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高笑い
「さあ、お二人さん、こちらへどうぞ」
事務所には地味な机と椅子があるだけでし
た。秋丘はその椅子に二人を座らせ、自分
は机をはさんで真向いに座りました。
「いやあ、うちの良平から聞いとりました
が、アンさんホンマに男前どすなあ」
「いや、それほどでも」
「うん、声もなかなか魅力的でっせ」
「は、はあ」
「ぜひ、うちのタレントとして働いてもら
えまへんやろか」
「はい、よろしくお願いします」
「ハハハ。今までうちは青井良平一人しか
スターがおらんかったが、これからはアン
さんと良平の二枚看板や。ジャンジャンも
うけさせてもらいまっせ。ハッハッハ!」
秋丘は上機嫌で高笑いをしました。それか
ら、海斗くんの隣でしおらしく座っている
明美さんに話しかけました。
「で、そちらのお嬢さんは?」
ーつづくー




