水蛇様
とある村の冒険者ギルドにとある男がいた
その男はその村の出である
その男は村で一番強かった男こと村長に憧れていた
その村長はとある組織にとある悩みを頼んだ
今日はその組織の人物が来る日である
「私が派遣されたセフィラ・ソウルです」
「村長です」
その人物は探偵服にフード付きローブを羽織った少女だった
顔はフードの影響か、見ることはできない
男は疑問だった
何故、村長が対応できないのだ
何故、男自身が対応できないのか
「村長!なんで外のものに頼んだのですか!?俺や村長じゃ駄目なんですか?それ以前になにか問題があるんですか?」
「村長。この男は?」
「この村の若者です。とても優秀で……だからこそ」
「なるほどね〜」
男の問いに答えず二人は何かを納得していた
そんな男に村長はとあることを告げる
「これから知ることはこの村でいちばん大切なことだ。これは、村長しか知ってはいけないこと。だがお前に受け継がせるわけにはいけないこと。このことは儂が墓まで持っていかなければならないのだ」
「村長、そんな死にに行くみたいに言わないでください!俺にも背負わせてください!!」
「そうもいかんのじゃ。このことはこの村が始まってからずっとある悪習なのじゃ「別に見るくらいなら問題ないですよ」だから、え?」
「見る分には問題ないですよ。特に秘匿が必要なことをするわけではないので。後、先に調査に行った黒から連絡がいま来まして。感染系じゃないので問題ないと」
「ジャッじゃあ」
男は二人についていくことを許可された
三人は村の裏山の池に来た
そこには先に調査に行っていた黒ことクリフォ・ソウルと組織の職員達がいた
「黒〜今回の対象は?」
「あの山」
「マジ?」
「マジ」
クリフォがマジといったと同時に池の奥に見える小さな山が動いた
それは、大きな蛇だった。その体には黒い粘性のある液体がまとわりついており、体の所々から赤い蛇の目が見えている。それが、山に巻き付いていたのだ
「これが、」
「そうじゃ、この村で一番強いものが抑えていた水蛇様じゃ」
「うっわ〜。随分と溜め込んでますね」
「計算結果は539人みたいですね」
「こりゃ早めにどうにかしなくちゃだな」
「それじゃあ、計画通りに『幻想機械 大百足』」
セフィラ達組織は動き出した
セフィラはその影から山を何十にも巻き付く何処か機械じみた白い大百足を呼び出した
大百足は蛇に巻き付く
そんな中クリフォは一つの武器を取り出したそれは槍と剣と斧が組み合わさった形をしていた
男が言った
「なんですか?あの武器。まるで『私が考えた最強の武器!』みたいな見た目」
「ああ、あれはハルバードだね。使い手があまりいないから知らない人もいるだろうけどあれも一応れっきとした武器だよ。黒の武器選択は癖のあるものしか選ばないからね〜」
「うるさいですよ。白」
クリフォが何かを唱えると同時にたくさんの雷がクリフォ本人に降り注ぐ
蛇は大百足に抑えられて動けていない
クリフォはまとった雷をハルバードの穂先に集め、蛇の首を切り落とした
「これにて完了。後は後片付けですね〜」
数年後
組織こと深淵財団内部にてセフィラとクリフォが喋っている
「あの村、村長変わったらそうですよ」
「ああ、そんなに経ったのか。もしかしてあの時の」
「あの男ですね〜」
そんな平和な会話をしていた