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プロローグからの…

高校生において2年生とは思いのほか特別な学年だ。

部活をやっていれば、夏以降は2年生が中心となるし、校内のイベントでも中心となることが多い。また、後輩もできるから、先輩面ができるようになる。

受験準備もまだ始まらないこの時期は陽キャな方々にとっては、いや、高校生にとって一番楽しい時期なのではないだろうか。


 ここは、首都圏であり、東京ではないが東京を冠するテーマパークのある県の県庁所在地に近い市。どこにでもありそうな県立の普通科のある高等学校。県立みなみ高等学校。

偏差値もそれなりだ。でも特別な進学校というわけではない。

それでも俺が入れたのは奇跡かもしれない。

歴史だけは古い高校だからか、設備も外観も授業内容も一昔前の高校という感じの学校である。


さて、季節は春である。2学年として新学期が始まったばかり。そんな月曜日の朝。

休み明けの春うららかな頭であった俺はまだ今日がこんな濃い一日になるとは思ってもいなかった。


「おいっすぅ。」

と、気の抜けた声で教室にいた友人に挨拶した俺は、現在16歳。

思春期ど真ん中の男子である。

「おう、おはよう。今日も眠そうだな。また夜間のバイトか?」

「まぁな。あ”ぁ”ー眠い。昨日は22時上がりだったから。」

「お前さ、生徒会副会長の自覚ある?」

こいつは、高1の頃からの友人で菅谷仁という。不思議とこいつとは古い友達のように話せる。なぜか、心がコイツのことを拒否しない、助けるつまり気楽に接することができるのだ。

菅谷は元バスケ部の高身長のイケメンだ。性格もイケメンである。

活躍していたバスケ部を俺とつるむ為に辞めて生徒会役員になった場合変わりものだ。

色んな意味で変わり者って部分なのは俺も同じかな、?

しかし、俺は自ら望んで生徒会に入って覚えはない。ないったらない!

「副会長にはなったけど半ば強制だからね?バイトもせっかく学校の許可貰ってるんだからもっとやりたいしよ。それから痔核はないと思っている。」

「きたねえな朝から、そっちじゃねぇよ。」

「わかってるよ。自覚といってもなぁ、マジで微妙だ。母親の知り合いの校長がいるっていう現実が、すでに稀有な状況であって、その校長先生からも推薦されて逃げ道がなかっただけだ。一年の時は庶務という雑用だからまだ良かったけどな。

そもそも、会長が...何も俺と久美を副会長に指名しなくても。もっと相応しい奴は他におったやろ?生徒会の連中と連むのは悪くないんだけどよ。生活費に、バイクの維持費、道場関連とか、けっこう金はかかるからな。バイトは増やしたいんだよ。」

「生活費って?あぁそうだったな。少し前から一人暮らしなんだよな。でも無理はすんなよ。」「あんがとよ」

コイツは俺の家族事情もある程度は、話してある。それでも態度は変わらないからありがたい。

「それにしても生徒会役員にふさわしい男か。...お、いるじゃん?適任な奴が!」

「ん?どいつ?」

「ほら、お前の同中の彼www、オトモダチだろ?バスケ部で、頭もヨロシク、お顔もヨロシイあいつだよ!」

「・・・っ!・・・コ〇スゾ?」

-スっと、目が細くなる俺。

「ま、まて、今のはさすがに俺が悪かった。お前のはマジでシャレにならん。」


俺は地元の伝統派古流空手の有段だ。心は未熟だけど、身体は下手な大人より凄いと思う。


「はぁー。もう、そこまで気にしてないつもりだったんだけどな。

それに、あいつよりはマシな道徳観をもっているつもりなんだが。妹も一時期あいつにお熱だったからなぁ。やっぱり、男は顔ですか。」

「ほぉ、お前の妹がねぇ」

「手ぇ出すなよ?」

「出すわけないだろ!」

「知ってるよ。あの件を除けば割といい奴だった気もするが・・・。もっとも、中学時代からムードメーカみたいなやつだったし調子に乗りやすいとか、ムカつく傾向はあったけどな。こんな屑ではなかったと思う。あの頃の俺に話しかけてきたくらいだし。」

「悪かったよ。あいつらがお前にしたことは俺も許せないからさ、俺はバスケ部を退部してるから好き勝手言えるし。そもそも、お前を傷つけたやつの肩は持たん。何より、お前に誘ってもらえたから生徒会にいられるしな。鴨川副会長とも正当な理由で傍にいられるしな。」


うちの学校は、何らかな部活または委員会、または生徒会のような組織に所属しないといけないというめんどくさいルールがある。ちなみに俺は、生徒会に入る前は書道部の幽霊部員であった。

どこにも所属するつもりはなっかたのだが、当時担任の石井先生が顧問だったからか、なんか半ば強制的に入れられた。でも生徒会に入り退部した。ちなみに生徒会の顧問も石井先生だ。


「俺からするとな、菅谷のほうが副会長に向いていると思うんだ。成績も学年でも一桁順位で、バスケ部の元エースシューターだろ?そこそこイケメンだし。」

「んじゃ、お前が会計やるか?」

「無理っす」

「じゃあ、しょうがねぇじゃねぇか」

「だな」

「それから、そこそこは余計だ」

「イケメンはくたばりやがれ。」


そんな会話をしているうちに教室にはクラスメイトが続々登校してきたため一度話を切り、適当に無難に朝の挨拶を繰り返す。

目つきが悪い俺は適当に愛想良くしていないと直ぐに悪いほうに勘違いされる。

過去にやらかしているから全否定はできないが。

1年の時にも悪い噂で苦労したし。ボッチは良いけど孤立はつらいからなぁ。

だからこそ、クラスメイトとも必要以上にかかわらず、にわかボッチ生活をしているのである。


俺は、幼い頃から色々あって、他人に特別好かれたくはないが、嫌われたくもない(孤立したくない)というめんどくさい性分だ。

しかも、人に対して不信なところがある。

よって友達も少ない。(別に陰キャというわけではないと思っている特殊なだけだ。)


ただ、少しばかり根暗で重い性格が災いしてかな?


昨年、初めて彼女ができたが、わずか3か月で浮気され、お別れとなっている。


先ほど菅谷の話にも出てきた、バスケ部の現在のエースでありイケメン。そして学年上位の成績。このイケメン君こそ、元カノの浮気相手であり、なんと中学時代の俺のオトモダチだったりする。


こちらの彼に乗り換えられ、僅か3か月で見切品となってしまった俺ではあるが、思うところはあった。


彼氏がいると知っていて、よくもしれっと交際を始められたものである。

彼の神経が理解できない。彼女も同じだが。


浮気も許せないけど、それ以上にムカついたのは、彼女だった、あの女に変な噂を流されたことだ。

クラスの連中とかに陰口たたかれまくって鬱になりかけたぞ。

更に家庭の事情も重なり少々人間不信が少々進行していた。


2年になって、あのバカップルとクラスが別になって、俺の周りが少し静かになったのが、唯一の救いか。


※ このお話はフィクションです。消防関連の事故を題材の一部に取り上げておりますが日本からの災害派遣に於いて消防官(消防士)の死亡例はありません。

※ 実在のお店、メーカー、バイク・車も登場しますが一切、実在の物とは一切関係ございません。ご了承ください。

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