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豊泣村

ある山中の農村に二人の少女が現れました

一人は白髪に右目の眼帯、首にチョーカー、服は探偵風の服。

もう一人は黒髪に、動きやすそうななんとも言えない服装。

そんな二人は村の長の家に来ました



「ようこそ、豊泣村とよなきむらに。私はこの村の村長をしている豊泣と申します」



村長が挨拶すると、黒髪の方の少女が話しだしました



「お招きいただきありがとうございます。私は深淵探偵事務所所属深淵探偵助手のクリフォ・ソウルですそして、こっちの白いほうが」

「深淵探偵事務所深淵探偵セフィラ・ソウルだ。他にも話したいこともあるだろうが、依頼について聞かせてもらおう」

「白……」




どこか偉そうな白い少女こと、セフィラ・ソウル

それを「もう少し、こう、ないんですか?」と言わんばかりな黒い少女、クリフォ・ソウル

そんな二人を見ながら村長は、器に入れられた溢れんばかりの水を飲んでから依頼について話し出しました



「そうですね。依頼について話しましょう。この村からの依頼は、この村で起きている失踪事件についてです」

「失踪?」

「はい。毎年この村は一定の年齢になった娘が失踪するということが起きています。私が子供の時から起きており、しばらくしたら家に帰っていることからか警察も動かないのです。しかし、」

「状況が変わったと」

「はい。その年齢に満たない村の娘たちが先週失踪しました。それも全員」

「今まではそうではなかったんですか?」

「ええ。今までは失踪するのは一人か二人だったのですが……」

「なるほど。この深淵探偵がこの件を解決しようではないか。その少女たちの行方と失踪の原因を解き明かそう」




セフィラ・ソウルは眼帯に覆われていない蒼い左目からワクワクを隠さずに言いました

【相変わらずの人だな】

まだ出番は先なので引っ込んでください

【ハイハ〜イ】



白と黒の二人は村の宿に来ていました

豪贅な食事を食べ部屋で水を飲みながら話していました



「それで、この事件の真相知っているのでしょ」

「まだ語るべき時ではない」

「はいはい。分かっているけど証拠がないから喋れないのね〜。コレドの側面で受けるつもりだったやつ?」

「最初は(おもて)で受けようかと思っていたのだがなぁ〜。クロ的にはどっちだと思う?」

「予想でいいなら」

「もちろん♪」

(うら)じゃないかな……。その表情正解って顔ね」

「そうだな」

(うら)か〜。絶対ろくなことじゃないでしょ」

(うら)に比べたらマシだろ」

「それもそうですね」





二人は村の商店街に来ていました



「この村、規模的には町じゃないですか?」

「この規模だとなぁ〜。町だな」

「おやおや。外の人ですか?」



二人は商店街を歩いていたおばあさんに話しかけられました




「はい。私達は村長さんの依頼できたものです」

「毎年人が消えるらしいがなにか知ってるか?」

「ああ、そのことですか。ようやく動いてくれたんですか。ずっと願い続けたかいがありました。これで姉に会えるんですね」

「?村長さんは」

「今までの方についてははっきりとしたことは言えないが、この深淵探偵がこの件を明るみに出すと誓おう」



クリフォの言葉を遮ってセフィラは、おばあさんに約束しました

おばあさんと別れた後、クリフォは不満そうに質問しました



「なんで遮ったんです?」

「分かっていってるだろ。あそこで言えることじゃない。結論を言うのは」

「情報を集めてから」

「そうだ」



そう言ったあと、セフィラは何を思いついたのかクリフォに聞きました



「探偵物だと、ここらへんで助手とか主人公とは違うもう一人の探偵が素っ頓狂な推理を披露するところだが」

「やりませんよ」

「まだ何も言ってないではないか」

「無茶振りがそろそろ来る頃だろうと思っていたので」



セフィラは少しつまらなそうにした後近くの女性に訪ねました



「こんにちは。一つ訪ねてもいいかな?」

「こんにちは。いいですよ」

「のどが渇いてきてね、どこか水の飲めるところはないだろうか」



すると女性は村の北側を示して言いました



「この先に村で使っている井戸があります。外から来た人も使ってよかったはずです」

「教えてくれてありがとう」



セフィラは女性と別れ、村の北側に向かいました





セフィラとクリフォは井戸につきました

井戸は、よく手入れされているのかとても綺麗でした

そして、井戸の蓋から水が溢れ出ていました

セフィラは言いました



「黒!見給え。井戸から水が溢れているぞ!!」

「すごいですね。浅いんですかね」

「いいや、これは・・・・・・・。まだ語るべき時ではないな」

「あ、察し」

「そうだなもう少し探索しようか」



二人は村の南側に来ましたそこには広い乾いた田園風景がありました

そこに生えている水穂はたくさんの粒を付けていました

クリフォが言いました



「すごい小麦畑ですね」

「いいや違うよ。これは米だ」

「え?でも、水張ってないですよ」

「水を必要としない……訳では無いみたいだな」

「何ででしょうか」

「北の端に行こう。そこで答え合わせができるはずだ」




村の北の端

そこには一つの社がありました

近くにいた男性に聞いたら



「ここは、豊泣神社と言うんだ。この村の神様の豊泣様を祀っているんだ」




と答えてくれました

クリフォが訪ねました




「白、なんでこっちに?」

「それはだね、黒が商店街で買い物をしていたときに警察に防犯カメラを見せてもらったからだよ。村長のお願いで動いているって言ったらすんなり見せてくれたとも」

「大丈夫か警察」

「いつものことだろ」

「そうだけども」




二人は神社の奥へ侵入する許可を村長からもらってました

二人は神社の奥へと進んでいきました




「歪だね」

「歪ですね」

「ここの神様ってどんな神様なんでしょうか」

「黒的にはどう思う?」

「豊泣というぐらいだから、豊穣を司っているんじゃないかなと」

「多分それであっていると思うよ。ほら、最深部だ」




二人がついたそこには、たくさんの少女の亡骸が転がっていました

セフィラが言います




「ここに転がっているのは全て過去にここにつれてこられた者たち」

「失踪ってもしかして」

「村の人達は本当は知っていたんだよ。この村には毎年ここの土地神に生贄を捧げる必要があった。今年はその神様が欲をかいたみたいだけどね」



少女たちの亡骸の奥からぶくぶくと超えた3mはある大きなカエルが姿を表した




「これが」

「豊泣様だね。やるよ」



後は仕事をするだけ、自我を失い欲だけになった元神を殺すだけです

クリフォはどこからともなくメイスを取り出し突撃しました

元神はノソノソと動きクリフォを潰そうとします

しかし、荒事の多いこの仕事

戦い慣れているクリフォはゆっくりとした攻撃を避け、その頭にメイスを振り下ろしました



『Gooooooo』



元神は初めて感じる強い痛みと死への恐怖に体を震わせました

クリフォはメイスで元神の頭を地面に叩きつけます

元神が頭を上げたとき目に写ったのは、背後から巨大なエネルギー銃を生成してかまえているセフィラの姿でした




数日後

深淵探偵事務所にたくさんのお米が届けられました

受け取ったクリフォは言いました




「あの村からですか」

「あそこの米、美味しかったからね。これからしばらくはこの米だよ」



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