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◆第6日目 スカイツリーダンジョン探索(続き)

目を覚ますと、テント内部の柔らかな光が淡く揺れていた。

内部拡張テントは、魔獣避けの効果がある上に、空間が広く湿気も少ない。

これだけでもダンジョン泊まりがどれほど快適になったか、昨日の自分に見せてやりたい。


ストレッチをし、軽く朝食の栄養バーをかじると、俺は新しい日課となった“アイテムボックスLv10”の確認を行う。

アイテムボックスの分類機能は自動整理の精度が異常に高い。魔石、魔獣素材、スキルロール、生活用品に加え、昨日手に入れた装備類も、きっちりタグ付けされて整頓されていた。


「……よし、今日もやるか」


装備を整え、7層の奥へと進む。

◆7層:魔猿ゴブリッツ・モンキー


廊下の先、天井の高いフロアに入ると、カサカサという小さな音が四方から響く。


「キィッ!」


姿を現したのは、物語に出てくるゴブリンとサルが合体したような魔獣――

ゴブリッツ・モンキー

昨日のスライムよりは確実に強いが、特別危険というほどではない。


だが、こいつらは跳躍力が高く、集団で襲う傾向がある。


背後から1匹が飛びかかる。

すでに「気配察知Lv2」に上がった俺は容易に反応できた。


「っと!」


短剣を振り返りざまに叩きつけ、続いて真正面から突っ込んできた2匹へ低空スライディングで間合いを切る。


――ここだ。


昨日覚えたばかりのアクティブスキルを発動する。


突槍スラスト》Lv1


足元から力が爆発するように前へと推進し、短剣の切っ先がゴブリッツ・モンキーの胸部を貫いた。


「キィッ!?」


勢いよく弾け飛ぶように倒れ込む魔猿。


レベルアップ音が脳に響く。


《レベル4 → レベル5》

突槍スラスト》熟練度上昇

SP+3


順調だ。

魔石も数個拾える。弱い魔獣なので単価は低いが、積み重なれば馬鹿にならない。


30分ほど探索したところで、3割ドロップのアイテムが落ちているのを確認した。


「お、素材か……いや、これはスキルロール?」


拾い上げると円筒状の紙が軽く震える。


《パッシブ:俊敏強化(Agアップ)》


悪くない。

パッシブ系は強化幅が大きいほどSPを要求するが、俊敏系は序盤の扱いやすさが魅力だ。


鑑定スキルで詳細表示すると、Lv1で効果は小さいが成長率は高いタイプだとわかった。


「いいね……育てがいがある」


こうして7層の探索を終え、休憩のためテントに戻る。

◆休憩とステータス整理


内部拡張テントに戻り、俺はアイテムボックスを開く。


「今日の収穫は……魔石が小8、中1、ゴブリッツの爪と毛皮。

スキルロール1本」


まずまずの成果だ。


俊敏強化のスキルロールを使用し、SPを消費して開放する。


《俊敏強化Lv1》

必要SP:5(残SP:12)


次の階層ではもっと激しい動きが要求される可能性がある。

俊敏が上がるだけで、生存率はかなり変わる。


水を飲み、軽食を摂ってから、俺はテントを片付け再び階段を下りる。

◆8層:羽根トカゲ《ハーピー・リザード》


8層に入ると空気が変わった。


壁沿いの岩肌は鋭く、ところどころに風が吹き抜ける穴があいている。まるで洞窟型のステージだ。


「ヒュゥ……ヒュウゥゥ……」


風に紛れて、甲高い鳴き声が混じる。


上を見ると、洞窟の天井を滑空する影――

鳥の翼を持つトカゲ、ハーピー・リザードだ。


「こいつら、めんどくさいな」


近接武器では当てづらい。

だが、降下してくる瞬間を狙えば倒せる。


1匹が急降下してくる。

俊敏強化とスラストを組み合わせ――


「――っし!」


短剣の突きがちょうど急降下してきた胸元を捉える。


羽ばたきが止まり、ハーピー・リザードが落下する。


『ドロップ判定……っと、よし』


落ちたアイテムを拾うと――光沢のある薄皮だった。


《ハーピー・ファインスキン》

用途:軽鎧素材(皮革加工スキルLv3以上)


素材価値は高い。

皮革加工職人は数が少ないので、管理課の買い取り価格も期待できる。


2時間ほど探索し、目標だった“8層の入口までのルート確立”を終えた。


魔石が合計20個以上、素材5種、スキルロールは追加で1本。


テントに戻り、俺は深く息を吐いた。


「今日はここまでだな……」


そして地上へ戻る。

◆スカイツリー地上:管理課への売却と買い出し


ダンジョンから出た瞬間、東京スカイツリーの展望ロビーに設置された“ダンジョン管理課”の喧騒が耳に飛び込んできた。


「はい次の人~! 魔石の査定します!」


「素材のランクを拝見しますね~」


「スキルロールの買取依頼の方、こちらにどうぞ!」


人は多いが、流れはスムーズだ。

政府直轄の管理課は、冒険者の安全を守るために組織された――という建前はさておき、実際は国家がダンジョン資源を回収するための機関でもある。


俺は受付に素材を並べる。


「はいはい、今日は素材も多いですね。

魔石小 ×20、中×3、ハーピー素材×5……スキルロールは査定に30分ほどかかります」


合計金額は――


『12万4000円』


悪くない。


「これで生活用品と食料補充、あと消耗品も買えるな」


買い出しの定番となった冒険者ショップに寄り、保存食、水、矢じり、包帯、テントの修繕キットなどを購入。


金額は2万円弱。

まだ十分に余裕がある。


帰路につきつつ、俺は今日の成果を思い返した。


レベル5。

常設スキル2つ。

素材の利益も安定。


徐々に、これが“冒険者の生活リズム”になっていく。


次は9層。

いよいよ“中級魔獣”の出現階層に差し掛かる。


胸が高鳴った。


――そして、次の日もスカイツリーダンジョンに潜ることになる。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

今回は主人公が安定してダンジョン生活に慣れていく様子を重点的に描きました。内部拡張テントやアイテムボックスLv10の恩恵が本格的に効き始め、冒険者としての“日常”が立ち上がってきています。次回はついに中級魔獣との初接触。戦闘難度が跳ね上がり、スキル選択や装備の重要性も高まるので、より緊張感のある展開をお届けします!

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