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《スカイツリーダンジョン編:第一層・影の回廊 ― 二度目の深部探索(続き)》

翌朝、主人公はアイテムボックスの内部空間に柔らかな光が差し込む感覚で目を覚ました。

実際には外は薄暗いダンジョン内のままだが、アイテムボックス内は“時間の流れの影響を受ける”という特性があり、内部の照明結晶が睡眠周期に合わせて光量を調整するため、自然な朝が訪れる。


「……今日こそ、第一層の深部まで行く」


軽く伸びをし、昨日まとめておいた荷物を再確認する。

ポーションの本数、食料、予備のナイフ、替えの手袋。

そして何より重要なのは──昨日拾ったばかりの スキルロール《気配察知パッシブ・Lv1》。


鑑定レベル10で詳細が全て読み取れたおかげで、主人公は迷いなくそのスキルを習得していた。


気配察知パッシブLv1

範囲 5m

周囲の生命反応が“ぼんやりと”分かる

消費SP:5(常時)


SPにはまだ余裕があったため、影の回廊での遭遇戦が格段に楽になる見込みがある。


「よし、行こう」


主人公はアイテムボックスを閉じ、スカイツリーダンジョン第一層の入口近くに設置していた“魔獣除けテント”の内部拡張空間から外へ出た。

テントはアイテムとして収納し、軽く息を整える。

◆ 第一層:影の回廊 ― 二度目の侵入


「本日も探索、行ってきます」


管理課の受付に挨拶し、探索開始の記録を取る。

レベルは昨日より1だけ上がって Lv3。

下層の弱い魔獣でも、積み重ねれば確実に成長する。


影の回廊に足を踏み入れると、すぐに気配察知が反応した。


──トク、トク、トク。


「……前方に三体、小型の魔獣」


昨日までは“ギリギリまで引き寄せて姿を確認してから対処”していたが、今日は違う。

先に敵がどこにいるか分かるだけで、心理的な余裕は桁違いだ。


現れたのは “シャドウラット”。物語「ハーメルンの笛吹き男」をモチーフにした、影に紛れる黒鼠だ。


昨日よりも主人公の動きは明らかに鋭い。

回避し、ナイフを滑り込ませ、三体のシャドウラットを短時間で処理する。


地面にアイテムが転がった。


● 魔石(小)×1

● シャドウラットの牙

● ???(劣化スキル付与アイテム)


「……劣化スキルアイテムか。昨日より運がいい」


鑑定すると名前だけが分かる。


《牙の低級強化(劣化)》

> ナイフ系武器に使用するとわずかに攻撃力上昇


それでも売却すれば1〜3万円。

第一層としては十分な成果だ。


魔石と素材をアイテムボックスに放り込み、主人公はさらに奥へ進む。

◆ 魔獣との戦闘と成長


午前だけで6戦。

ドロップは2つ──ほぼ3割の確率通り。


● 《スキルロール:体力強化パッシブLv1》

● 魔獣素材数点


「今日のスキルロール運、悪くない……!」


体力強化は非常に汎用性が高く、SPの消費も軽い。

レベルが上がると耐久力が段違いになる。


そのまま習得して、SPを計算する。


現在SP:30

気配察知:5

体力強化:3

残りSP:22


十分余裕がある。


昼過ぎにはレベルもひとつ上がって Lv4 に。

ステータスの微増だが確実な成長を感じる。

◆ 深部への通路と“違和感”


影の回廊の最奥──昨日引き返した場所に、主人公はたどり着いた。


石造りの長い通路。

天井から吊るされたように見える影が揺れ、まるで誰かがこちらを見ているようだ。


そして、壁の奥から“微かな呼吸音”が聞こえる気がする。


(……ボスが呼吸してる?)


まだ中には入らない。

今日は深部の偵察とドロップ稼ぎが目的だ。


そのとき──気配察知が突然、鋭く反応した。


「っ……!」


影の通路の天井から、黒い“何か”が落ちてくる。


物語「ピーター・パン」に登場する“迷子の影”をモチーフにした魔獣──

シャドウリトル(影人形)。


二体、三体、四体……

一斉に飛びかかってくる。


「昨日とは……違うっ!」


昨日より動ける。

昨日より見える。

昨日より、確実に強い。


ナイフの刃が黒い影を裂き、魔石が床に転がる。

最後の一体を倒し、息をついた。


「……強化されてるのは、俺のほうか」


ドロップは一つだけ。


● 《スキルロール:影耐性パッシブLv1》


レアスキルだ。

影属性の攻撃はこの階層に多いので相性が良い。


(……これは、ボス戦のためにも絶対取っておきたい)


だがSP残量を考えると、一度戻って休息しながら使い方を考えるべきだ。

◆ 帰還


「今日はここまでだな」


夕方。

主人公は入り口まで戻り、管理課でアイテムを売却する。


● 魔石(小) ×8

● 魔獣素材 ×数点

● 劣化スキルアイテム ×1


合計:およそ 56,000円

昨日と合わせれば十分な資金だ。


買い取りの職員が驚いたように言う。


「二日目でこれだけ? ……探索に向いてますよ」


(いや、鑑定レベル10とアイテムボックスが反則級なんだよな)


内心苦笑しつつ、主人公は買い物を済ませる。


● HPポーション ×2

● 食料 ×2日分

● 予備ロープ

● 消耗品いくつか


帰宅後はしっかり休息。

スキルロールの試し運用は明日のダンジョン内で行う予定だ。


ベッドに倒れ込むと、すぐに眠気が訪れた。


──次こそは、第一層のボス部屋へ。


その決意を胸に、主人公は眠りについた。

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