回復・小)×2
まだまだ装備を更新するには早い。
しかし、ダンジョン内で生活するための準備は着々と進んでいた。
「明日は……どうするか」
今日は疲労も溜まっているし、鑑定とアイテムボックスの練習も必要。
主人公は二日ほど休息し、身体を整えてから再度ダンジョンへ向かうことに決めた。
二日目の探索で主人公はスキルロールを再び入手し、運の高さと鑑定・アイテムボックスの恩恵が大きく働き始めました。これからダンジョン生活を本格化させていくため、数日の休息と準備期間に入ります。次回は「ダンジョンに入る前の準備編」として、より高度な装備やテントセットの拡張、アイテムボックスの応用などを描きます。お楽しみに!




